キリストは低くひっそりと小さな町で誕生された
1.キリストはいと小さき町で生まれた
キリストの生まれたのは、ユダヤのベツレヘムでした。
エフラタのベツレヘムよ
お前はユダの氏族の中でいと小さき者。
お前の中から、わたしのために
イスラエルを治める者が出る。
彼の出生は古く、永遠の昔にさかのぼる。
ミカ書 5章1節
ベツレヘムは、ユダの氏族の中でいと小さき者と言われていました。
イエス・キリストの生まれたのは、このいと小さき町でした。
当時の中心部であったエルサレムではなく、そこから外れたベツレヘムだったのです。
キリストは、小さな町ベツレヘムでひっそりと生まれています。
華々しさはありません。羊飼いたちに、天の軍勢が現れてはいますが、
そこは人里離れたベツレヘムの野原でしたので、
羊飼いたちのほかにその姿を見ていた人は、いなかったことでしょう。
華々しくない、とても小さな町ベツレヘムで
キリストはひっそりと、お生まれになったのです。
2.キリストの誕生はごくわずかなひとにしかわからなかった
キリストは、このような小さな町に生まれたので、
その降誕の知らせは、国中に知れ渡ったというのではなく
羊飼いたちなど、ほんのわずかな人たちにしかわかりませんでした。
その光景を見て、羊飼いたちは、この幼子について
天使が話してくれたことを人々に知らせた。
聞いた者は皆、羊飼いたちの話を不思議に思った。
ルカによる福音書 2章17〜18節
羊飼いたちは、天使の話した内容を人々に知らせていますが
その時点でそこにいた人々の数は、それほど多くなかったと考えられます。
ですから、ほんのごくわずかな人々にしか降誕は認知できなかったと考えられます。
ヘロデ王は、東方の学者たちによって
キリスト降誕を知らされますが、それは降誕のもっと後になってからです。
3.キリストは輝かしい風格も好ましい容姿もなかった
もしキリストが、エルサレムの王宮で王子として生まれていたら
王の子として、輝かしい風格が与えられていたことでしょう。
また大祭司の家に生まれて育てられていたとしたら、祭司の風格があったことでしょう。
しかし、ナザレの大工の子として育ったのです。
そこには王としての風格も、祭司としての風格もなかったことでしょう。
誰が見ても彼は、ごく一般の大工の子であって、普通の人だったわけです。
乾いた地に埋もれた根から生え出た若枝のように
この人は主の前に育った。
見るべき面影はなく
輝かしい風格も、好ましい容姿もない。
イザヤ書 53章2節
むすび.キリストは人々に仕えるために低く生まれ低く生きられた
キリストは、小さな町ベツレヘムのしかも家畜小屋で
小さく低く、お生まれになりました
そしてその低い姿は、十字架の死に至るまで続いていたのです。
その姿はどこまでも自分を低くし、「罪人の人間」を愛して生かすために
人々に仕え続ける、謙遜な姿だったのです。
最後には十字架の死という苦しみの中で、人々に最高の愛を示されました。
自分が死んでも人を生かす、最高の仕える姿を示されたのです。
キリストの地上における人生は、家畜小屋に生まれてから十字架の死に至るまで
へりくだって人々に仕えるという、低い低い姿だったのです。
【今日の聖書】
キリストは、神の身分でありながら、
神と等しい者であることに固執しようとは思わず、
かえって自分を無にして、僕の身分になり、人間と同じ者になられました。
人間の姿で現れ、へりくだって、死に至るまで、
それも十字架の死に至るまで従順でした。
フィリピの信徒への手紙 2章6〜8節