ノアの洪水後の食生活は、洪水前と大きく変わっています。
　神によって、肉食が許可されたからです。
　この時から人類の歴史に、肉を食べる習慣が始まりました。



　元々の人間の食べ物は、全地に生える種を持つ草と
　木に実る、種を持つ実だけでした。


　人間の食べ物の中に、動物は入っていなかったのです。
　元々の、人間と動物の間の関係は、
　「人間が動物を平和に支配する」という関係でした。




　ところがノアの洪水以降、激変します。
　洪水前は「人間が、動物を平和に支配する」という関係でしたが、
　洪水後は「人間が、動物を食材の一つとする」という関係になってしまったのです。

　動物たちにとってみれば、大変なことです。
　今まで、自分たちを平和に支配してくれていた人間が
　「自分たちを捕まえては、料理して食べてしまう」という

　怖ろしい存在に、変わってしまったからです。



　このような人間の変化によって、動物たちは人間から逃げるように
　なってしまったのです。一部の家畜などの動物を除き、ほとんどの動物は
　人間のコントロールがまったく効かない存在に、なってしまったのです。

　当初の「海の魚、空の鳥、地の上を這う生き物をすべて支配せよ。」という
　神の命令は、実行不可能になってしまったのです。
　現在クマやイノシシと共存してはいますが、もし出会ったら大変です。

　人間の方が、逃げなければなりません。
　単に動物は人間から逃げるだけでなく、動物によっては
　人間に襲い掛かってくるようにも、なってしまったのです。


　ノアの洪水後、人間と動物の関係が崩れ去っただけではなく、
　動物と動物の間でも、平和な関係が崩れ去ったようです。
　動物同士の食い合いが、起きるようになったようです。

　元々動物はすべて、草食でした。


　ですから、箱舟の中でも動物たちは草を食べていたはずです。
　ライオンも、箱舟の中で草を食べていたと考えられます。
　肉食だったら、箱舟の中は逃げ惑う動物たちで大混乱だったでしょう。

　餌になる動物を、別途大量に用意したとも記録されていませんので
　現在のすべての肉食動物は、まだこの時点では草食だったと考えられます。
　ですからノアたちは、動物たちの餌として草や穀物だけ用意しておけばよかったわけです。

　ですから肉食動物の肉食も、ノアの洪水以降に始まったと考えられます。
　現在、動物の間で弱肉強食が起きているということは、
　創造の初めから現在に至るまでのどこかで、変化があったということになります。

　それがこのノアの洪水後だったと、考えることができるのです。


　私たちは、普段当たり前のように肉を食べています。
　ハンバーグや唐揚げ、鳥のモモなど、子供たちも喜んで食べています。
　けれども、元々人間は肉を食べるように造られてはいなかったのです。

　ノアの洪水後に、神から肉食を許可されて
　そこから、肉食が始まったのです。
　動物間の弱肉強食も、今は当たり前と思っていますが元々は違ったのです。

　神が初めに造られた時の世界は、現在の世界と比較にならない程
　素晴らしい世界だったのです。
　世界が今のようになってしまったのは、人間の罪に起因しているのです。

　【今日の聖書】
　動いている命あるものは、
　すべてあなたたちの食糧とするがよい。
　わたしはこれらすべてのものを、
　青草と同じようにあなたたちに与える。
　創世記　９章３節