国家のリーダたちのために祈る
パウロはテモテに対してあてた手紙で、次のように記しています。
そこで、まず第一に勧めます。
願いと祈りと執り成しと感謝とを
すべての人々のためにささげなさい。
王たちやすべての高官のためにもささげなさい。
わたしたちが常に信心と品位を保ち、
平穏で落ち着いた生活を送るためです。
テモテへの手紙一 2章1〜2節
「願いと祈りと執り成しと感謝とを
すべての人々のためにささげなさい。」と語り、
続いて
「王たちやすべての高官のためにもささげなさい。」
と勧めているのです。
当時の王と言えば、ローマ皇帝ですが
ローマ皇帝は、当時のユダヤ人にとっては、
その支配から、早く脱却したい、
そして、早く自分たちの独立した国家を作りたいという
言うならば、ある面、敵対関係にあるような、
これ以上、自分たちを支配してほしくないという
そんな王だったわけです。
そのことは、使徒たちの言葉からもわかります。
さて、使徒たちは集まって、
「主よ、イスラエルのために国を建て直してくださるのは、
この時ですか」と尋ねた。
使徒言行録 1章6節
自分たちの国家を樹立したい、ローマ皇帝の支配から
一日も早く脱却したい、そんな願いが伝わってくる言葉です、
それほど、ローマの支配は重くのしかかっていたわけです。
しかしパウロは、そういうローマの皇帝であったとしても
神が、その王を救いたいと願っておられるのだから
その王のためにも、祈る必要があるのだと説明しているのです。
王たちのために祈ることによって
常に信心と品位を保ち、
平穏で落ち着いた生活を送ることができるとも、語っています。
私たちも、政治的に上に立つ人々のために
祈りの手を、上げ続ける必要があります。
政治的な運動に明け暮れるのではなく、祈りに明け暮れるのです。
祈りではなく、政治運動によって世の中を良くしようと思うと
どうなるでしょうか?
行き過ぎた活動が、何をもたらしたかは昭和の歴史が教えてくれます。
政治が変わらないばかりか、暴力から命が奪われる事態に続いたのです。
そこに、平穏で落ち着いた生活はないのです。
けれども祈りは、世界を変える力を持っておられる神に届きます。
本当に世界を変えたいと願うならば、全知全能の神に祈ることです。
常に信心と品位を保ち、平穏で落ち着いた生活を送りながら
世界が神によって変えられてゆくのを、期待することができるのです。
【今日の聖書】
そこで、まず第一に勧めます。
願いと祈りと執り成しと感謝とを
すべての人々のためにささげなさい。
王たちやすべての高官のためにもささげなさい。
わたしたちが常に信心と品位を保ち、
平穏で落ち着いた生活を送るためです。
これは、わたしたちの救い主である
神の御前に良いことであり、喜ばれることです。
神は、すべての人々が救われて
真理を知るようになることを望んでおられます。
テモテへの手紙一 2章1〜4節