九本柱
田和山遺跡の頂上にある、九本柱は何の柱だったか?
これについては、「わからない」というのが現在の大方の見解です。
けれども、九本柱が「田の字型」に立てられている建造物といえば
それこそ「出雲大社」に代表される、神社の本殿(神殿)ということになります。
ですから田和山遺跡の頂上には、神社の本殿があったのではないか?
と想像する
人もいるようです。
もしそうであれば、田和山遺跡の頂上の神社の本殿で、
何らかの礼拝が、行なわれていたことになります。
確かなことはわかりませんが、その可能性は大いにあります。
田和山遺跡というのは、高台における何らかの宗教活動が
そこで行なわれていたことを示している、遺跡なのかもしれません。

遺跡の頂上から西側斜面を見下ろす
(以前は中腹から水が湧き出て流れていたと言います)
1.ソロモンの高台礼拝
聖書を見ると、高台で様々な宗教活動が行われていたことがわかります。
イスラエルのソロモン王も、神に背いて高台を築いてしまい
そこで、偶像崇拝をしてしまっています。
そのころ、ソロモンは、モアブ人の憎むべき神ケモシュのために、
エルサレムの東の山に聖なる高台を築いた。
アンモン人の憎むべき神モレクのためにもそうした。
列王紀上 11章7節
本来、偶像は決して拝んではならなかったのですが、
ソロモンの外国人の妻や側室たちが、ソロモンを誘ったのです。
ソロモン王は妻たちに誘われるまま、偶像崇拝に陥ってしまったのです。
2.ソロモンの妻や側室たちはソロモンを惑わした
ソロモンには700人の妻と300人の側室がいました。
自国だけでなく、諸外国から妻や側室を迎えていたのです。
彼には妻たち、すなわち七百人の王妃と三百人の側室がいた。
この妻たちが彼の心を迷わせた。
ソロモンが老境に入ったとき、彼女たちは王の心を迷わせ、
他の神々に向かわせた。
こうして彼の心は、父ダビデの心とは異なり、
自分の神、主と一つではなかった。
ソロモンは、
シドン人の女神アシュトレト、
アンモン人の憎むべき神ミルコムに従った。
ソロモンは主の目に悪とされることを行い、
父ダビデのようには主に従い通さなかった。
列王紀上 11章3〜6節
ソロモンは、外国生まれの妻たちすべてに対して
それぞれの出身地の偶像崇拝をすることを、許してしまいます。
また、外国生まれの妻たちすべてのためにも同様に行ったので、
彼女らは、自分たちの神々に香をたき、いけにえをささげた。
列王紀上 11章8節
3.北王国における高台礼拝
その結果、ダビデによってひとつに統治されていたイスラエルは、
ソロモン以降、北と南に分裂してしまうことになってしまうのです。
北王国の王たちは、高台での偶像崇拝をやめることがありませんでした。
ヤロブアムはユダにある祭りに倣って第八の月の十五日に祭りを執り行い、
自ら祭壇に上った。
ベテルでこのように行って、彼は自分の造った子牛にいけにえをささげ、
自分の造った聖なる高台のための祭司をベテルに立てた。
彼は勝手に定めたこの月、第八の月の十五日に、
自らベテルに造った祭壇に上った。
彼はイスラエルの人々のために祭りを定め、
自ら祭壇に上って香をたいた。
列王紀上 12章32〜33節
北王国の最初の王となったヤロブアム王は
金の子牛崇拝を始めてしまい、高台での偶像崇拝もしているのです。
ヤロブアム王以降、金の子牛崇拝と高台での礼拝は継承されてしまい
最終的に北王国は、アッシリアに捕囚になってしまうことになったのです。
高台での偶像崇拝は、北イスラエル王国に入り込んで
何代にもわたって行なわれていき、滅びを招いてしまうことになったのです。
むすび.滅びを招いてしまった高台での偶像礼拝
偶像崇拝は、主なる神の怒りを招きました。
神ならぬものを神とすることは、夫に対する妻の不貞行為と同様
罪の本質なのです。
不貞行為が夫婦関係を破壊するように、偶像崇拝は神との関係を破壊します。
夫婦の関係が破壊されると、家庭は崩壊します。
神との関係が破壊されると、私たちの人生は破滅します。
最終的に滅びるのです。地上を去ったのち、神の裁きによって裁かれます。
怖ろしい炎熱の炎で、永遠に焼かれ続けることになるのです。
決してそんなところに、行ってはならないのです。
神ならぬものではなく、本物の神をこそ神として礼拝すべきなのです。
【今日の聖書】
ソロモンの心は迷い、
イスラエルの神、主から離れたので、
主は彼に対してお怒りになった。
主は二度も彼に現れ、
他の神々に従ってはならないと戒められたが、
ソロモンは主の戒めを守らなかった。
そこで、主は仰せになった。
「あなたがこのようにふるまい、
わたしがあなたに授けた契約と掟を守らなかったゆえに、
わたしはあなたから王国を裂いて取り上げ、
あなたの家臣に渡す。
列王紀上 11章9〜11節