パウロの当初の計画と神の計画
1.第二回伝道旅行の目的は前に伝えた人々を見に行くこと
1.1 もう一度行って兄弟たちを訪問しよう
第二回伝道旅行に行こうとしたパウロは、次のような語っています。
数日の後、パウロはバルナバに言った。
「さあ、前に主の言葉を宣べ伝えたすべての町へ
もう一度行って兄弟たちを訪問し、
どのようにしているかを見て来ようではないか。」
使徒言行録 15章36節
パウロの中にあった第二回伝道旅行の目的は、
第一回伝道旅行で福音を宣べ伝えたすべての町へ、もう一度行くことでした。
そこに行って、福音を信じた人々の様子を見てくるというのが目的だったのです。
1.2 実際に行動に移し出発
第一回伝道旅行では、キプロス島(13:4)、ピシディア州のアンティオキア(13:14)
イコニオン(13:51)、リカオニア州の町であるリストラとデルベ、
またその近くの地方(14:6)、ペルゲ(14:25)などに行って福音を語っています。
ですからパウロの頭にあったのは、その地域に行って信徒の様子を見て来る
ということだったことが、わかります。
パウロと激論の末分かれてしまったバルナバが、キプロス島に行ったので
そこで、意見が激しく衝突し、
彼らはついに別行動をとるようになって、
バルナバはマルコを連れてキプロス島へ向かって船出したが、
使徒言行録 15章39節
パウロはシラスと共に、シリア州やキリキア州を回って
教会を力づけます。
一方、パウロはシラスを選び、兄弟たちから主の恵みにゆだねられて、出発した。
そして、シリア州やキリキア州を回って教会を力づけた。
使徒言行録 15章40〜41節
1.3 デルベやリストラにも行った
第一回伝道旅行で行った、デルベやリストラにも行きます。
リストラでテモテと出会って、テモテがパウロに同行することになるのです。
テモテはリストラとイコニオンで、評判の良い人物だったのです。
パウロは、デルベにもリストラにも行った。
そこに、信者のユダヤ婦人の子で、ギリシア人を父親に持つ、テモテという弟子がいた。
彼は、リストラとイコニオンの兄弟の間で評判の良い人であった。
使徒言行録 16章1〜2節
2.パウロはその後新たな地域にも出かけた
2.1 ビティニア州に入ろうとするのを止められた
パウロたち一行は、フリギア・ガラテヤ地方を通って行きます。
そして、ビティニア州に入ろうとするのです。
しかし、イエスはそれを許さず止められるのです。
ミシア地方の近くまで行き、ビティニア州に入ろうとしたが、
イエスの霊がそれを許さなかった。
使徒言行録 16章7節
2.2 結局トロアスに下った
その結果パウロたちは、トロアスに行くことになったのです。
それで、ミシア地方を通ってトロアスに下った。
使徒言行録 16章8節
このトロアスでパウロはマケドニア人の幻を見ます。
そしてマケドニアに、渡っていくのです。
神の計画は、パウロたち一行をマケドニアに遣わすことだったのです。
2.3 マケドニアで多くの教会が形成されていった
パウロたちはまず、フィリピに行きます。
フィリピでいろいろなことが起こりますが、そこに教会が形成されるのです。
テサロニケにも教会が形成されます。そしてコリントにも教会ができるのです。
神の計画は、まさにそこにあったのです。
3.神の計画は、パウロの頭の中にはなかった
3.1 当初は前に行ったところに行くことが目的だった
パウロが、第二回伝道旅行に行こうとしていた時の言葉を
再び見てみましょう。
何がわかるでしょうか?
「さあ、前に主の言葉を宣べ伝えたすべての町へ
もう一度行って兄弟たちを訪問し、
どのようにしているかを見て来ようではないか。」
彼は、マケドニアに行こうとはこれぽっちも考えていないのです。
彼のビジョンは、「前に主の言葉を宣べ伝えたすべての町へ行くこと」
だったのです。「それが終わったら、マケドニアに行こう!」とは語っていません。
3.2 マケドニアに行ったのはその場で主に導かれたから
マケドニアに行ったのは、ビティニアに行くのをとどめられたからだったのです。
パウロのビジョンは、マケドニアでなくビティニアだったのです。
それを主が、止められました。
だからトロアスに下り、最終的にマケドニアへと向かうことになったのです。
臨機応変とでも言うような、行動だったのです。
人間のビジョンと神の計画の大きな差を、ここに見ることができます。
3.3 一同は当初の計画と違っても進み続けた
「パウロさん、当初のビジョンと違うじゃないですか!」
「大事な伝道旅行の行程を、そんなにころころと変えられては困ります」
とは、誰も言っていません。それどころか、みんな従って着いて行っているのです。
そして、神の計画が前進していったのです。
むすび.当初の予定と違うことを想定する
パウロはその場その場で、神の導きに触れ自分の行くべき道を
神の導きに沿って、変えて行っているのです。
当初の自分の計画に固執することなく、他の人の顔色を伺うこともなく
ただ神に従って、進んでいったのです。
だからこそ、各地に教会が建てあげられ神のみわざが進んでいったのです。
「自分の計画に固執せず、人の反応を判断材料にせず、神に従う」
このパウロの姿勢に、見習うことが必要なのです。
【今日の聖書】
ミシア地方の近くまで行き、ビティニア州に入ろうとしたが、
イエスの霊がそれを許さなかった。
使徒言行録 16章7節