ヨナは「ニネベに行け」という主の指示を受けます。

　「さあ、大いなる都ニネベに行ってこれに呼びかけよ。
　　彼らの悪はわたしの前に届いている。」
　ヨナ書　１章２節

　しかしヨナは、主の指示に従わず、タルシシュに逃げようとします。

　しかしヨナは主から逃れようとして出発し、タルシシュに向かった。
　ヤッファに下ると、折よくタルシシュ行きの船が見つかったので、
　船賃を払って乗り込み、人々に紛れ込んで主から逃れようと、
　タルシシュに向かった。
　ヨナ書　１章３節

　途中船が嵐に会い、ヨナは海に投げ込まれますが
　大魚に飲み込まれ、一命をとりとめます。

　さて、主は巨大な魚に命じて、ヨナを呑み込ませられた。
　ヨナは三日三晩魚の腹の中にいた。
　ヨナ書　２章１節

　主が、ヨナを助けられたのです。
　主はご自分に背いたヨナを、見捨てておられませんでした。
　嵐の海に放り込まれても、罪の罰を受けて死んでしまうようにはなさいませんでした。


　ヨナは魚の腹の中で、どうしたでしょうか？
　ヨナは、魚の腹の中から主に祈るのです。

　ヨナは魚の腹の中から自分の神、主に祈りをささげて、言った。
　苦難の中で、わたしが叫ぶと
　主は答えてくださった。
　陰府の底から、助けを求めると
　わたしの声を聞いてくださった。
　ヨナ書　２章２〜３節

　主に対する悔い改めの祈りを、ヨナは魚の腹の中でささげるのです。

　わたしは感謝の声をあげ
　いけにえをささげて、誓ったことを果たそう。
　救いは、主にこそある。
　ヨナ書　２章１０節

　ヨナは魚の腹の中で、１８０度その思いが変えられているのです。
　「わたしは感謝の声をあげ
　　いけにえをささげて、誓ったことを果たそう。」という祈りは

　まさに、「主に従います、そして主の命じて下さったことを行っていきます」
　という信仰告白に、他なりません。
　「救いは、主にこそある。」と祈りを締めくくっています。


　そんなヨナに対して、主なる神様は素晴らしいことをして下さいます。

　主が命じられると、魚はヨナを陸地に吐き出した。
　ヨナ書　２章１１節

　まず、ヨナを魚の腹の中から助け出し、陸地に再び戻らせられるのです。
　そして、時間を置かずに再びヨナを用いて下さっているのです。

　主の言葉が再びヨナに臨んだ。
　「さあ、大いなる都ニネベに行って、
　　わたしがお前に語る言葉を告げよ。」
　ヨナ書　３章１〜２節

　あれ程、主に背いていたのだから、
　少しぐらい謹慎期間を置いて、時間を置いてから用いた方がよかったのではないか？
　と普通は考えてしまう所ですが、神はそうはなさらなかったのです。

　魚の腹の中で真実に悔改めたヨナを、即座に用いておられるのです。
　しかも、「ニネベの町の人々の悔い改めを、不愉快に思う」ようなそんな
　弱さを持っていることを、重々ご存知の上でヨナを用いておられるのです。


　悔い改める人の罪を、神は完全に赦してくださいます。
　ヨナが、まるでタルシシュに行こうとしていなかったかのように、
　初めから主に従っていたかのように、主はヨナを用いておられます。

　つい４日前まで、主に反抗して罪の中にいたのに
　悔改めた途端に、また預言者としてニネベの人々の救いのために
　すぐに用いられたのです。

　罪を犯してしまって、「自分はもうだめだ」と思う時がやって来るかもしれません。
　その時にヨナを思い出すのです。
　彼は、預言者なのにもかかわらず神の指示に従わなかったのです。

　けれども悔い改めたヨナを、神はすぐに回復させ再び用いられたのです。
　悔い改めても弱さを持っていましたが、それでもヨナの宣教によって
　ニネベ中の人々が、悔い改めて滅びを免れているのです。

　「もうだめだ」ということは、ありません。
　悔い改めて、神に立ち返る道が残されているのです。
　イエス・キリストの十字架の血潮によって、すべての罪は赦されるのです。

　【今日の聖書】
　しかし、神が光の中におられるように、わたしたちが光の中を歩むなら、
　互いに交わりを持ち、御子イエスの血によってあらゆる罪から清められます。
　自分に罪がないと言うなら、自らを欺いており、
　真理はわたしたちの内にありません。
　自分の罪を公に言い表すなら、神は真実で正しい方ですから、罪を赦し、
　あらゆる不義からわたしたちを清めてくださいます。
　ヨハネの手紙一　１章７〜９節