愛は情け深い(親切)
1.愛は情け深い
コリントの信徒への手紙1には、愛についてその内容が列挙されています。
全部で15項目が、列挙されています。
そのうちの2番目が、「情け深い」です。
愛は情け深い。
コリントの信徒への手紙一 13章4節(抜粋)
 |
クレーステュオマイ |
情け深い(親切)【動詞】
親切である,親切にする,慈悲深くする
to show one's self mild, to be kind, use kindness
引用:織田昭編 新約聖書ギリシャ語小辞典 改訂第4版
|
「愛は情け深い。」の「情け深い」という言葉は、
日本語で普通に言えば、「親切」という意味の言葉です。
新改訳聖書では、「親切」と訳されていますが、
新共同訳聖書と口語訳聖書では、「情け深い」と訳されています。
この言葉は、「使用に耐える,役に立つ」というギリシア語を
語源に持つ言葉になります。
2.「情け深い」は「使用に耐える,役に立つ」を語源に持つ言葉
 |
クレーストス |
良い、親切な、恵み深い
元来の意味:使用に耐える,役に立つ
@(物が)良い,快い,楽な
A(人が)良い,親切な,なさけ深い,
慈愛深い,思いやりある
B(神が)恵み深い,情け深い
引用:織田昭編 新約聖書ギリシャ語小辞典 改訂第4版
|
3.「使用に耐える,役に立つ」は「使う」を語源に持つ言葉
 |
クロウマイ |
使う
@使う,用いる,利用する,使用する
Aふるまう,行動する
B(人を)取り扱う,処遇する
引用:織田昭編 新約聖書ギリシャ語小辞典 改訂第4版
|
ギリシア語の「親切」という言葉が、元々は「使う」という言葉を語源に持つ
言葉であることがわかります。
「使用に耐える」から「使える」のであり、「良い」ということになるわけです。
それが人間の場合だと、「親切」という意味合いになっているわけです。
「使用に耐える,役に立つ」→「良い」→「親切」という流れになります。
「親切」は、「使用に耐える、役に立つ、良い」という意味を含む言葉ということです。
その人にとって「役に立つこと」を、してあげること、
その人が「して欲しいと願っていること」を、してあげること
それが「親切」の意味合いになっているような感じです。
逆に言うと、どうなるでしょう?
「不親切」→「その人の役に立つことを何もしない」
ということになるのでしょうか?
むすび.親切を身に付ける
ガラテヤの信徒への手紙5章によると、愛は聖霊の結ばせる実です。
そして親切も、愛の一要素ですが、聖霊の実としてガラテヤの信徒への手紙に
列挙されています。
聖霊によらなければ、真に親切な人にはなり得ないでしょう。
けれども、聖霊によるならば親切な人になることが可能です。
親切な人に聖霊によってさせていただき、
人の役に立つ人、神にも大いに用いられる人となりたいと願います。
【今日の聖書】
これに対して、霊の結ぶ実は
愛であり、喜び、平和、寛容、
親切、
善意、誠実、柔和、節制です。
これらを禁じる掟はありません。
ガラテヤの信徒への手紙 5章22〜23節