1000キロという距離
寝台特急「サンライズ出雲」という列車が、日々運行しています。
出雲市駅から東京駅まで岡山経由で走っています。
松江駅から東京駅までの距離は、営業キロ数で920.9キロです。
毎日一本だけですが、松江駅19:24発で翌朝7:08に東京駅に着きます。
11時間44分かかる計算になります。
帰りは、東京駅22時ちょうど発で、松江駅に翌朝9時半に着きます。
夜行でなく日中に移動したい場合は、特急やくもを使うことになります。
特急やくもで岡山駅に出て、そこから新幹線に乗れば、早ければ6時間13分でいけます。
乗る時間にもよりますが、岡山経由で新幹線利用だとだいたい7時間前後です。
鳥取・姫路経由で行けば、距離は888.7キロで30キロ以上短いのですが
乗り換えも多くなり、時間は2時間以上遅くなります。
8時間以上かかることになりますが、それでも10時間はかかりません。
1000キロ近くの距離を陸路で移動するというのは、大変なことです。
経路や乗り継ぎによって、所要時間が数分単位でなく、時間単位で変わってきます。
どういう経路で行くか、いつ出発するかで変わってくるのです。
1.パウロの第二回伝道旅行のトロアス迄の行程
パウロの第二回伝道旅行では、アンティオキアを出発して
内陸地を通って、トロアスにまで行きます。
この時の陸路の移動距離が、1000キロを超えているのです。
一方、パウロはシラスを選び、兄弟たちから主の恵みにゆだねられて、出発した。
そして、シリア州やキリキア州を回って教会を力づけた。
使徒言行録 15章40〜41節
まずパウロたちは、アンティオキアを出発します。
シリア州やキリキア州を回っていますから、アンティオキアから船ではなく
陸地を通って進んでいったことがわかります。
パウロは、デルベにもリストラにも行った。
使徒言行録 16章1節(前半)
2.パウロたちは内陸部をおそらく徒歩で移動していた
パウロたちは、デルベやリストラにも行っています。
パウロたちが、内陸地を移動していたことは確かなことです。
1日にどれだけ歩いたのかその歩数はわかりませんが、歩き続けていたわけです。
さて、彼らはアジア州で御言葉を語ることを聖霊から禁じられたので、
フリギア・ガラテヤ地方を通って行った。
使徒言行録 16章6節
そして、フリギア・ガラテヤ地方を通って行きます。
ミシア地方の近くまで行き、ビティニア州に入ろうとしたが、
イエスの霊がそれを許さなかった。
それで、ミシア地方を通ってトロアスに下った。
使徒言行録 16章7〜8節
3.それだけでも実に1200キロ以上の内陸部の移動だった
ビティニア州に行くことを禁じられた結果、
ミシア地方を通ってトロアスに行くことになりました。
実にトロアスまで、1200Km以上の道のりだったわけです。
キリキア州のタルソスから、トロアスまででも、
980Kmほどですから、松江から東京間の距離を超えています。
「電車で6時間以上かかるから大変だ」などと、とても言うことができません。
飛行機や電車や車のない時代に、徒歩などで移動したわけですから
これはものすごい体力と、時間とお金を使っていたことになります。
さらに盗賊や迫害などの危険も伴っていたのですから、命がけというほかありません。
それでもそれが、第二回伝道旅行のすべての行程ではありません。
そこからマケドニアに渡って、フィリピをはじめテサロニケやアテネ、
そしてコリントまでも出かけて行くのです。
むすび.パウロのひたむきな行動力の源泉は聖霊
私たちは、パウロはすごかったとパウロを称賛したくなります。
しかしパウロを動かしていたのは、聖霊です。
パウロをそこまで強めて用いておられた神こそ、あがめられるべきお方なのです。
そしてそこまでパウロを強くし、大きく用いられた同じ聖霊が
今また私たちにも注がれ、私たちもパウロと同じように
聖霊の力を受けて、私たち自身に与えられた神の働きをしていくことができるのです。
それがどんなに困難に思えるような働きだったとしても、聖霊の力によって
できるようになるのです。
すごいのは私たちではなくて、聖霊なのです。神なのです!
【今日の聖書】
あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。
そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、
また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる。」
使徒言行録 1章8節