今日のできごと


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2020/2/6(木)

 

悪魔の誘惑の特徴7「神のようになれるよ」

 「それを食べると、目が開け、神のように善悪を知るものとなることを
  神はご存じなのだ。」
  創世記 3章5節

7.悪魔は、神のようになれるという誘惑をしてきた

 7.1 悪魔の願望は「神のようになりたい」というものだった

 悪魔の願いは、「神のようになりたい」というものです。
 悪魔の起源は、エゼキエル書によって知ることができます。

 「人の子よ、ティルスの王に対して嘆きの歌をうたい、彼に言いなさい。
  主なる神はこう言われる。

  お前はあるべき姿を印章としたものであり
  知恵に満ち、美しさの極みである。
  お前は神の園であるエデンにいた。

  あらゆる宝石がお前を包んでいた。
  ルビー、黄玉、紫水晶
  かんらん石、縞めのう、碧玉
  サファイア、ざくろ石、エメラルド。

  それらは金で作られた留め金で
  お前に着けられていた。
  それらはお前が創造された日に整えられた。

  わたしはお前を
  翼を広げて覆うケルブとして造った。
  お前は神の聖なる山にいて
  火の石の間を歩いていた。

       エゼキエル書 28章12〜14節

 ここでは、ティルスの王について言及されていますが、
 @エデンの園に既にいたこと、A神によってケルブとして造られていたこと
 を鑑みると、このティルスの王は、人間ではないことがわかります。

 エデンの園に人間は、アダムとエバ以外居なかったはずです。
 だから人間以外の何者か、しかも人ではなくケルブとして造られた何者かなのです。
 そしてそのティルスの王と呼ばれた元ケルブが、不正を犯し堕落するわけです。

 お前が創造された日から
 お前の歩みは無垢であったが
 ついに不正がお前の中に
 見いだされるようになった。
 エゼキエル書 28章15節

 この元ケルブは、不正を犯します。悪しきものとなってしまうのです。

 お前の取り引きが盛んになると
 お前の中に不法が満ち
 罪を犯すようになった。
 そこで、わたしはお前を神の山から追い出し
 翼で覆うケルブであるお前を
 火の石の間から滅ぼした。
 エゼキエル書 28章16節

 その中に不法が満ち罪を犯すようになった元ケルブは、
 神の山から追い出されます。
 その後は、とこしえに消えうせると記されています。

 お前の心は美しさのゆえに高慢となり
 栄華のゆえに知恵を堕落させた。
 わたしはお前を地の上に投げ落とし
 王たちの前で見せ物とした。
 お前は悪行を重ね、不正な取り引きを行って
 自分の聖所を汚した。
 それゆえ、わたしはお前の中から火を出させ
 お前を焼き尽くさせた。
 わたしは見ている者すべての前で
 お前を地上の灰にした。
 諸国の民のなかで、お前を知っていた者は皆
 お前のゆえにぼう然とする。
 お前は人々に恐怖を引き起こし
 とこしえに消えうせる。」
 エゼキエル書 28章17〜19節

 堕落した元ケルブということであれば、それは悪魔という以外にないでしょう。
 もしこれが悪魔のことであるなら、焼き尽くされてしまうことと、
 とこしえに消え失せることとは、すでに起こったこととしてではなく、

 将来起こることとして、預言的に言及されているものと考えられます。
 ティルスの王と呼ばれた元ケルブの罪は、「高慢」でした。
 その高慢ゆえ、神の裁きを受けることになるのです。

 もう一か所、悪魔に関するとみられる記述があります。
 イザヤ書の言葉も、直接的にはバビロンの王に対する言及ですが
 人間の王のさらにその先にいる、霊的な王であった悪魔への言及のようです。

 ああ、お前は天から落ちた
 明けの明星、曙の子よ。
 お前は地に投げ落とされた
 もろもろの国を倒した者よ。
 かつて、お前は心に思った。
 「わたしは天に上り
  王座を神の星よりも高く据え
  神々の集う北の果ての山に座し雲の頂に登って
  いと高き者のようになろう」と。
 しかし、お前は陰府に落とされた
 墓穴の底に。
 イザヤ書 14章12〜15節

 人間は元々地の上で生まれ、地上で生活を終えるので天からは落ちません。
 従って天から落ちるとしたら、人間以外の何かです。
 しかも天にいたのに黄泉に落とされるほどの、悪しきものということになれば、

 それはもう、悪魔以外の何者でもないと考えられます。
 ここからわかるのは、「いと高き者のようになろう」すなわち
 「神のようになろう」という高ぶりです。

 エゼキエル書の記述にもありましたが、「高慢」が共通しています。
 そしてイザヤ書からわかるのは、その高慢は「神のようになろう」という程の
 恐ろしい高慢なのです。

 7.2 悪魔は「神のようになれる」と語ってきた

 エデンの園で悪魔が語るのは、「神のように善悪を知ることができるよ」という言葉です。
 まさに悪魔の性質そのものを言い表しています。自分自身がまさに
 神のようになりたいので、人に対しても「神のようになれるよ」と唆すのです。

 「神のように善悪を知ることができるよ」と語られたら、どうでしょうか?
 「そんなことができるようになるのか!」
 「神のように、善悪を知ることができたら良いなあ」と思ってしまわないでしょうか?

 本来、人が決して求めてはいけないことを、巧みに求めさせようとする
 悪魔のテクニックが、そこに見られるのです。「神のようになりたいだろ?」
 「神のようになれるんだよ」という、実に巧みな誘惑なのです。ずる賢いのです。

 「あなたは、神のように〇〇できるようになるよ」という、実に巧みな語りかけです。
 高慢になるように、誘導してきているのです。
 神のようになるという高慢が、あたかも良いことのようにけしかけてきているのです。

 7.3 人間が神のようになれるはずがない

 元々神の被造物である人間は、創造主である神にはなれません。
 人は、全知全能には、なることができません。
 人が創造主である神になど、決してなることはできないのです。

 いかに神に愛されているからといって、
 神に愛され、神と愛し合う関係がそこにあったとしても
 人は神にはなれないのです。

 人は被造物であり、神は創造主だからです。
 だから、人は「私は神ではない、神になることはできない」という認識で
 生きているのです。

 ここの所を間違ってはならないのです。
 その線は、越えることのできない線であって、
 神は人にとって、創造主であり礼拝すべきお方以外の何者でもないのです。

7.むすび.神のようになりたいという高慢を捨て去る

 人は決して、神と同等になることはあり得ません。
 それを神のようになれると思って、アダムとエバは罪を犯してしまいました。
 その時から人間の心には、高慢が入り込んでいます。

 その高慢を捨てて、
 いつも神のみ前に、へりくだっていることが重要なのです。

 【今日の聖書】
 「神は、高慢な者を敵とし、
  謙遜な者には恵みをお与えになる。」
 ヤコブの手紙 4章6節(後半)


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