「神のように善悪を知るものとなることを神はご存じなのだ。」ということは、
　「あなたはまだ、善悪を知るとができていない不完全な状態ですよ」
　「神のように善悪を知ればもっと良くなるけれど、今はまだ不完全な状態ですよ」

　と言っているのと同じです。
　「本当は善悪を知らないといけないんだよ、今のままではダメだよ」
　というメッセージが、聞こえて来るような言葉です。


　「神のように善悪を知るものとなることを神はご存じなのだ。」と
　悪魔は女に語りかけて来ていますが、この言葉は、
　今よりもっと良い状態になれるんだと、思わせる言葉なのです。

　「今はできないよね、
　　でもこれを食べたら『神のように』できるようになるんだよ」と
　あたかも、「今よりももっと良くなるんだ」と思わせるような言葉です。

　食べたらできるようになる、食べたらできるようになる、．．．
　そうか、これを食べればできるようになるんだ
　ああ、食べてみたいなあ、．．．と思うようにさせているのです。


　悪魔は、もっと良くなると見せかけたのですが、
　実際は良くなるどころか、最悪の事態を招いてしまっているのです。
　最悪の結末に至るにもかかわらず、悪魔はそれを正反対に見せるのです。


　聖書の中には、神の言葉に従わずにその逆を行った結果
　破滅に陥りかけた、破滅に陥ってしまった、最悪の事態を招いてしまったという例が、
　アダムとエバを始めとして山ほどあります。

　神の言葉の逆の方が良いはずだという思い込みが、間違いのもとになっているのです。
　逆に言えば、「神の言葉の方が良い」という思いをなかなか持つことができないのが
　罪人の真の姿なんだと教えられます。

　神の言葉の逆を行って、今より良くなることは決してありません。
　逆です。今よりどんどん悪くなっていきます。良くなるどころか滅んでしまうのです。
　良くなりたいのなら、神の言葉に従い神の言葉を守るよりほかにありません。

　神に従うなら救われますが、神に従わなければ滅びるのです。

　【今日の聖書】
　もしあなたたちが、『我々はこの国にとどまることはできない』と言って、
　あなたたちの神である主の声に聞き従わず、また、
　『いや、エジプトの地へ行こう。
　　あそこでは戦争もないし、危険を知らせる角笛の音もせず、
　　食べ物がなくて飢えることもない。あそこへ行って住もう』と言うなら、

　今、ユダの残った人々よ、主の言葉を聞くがよい。
　イスラエルの神、万軍の主はこう言われる。

　もしあなたたちが、どうしてもエジプトへ行こうと決意し、
　そこに行って寄留するなら、まさに、あなたたちが恐れている剣が、
　エジプトの地で襲いかかり、心配している飢えがエジプトまで
　後を追ってとりつき、あなたたちはそこで死ぬ。

　エジプトへ行って寄留しようと決意している者はすべて
　剣、飢饉、疫病で死ぬ。
　わたしが臨ませる災いを免れ、生き残る者はひとりもない。
　エレミヤ書　４２章１３〜１７節