イエス・キリストは、12人を弟子として選ばれました。
　その１２弟子に対して、次のような命令をしておられます。


　異邦人やサマリア人ではなく、同族のイスラエルの民の所に行って
　『天の国は近づいた』ということを、宣べ伝えなさいというのです。
　ここまでは、誰もが普通にできることです。語ればいいだけだからです。


　ところが、この続きがあったのです。


　１．病人をいやし
　２．死者を生き返らせ、
　３．重い皮膚病を患っている人を清くし、
　４．悪霊を追い払いなさい。

　普通なら、こんなことは到底できなかったはずです。
　イエスならいざ知らず、どうやって私が病人をいやすのですか？
　死んだ人など、どうして私が生き返らすことができるでしょう？

　普通なら、こう返事をしてしまうところです。
　しかしイエスはできないことを、命じられたのではなかったのです。
　この時12弟子たちは、このことができるようにされていたのです。



　イエスは、１２弟子に対して力を付与しておられたのです。
　汚れた霊を追い出し、あらゆる病気や患いをいやすための
　汚れた霊に対する権能を、お授けになっていたのです。

　だから、普通人間にはできなかったようなことが、彼らにはできたのです。
　そして12弟子に与えられた力は、病気をいやし悪霊を追い出すだけでなく
　死んだ人をも、生き返らせることができるそういう力だったのです。

　死者をも生き返らすことができる、それほどの力を
　イエス・キリストは、弟子たちに与えておられたのです。
　ついこないだまでは、漁師や徴税人であった彼らにです。

　だからこそ、彼らに命じることができたのです。
　そして福音を語るのも、人間の知恵と力で語るのではなく
　聖霊が、語らせて下さっていたのです。


　だから彼らは、まるで羊が狼の中に行くような状況下であっても
　福音を語って、病気をいやし死者を生き返らせ
　悪霊を追い出すことができたのです。

　もし、イエスによってその権能が与えられていなければ
　何もできなかったはずです。
　聖霊によって語っていたのでなければ、何も伝えられなかったはずです。


　イエスが弟子たちを派遣なさったときの特徴それは
　まず力を与えてから、遣わされているということです。
　弟子たちにトレーニングさせて、遣わされたのではないのです。

　どんなにトレーニングしたところで、
　死者を生き返らせることなど、できるはずがなかったのです。
　病人をいやすことなど、できるはずがなかったのです。

　弟子たちに「あなた自身の力で、病人をいやし死者を生き返らせろ」
　というのではなく「力をわたしが与えるから、その力をもってやってきなさい」
　というものだったのです。

　ここに、この時の派遣のポイントがあります。
　病人をいやし悪霊を追い出し死者をも生き返らせる力を与え、それを使わせる
　ここが重要なのです。弟子たち自身の力は、何も必要なかったのです。

　そして、イエスから力をいただかなければ、この時の弟子たちは何もできなかったのです。
　イエスが力を下さったからこそ、そういう素晴らしいわざができたのです。
　「死者を生き返らせなさい」「はいわかりました」という応答ができたのです。

　【今日の聖書】
　病人をいやし、死者を生き返らせ、
　重い皮膚病を患っている人を清くし、
　悪霊を追い払いなさい。
　ただで受けたのだから、ただで与えなさい。
　マタイによる福音書　１０章８節