ヒラムは主をたたえた
１．ティルスの王ヒラムは主をたたえた
ヒラムはダビデと親交があり、ダビデの王宮を建てるために
労働力と資材とを送って、協力しています。
ティルスの王ヒラムはダビデのもとに使節を派遣し、
レバノン杉、木工、石工を送って来た。
彼らはダビデの王宮を建てた。
サムエル記下 ５章１１節
ヒラムは、ティルスの王でしたがダビデに協力的でした。
そのヒラムが、ソロモン王の時代に、
ソロモン王のことで、主をたたえているのです。
ヒラムはソロモンの言葉を聞いて大いに喜び、
「今日こそ、主はたたえられますように。
主は、この大いなる民を治める聡明な子を
ダビデにお与えになった」と言った。
列王紀上 ５章２１節
２．ソロモン王の言葉を受けて主をたたえている
ヒラムはダビデの子ソロモンの言葉を聞いて、
喜んで主をたたえているのです。
ソロモンがヒラムに対して次のような言葉を語ったからです。
「ご存じのとおり、父ダビデは、
主が周囲の敵を彼の足の下に置かれるまで戦いに明け暮れ、
その神なる主の御名のために神殿を建てることができませんでした。
今や、わたしの神、主は周囲の者たちからわたしを守って、
安らぎを与えてくださり、敵対する者も、
災いをもたらす者もいません。
ここに至ってわたしは、わたしの神、
主の御名のために神殿を建てようと考えています。
主が父ダビデに、
『わたしがあなたに代えて王座につかせるあなたの子が、
わたしの名のために家を建てる』と言われたからです。
それゆえ、わたしたちのためにレバノンから杉を切り出すよう、
お命じください。
わたしの家臣たちもあなたの家臣たちと共に働かせます。
あなたの家臣たちへは、仰せのとおりの賃金をわたしが支払います。
ご存じのように、当方にはシドンの人のような
伐採の熟練者がいないからです。」
列王紀上 ５章１７〜２０節
実に謙遜な態度で、ヒラムに願い求めているのです。
なぜこのような言葉を、若いソロモンが語ることができたのでしょうか？
それは、主から知恵を与えられていたからです。
３．ソロモンは主に知恵を願い求めて与えられていた
ソロモンは王になった時に、主に知恵を願い求めていたのです。
その知恵を、主は与えて下さっていたのです。
その時の祈りは次のような祈りです。
わが神、主よ、あなたは父ダビデに代わる王として、
この僕をお立てになりました。
しかし、わたしは取るに足らない若者で、
どのようにふるまうべきかを知りません。
僕はあなたのお選びになった民の中にいますが、
その民は多く、数えることも調べることもできないほどです。
どうか、あなたの民を正しく裁き、善と悪を判断することが
できるように、この僕に聞き分ける心をお与えください。
そうでなければ、この数多いあなたの民を裁くことが、
誰にできましょう。」
列王紀上 ３章７〜９節
その結果、神はソロモンに非常に豊かな知恵と洞察力と
海辺の砂浜のような広い心をお授けになったのです。
神はソロモンに非常に豊かな知恵と洞察力と
海辺の砂浜のような広い心をお授けになった。
ソロモンの知恵は東方のどの人の知恵にも、
エジプトのいかなる知恵にもまさった。
列王紀上 ５章９〜１０節
むすび．ソロモンのへりくだった祈りがヒラムに主をたたえさせる結果に
そしてその知恵を用いて、ティルスの王ヒラムに語った結果
ティルスの王ヒラムが、主をたたえるようになったのです。
ソロモンの謙遜な祈り「知恵を与えて下さい」という祈りが
ただ単にソロモンを知恵深くしただけでなく、
ヒラムが、主をたたえるようにもしているのです。
ソロモンは、「ヒラムが主をたたえますように」と
祈り求めたわけではありません。
ソロモンは自分には何もできないので、
知恵を与えて下さいと、祈り求めただけなのです。
へりくだった祈りは、自分を変えるばかりか
隣人をも主に近づけることになるのです。
隣人が主をたたえる人になって欲しいと願うなら
まず自分自身の足りなさを認めて、
主に、知恵や愛を願い求めることから始めていくのです。
隣人が変えられることを求める前に、
まず自分自身が、主によって変えられることを求めていくのです。
そうしたら、隣人も自然に変えられてゆくのです。
【今日の聖書】
ヒラムはソロモンの言葉を聞いて大いに喜び、
「今日こそ、主はたたえられますように。
主は、この大いなる民を治める聡明な子を
ダビデにお与えになった」と言った。
列王紀上 ５章２１節
