今日のできごと


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2020/11/19(木)

 

神は不本意な願いにも答えらた

 神が、本当はそのことを望んでおられなかったのに、
 人間側で執拗に求めたあまり、不本意だけれど
 その求めに答えられたという例が、聖書に出てきます。

1.イスラエルの民は王を求めた

 それはイスラエルの民が、他の国々のような王を求めた時でした。
 民は、「神が治めるのでなく、王が治めるようにしてほしい」と
 サムエルに願ったのです。

 彼に申し入れた。
 「あなたは既に年を取られ、
  息子たちはあなたの道を歩んでいません。
  今こそ、ほかのすべての国々のように、我々のために
  裁きを行う王を立ててください。」
 サムエル記上 8章5節

2.サムエルはリーダーだったが王ではなかった

 サムエル自身は、王でも何でもなく
 単に、神がイスラエルの民を統治するために立てられていた
 「士師」という、「さばきつかさ」に過ぎなかったのです。

 サムエルが「王として、自分のしたいように治める」のではなく、
 サムエルは「神が民を治めるため」に、神の意志を取り次ぎ、
 「神のためにリーダーシップをとって働いていた」に過ぎなかったのです。

3.王を求めることはすなわち神の統治を退けることだった

 しかし、年老いたサムエルに代わった息子たちが
 不正な利益を求め、賄賂を取って裁きを曲げるようになった結果
 サムエルの息子たちを退けるばかりか、神の統治すらも退けてしまったのです。

 主はサムエルに言われた。
 「民があなたに言うままに、彼らの声に従うがよい。
  彼らが退けたのはあなたではない。
  彼らの上にわたしが王として君臨することを退けているのだ。
 サムエル記上 8章7節

4.神は不本意な民の願いを受け入れられた

 このことは、神にとって不本意ではあったのですが、
 「彼らの声に従え」と、神はサムエルに命じられます。

 主はサムエルに言われた。
 「彼らの声に従い、彼らに王を立てなさい。」
 サムエル記上 8章22節(前半)

 そしてサウル王が、王として立てられることになったのです。

5.求めた結果を刈り取るのは求めた本人だった

 時として神は、御心にそぐわないようなことであっても
 あえてその願いを退けずに、受け入れられることがあるのです。
 しかしその求めが応えられた結果、その実を刈り取るのは求めた本人自身なのです。

 神は王を求めるということのデメリットを、説明されています。

 彼はこう告げた。
 「あなたたちの上に君臨する王の権能は次のとおりである。
  まず、あなたたちの息子を徴用する。
  それは、戦車兵や騎兵にして王の戦車の前を走らせ、
  千人隊の長、五十人隊の長として任命し、
  王のための耕作や刈り入れに従事させ、
  あるいは武器や戦車の用具を造らせるためである。
  また、あなたたちの娘を徴用し、香料作り、
  料理女、パン焼き女にする。
  また、あなたたちの最上の畑、ぶどう畑、オリーブ畑を没収し、
  家臣に分け与える。
  また、あなたたちの穀物とぶどうの十分の一を徴収し、
  重臣や家臣に分け与える。
  あなたたちの奴隷、女奴隷、若者のうちのすぐれた者や、
  ろばを徴用し、王のために働かせる。
  また、あなたたちの羊の十分の一を徴収する。
  こうして、あなたたちは王の奴隷となる。
 サムエル記上 8章11〜17節
  1. 王はあなたの息子を徴用する
  2. 王はあなたの娘を徴用する
  3. 王はあなたの最上の畑、ぶどう畑、オリーブ畑を没収する
  4. 王はあなたの穀物とぶどうの十分の一を徴収する
  5. 王はあなたの奴隷、女奴隷、若者のうちのすぐれた者や、
    ろばを徴用する
  6. 王はあなたの羊の十分の一を徴収する
  7. 王はあなたを奴隷とする
 その日あなたたちは、自分が選んだ王のゆえに、泣き叫ぶ。
 しかし、主はその日、あなたたちに答えてはくださらない。」
 サムエル記上 8章18節

むすび.神の御心にかなうことを求める

 私たちの求めは、こうであってはなりません。
 神にとって不本意なことなのに、強引に求めてしまうと
 たとえそれが応えられたとしても、最善ではない結果を刈り取ってしまうのです。

 何を求めるかに、よくよく注意する必要があるのです。
 神が願われていないことを、執拗に強引に求めてしまってはならないのです。
 後で後悔することになります。

 ルカによる福音書15章の、放蕩息子が良い例です。
 父に財産を求めて与えられはしましたが、最後にはひもじくて
 豚のエサでもいいから食べたくなるほどに、落ちぶれてしまったのです。

 【今日の聖書】
 主はサムエルに言われた。
 「民があなたに言うままに、彼らの声に従うがよい。
  彼らが退けたのはあなたではない。
  彼らの上にわたしが王として君臨することを退けているのだ。
 サムエル記上 8章7節


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