悪魔の誘惑の特徴1「質問から始まった」
1.悪魔の誘惑は質問から始まっている
1.1 巧みな誘導尋問
人は、悪魔に誘惑されて罪に陥ってしまいました。
初めの人間がどのように誘惑されてしまったのか、
エデンの園での悪魔の誘惑の言葉について、みていきましょう。
悪魔の誘惑の最初の言葉は、次のようなものです。
「園のどの木からも食べてはいけない、などと神は言われたのか。」
創世記 3章1節(後半)
これは「質問」です。誘導尋問のように、
「いいえ、そうではありません」とすぐに答えたくなるような「質問」です。
悪魔は「実をとって食べなさい」と言って、誘惑してきたのではないのです。
悪魔の誘惑の言葉は、誘導尋問から始まっているのです。
しかも、あえて「間違った内容で」問いかけてきたのです。
「いや、そうではないです」と答えてしまいたくなるような、質問なのです。
1.2 女はまともに答えてしまった
誘惑された女は、その問いかけにまともに答えてしまって
悪魔の策略に、引きずり込まれてしまったのです。
悪魔の誘惑をまともに受けてしまうと、非常に危険であることがわかります。
女は蛇に答えた。
「わたしたちは園の木の果実を食べてもよいのです。
でも、園の中央に生えている木の果実だけは、食べてはいけない、
触れてもいけない、死んではいけないから、と神様はおっしゃいました。」
創世記 3章2〜3節
もしこの時女が、この後起きてしまう出来事を知っていたら、どうだったでしょう?
おそらく、まともには応じていなかったことでしょう。
警戒して対応していた事と思います。
無防備に対応してしまった結果、悪魔の策略的な言葉に
まんまと、はめられてしまったのです。
1.3 回避するためにどう答えるべきだったか?
もし誘惑に対する警戒心があれば、答えたとしても
次のように、語っていたのではないでしょうか?
- 「それがあなたと、何の関係があるのか?」
- 「なぜ、あなたはそんなことを聞くのか?私たちを誘惑するつもりか?」
- 「私たちに、神の命令を破らせようとしているのか?」
このように逆に問いかけて、
「私たちに与えられた食べ物に関する神の命令は、あなたには何の関係もない」
ときっぱりと拒絶していれば、悪魔を退けることができていたことでしょう。
この時は、女は、まさか誘惑されるとは知らなかったので、
悪魔の語ってきた誘導尋問に、まんまとひっかかってしまったのです。
その語りかけの背後にある、悪しき意図を見破ることができなかったのです。
1.むすび.まさか誘惑とは思わない質問で不意打ちにする策略
悪魔は直接「食べろ」と言って誘惑したのではなく、
まさかその先に、誘惑となる言葉が待ち受けているとは
思いもしなかった方法で、人に近づき誘ってきました。
「神の命令を正しく確認したいのかな?」
「神の言葉をもっと知りたいのかな?」と思わせるような
そんな質問をもって、近づいてきたのです。
悪魔の目的は、人を誘惑し神の命令に背かせることにありました。
そんな意図が、微塵も感じられないような言葉から
誘惑は始まっているのです。単なる質問から、始まるのです。
悪魔の目的は、人を堕落させることなのです。
そのためには、ありとあらゆる知恵を結集してやってきます。
無防備では、やられてしまいます。
悪魔の策略を見抜く力と知恵を、神に祈り求めて
注意深く生きていきたいと願います。
【今日の聖書】
悪魔の策略に対抗して立つことができるように、
神の武具を身に着けなさい。
わたしたちの戦いは、血肉を相手にするものではなく、
支配と権威、暗闇の世界の支配者、
天にいる悪の諸霊を相手にするものなのです。
だから、邪悪な日によく抵抗し、すべてを成し遂げて、
しっかりと立つことができるように、
神の武具を身に着けなさい。
エフェソの信徒への手紙 6章11〜13節