アポロは行く意志が全くない
パウロがコリントの教会に宛てた手紙で、
アポロのことについて触れています。
兄弟アポロについては、
兄弟たちと一緒にあなたがたのところに行くようにと、
しきりに勧めたのですが、彼は今行く意志は全くありません。
コリントの信徒への手紙一 16章12節(前半)
要は、「アポロは『コリントには行きたくない』と言っています」
ということなのですが、なぜパウロはわざわざそんなことを
コリントの教会への手紙で、書いたのだろうか?という疑問が起こります。
コリントの教会に行かない人の話は、しなくても良いのではないか?
わざわざ、「アポロが今行く意志は全くない」などという個人的な内容は
書かなくても良かったのではないか?と思えます。
こんな事を書かれたら、アポロが次回コリントの教会に行った時
「なぜあの時パウロが勧めたのに来てくれなかったんだ」と
責められ、アポロが不利になるのではないかとも思えます。
コリントの教会に行かないアポロのことを、パウロがわざわざ書いたということは
しかも、パウロがしきりに勧めたのに、それでも彼が行かないということまで
書いているということは、それなりの理由があったように感じられます。
アポロが行かないということを、伝えなければならない状況というのは
コリント教会では、アポロが来ることを期待している状況だったと予測できます。
なぜアポロが来ないのかということを、伝えなければならない状況だったので
あえてパウロは、アポロが行く意志がないので行かないと書いたと考えられます。
パウロもコリントの教会も、アポロがコリントの教会に必要だと感じていたのでしょう。
パウロの歯がゆさが伝わってくる文面です。
私たちも、神がこうして欲しいと思っているのに
「私にその意志が全くない」という状況なのかもしれません。
もしそうであれば、どんなに神が歯がゆい思いをしておられることでしょうか?
【今日の聖書】
兄弟アポロについては、
兄弟たちと一緒にあなたがたのところに行くようにと、
しきりに勧めたのですが、彼は今行く意志は全くありません。
良い機会が来れば、行くことでしょう。
コリントの信徒への手紙一 16章12節