パウロの伝道計画と実際
パウロは3回は伝道旅行に出かけていますが、
その第2回伝道旅行に着目すると、興味深いことが見えてきます。
1.パウロの計画は「バルナバと共に」だったが実際は「シラス」
パウロは第2回伝道旅行に、バルナバと共に出かけようとしています。
数日の後、パウロはバルナバに言った。
「さあ、前に主の言葉を宣べ伝えたすべての町へもう一度行って兄弟たちを訪問し、
どのようにしているかを見て来ようではないか。」
使徒言行録 15章36節
パウロの計画は、バルナバと共に伝道に出かけることでした。
しかし実際は、シラスと共に出かけることになってしまいます。
一方、パウロはシラスを選び、
兄弟たちから主の恵みにゆだねられて、出発した。
使徒言行録 15章40節
パウロの計画:バルナバと共に → 実際の行動:シラスと共に
2.パウロの計画は「ビティニア州」だったが実際は「トロアス」
第二回伝道旅行中、ミシア地方の近くまで来た時、
パウロは、ビティニア州に入ろうとします。
しかし、それをイエスが止めました。
ミシア地方の近くまで行き、
ビティニア州に入ろうとしたが、
イエスの霊がそれを許さなかった。
使徒言行録 16章7節
そして、トロアスへと下って行くのです。
それで、ミシア地方を通ってトロアスに下った。
使徒言行録 16章8節
パウロの計画:ビティニア州に → 実際の行動:トロアスに
3.パウロの計画になかった「マケドニア」に向かった
その後、マケドニア人の幻を見ることによって、
パウロたち一行は、マケドニアに渡っていくことになります。
その夜、パウロは幻を見た。
その中で一人のマケドニア人が立って、
「マケドニア州に渡って来て、わたしたちを助けてください」
と言ってパウロに願った。
パウロがこの幻を見たとき、わたしたちはすぐに
マケドニアへ向けて出発することにした。
マケドニア人に福音を告げ知らせるために、
神がわたしたちを召されているのだと、
確信するに至ったからである。
使徒言行録 16章9〜10節
パウロの計画:マケドニアは計画外 → 実際の行動:マケドニアに
むすび.パウロの計画ではなく神の計画が進んで行った
こうして見ていくと、必ずしもパウロの計画通り
ことが進んでいたわけではなかったことが、わかります。
パウロの計画外のことが、次々と起きているのです。
私たちもいろいろと計画を立てて予算を組んで、行動しています。
しかし神の計画は、必ずしもそこにあるとは限らないのです。
ある場合は、私たちが想像もしなかったような、そういう計画である時もあるのです。
私たちの思いを超えた神の計画を受け取る、柔軟な心が必要とされています。
パウロは柔軟な心で、自分の計画とは違う神の計画を受け止め
それを実行に移して、多くの実を結んでいったのです。
【今日の聖書】
わたしたちはトロアスから船出してサモトラケ島に直航し、
翌日ネアポリスの港に着き、そこから、マケドニア州第一区の都市で、
ローマの植民都市であるフィリピに行った。
そして、この町に数日間滞在した。
使徒言行録 16章11〜12節