イスカリオテのユダとペトロのちがい
1.イエスを裏切ったイスカリオテのユダ
イスカリオテのユダは、イエスを裏切りました。
銀貨30枚で、敵対する人々の手にイエスを売り渡してしまったのです。
そのとき、十二人の一人で、イスカリオテのユダという者が、
祭司長たちのところへ行き、
「あの男をあなたたちに引き渡せば、幾らくれますか」と言った。
そこで、彼らは銀貨三十枚を支払うことにした。
マタイによる福音書 26章14〜15節
イスカリオテのユダは、イエスをゲッセマネで引き渡しています。
イエスを裏切ろうとしていたユダは、
「わたしが接吻するのが、その人だ。それを捕まえろ」と、前もって合図を決めていた。
ユダはすぐイエスに近寄り、「先生、こんばんは」と言って接吻した。
マタイによる福音書 26章48〜49節
2.イエスを知らないと言ったペトロ
ペトロもまた、「イエスなど知らない」と3度も嘘を言って保身に走っています。
そのとき、ペトロは呪いの言葉さえ口にしながら、
「そんな人は知らない」と誓い始めた。
するとすぐ、鶏が鳴いた。
マタイによる福音書 26章74節
イスカリオテのユダも、ペトロも12弟子のひとりでしたが、
どちらもイエスの十字架の直前に、イエスを裏切っています。
銀貨で売り渡したユダと、呪いの言葉まで口にして知らないと言ったペトロ。
3.イスカリオテのユダとペトロの違い
二人とも同じような、イエスに反する態度ではありますが、
二人には、大きな違いがありました。
はじめから「イエスを裏切ろう」と考えていたかどうか、という点です。
ペトロははじめから「イエスを知らない」と言おうと思ってはいませんでした。
イエスが捕らえられ、こっそりと後をつけて行って
正体を見破られた時に、とっさに嘘を言ってその場を切り抜けようとしたのです。
イスカリオテのユダは、元々イエスを裏切ろうという思いを抱いていました。
計画的に、イエスを売り渡しています。
後で後悔してはいますが、完全に故意に裏切っているのです。
むすび.捨て去り離れ去るべき故意の罪
故意の罪は、捨て去るべきです。そして、それから離れ去るべきです。
「悪いとわかりつつもそれをしてしまう」という故意の罪が、
極めて危険なものなのです。
故意の罪の最後は、恐ろしい滅びです。
今すぐに悔い改めて、故意の罪から離れ去りましょう。
神の目はどこにでもあって、あなたを見張っています。
更に、神の御前では隠れた被造物は一つもなく、
すべてのものが神の目には裸であり、さらけ出されているのです。
この神に対して、わたしたちは自分のことを申し述べねばなりません。
ヘブライ人への手紙 4章13節
【今日の聖書】
もし、わたしたちが真理の知識を受けた後にも、
故意に罪を犯し続けるとすれば、
罪のためのいけにえは、もはや残っていません。
ただ残っているのは、審判と敵対する者たちを焼き尽くす激しい火とを、
恐れつつ待つことだけです。
ヘブライ人への手紙 10章26〜27節