女性に対する情欲に負けたソロモン王の失敗
1.ソロモン王は神から知恵と富と栄光を与えられた
1.1 神はソロモン王に何が欲しいか問いかけられた
サウル王、ダビデ王と続きますが、ダビデ王の次の王がソロモン王です。
ソロモンは、祭司ツァドクから油を注がれて、ダビデに次いで王になりました。
祭司ツァドクは天幕から油の入った角を持って出て、ソロモンに油を注いだ。
彼らが角笛を吹くと、民は皆、「ソロモン王、万歳」と叫んだ。
列王紀上 1章39節
夢の中で神は、王になったソロモンに対して、
「あなたに何を与えようか?」と問いかけられます。
その夜、主はギブオンでソロモンの夢枕に立ち、
「何事でも願うがよい。あなたに与えよう」と言われた。
列王紀上 3章5節
1.2 ソロモン王は聞き分ける心が欲しいと願った
ソロモンにとって一大事だったことは、王として民を正しく裁くことでした。
富でも長寿でもなく、民を正しく裁き善と悪を判断することができるための
聞き分ける心を、ソロモンは神に求めました。
どうか、あなたの民を正しく裁き、善と悪を判断することができるように、
この僕に聞き分ける心をお与えください。
そうでなければ、この数多いあなたの民を裁くことが、誰にできましょう。」
列王紀上 3章9節
神は、ソロモンのこの願いを喜ばれます。
そして、ソロモンに知恵を与えることを約束されるのです。
ソロモンは、神に知恵を求めた結果、神から知恵を頂くことになります。
神はこう言われた。
「あなたは自分のために長寿を求めず、富を求めず、
また敵の命も求めることなく、
訴えを正しく聞き分ける知恵を求めた。
見よ、わたしはあなたの言葉に従って、
今あなたに知恵に満ちた賢明な心を与える。
あなたの先にも後にもあなたに並ぶ者はいない。
列王紀上 3章11〜12節
1.3 神は知恵ばかりでなく富と栄光も与えると約束された
さらに、ソロモンの求めた知恵ばかりでなく、
ソロモンの求めなかった、富と栄光も与えるという
素晴らしい約束も、付随して与えて下さったのです。
わたしはまた、あなたの求めなかったもの、富と栄光も与える。
生涯にわたってあなたと肩を並べうる王は一人もいない。
もしあなたが父ダビデの歩んだように、わたしの掟と戒めを守って、
わたしの道を歩むなら、あなたに長寿をも恵もう。」
列王紀上 3章13〜14節
2.ソロモン王は知恵と富と権力を用いて多くの妻をめとった
2.1 ソロモン王は知恵と富と権力を用いて広範な地域を支配した
ソロモン王は、神に与えられた知恵を用いて、
広範な地域を支配するに至ります。
ソロモン王は、ユーフラテス川からペリシテ人の地方、
更にエジプトとの国境に至るまで、
すべての国を支配した。
国々はソロモンの在世中、貢ぎ物を納めて彼に服従した。
列王紀上 5章1節
2.2 ソロモン王の知恵は外国のどの知恵よりも優れていた
ソロモン王の知恵は、東方のどの知恵よりも、
エジプトのどの知恵よりも勝っていました。
神はソロモンに非常に豊かな知恵と洞察力と
海辺の砂浜のような広い心をお授けになった。
ソロモンの知恵は東方のどの人の知恵にも、
エジプトのいかなる知恵にもまさった。
列王紀上 5章9〜10節
2.3 ソロモン王は知恵と富と権力を用いて多くの外国の女性をめとった
ソロモン王は、知恵と富と権力を用いて、神のための神殿を造ったり、
王宮を造ったり、交易をしたりしましたが、
同時に、多くの外国の女性を愛して、妻や側室にしてしまったのです。
ソロモン王はファラオの娘のほかにもモアブ人、アンモン人、エドム人、
シドン人、ヘト人など多くの外国の女を愛した。
列王紀上 11章1節
700人の王妃と300人の側室がいたと記録されています。
彼には妻たち、
すなわち七百人の王妃と三百人の側室がいた。
この妻たちが彼の心を迷わせた。
列王紀上 11章3節
3.外国の妻たちがソロモン王の心を迷わせた
外国の女性たちは、真の神ならぬ異教の神々を拝んでいました。
ソロモン王は、その異教の神々を捨てさせぬままに、彼女たちを妻にめとり、
その結果、異教の神々が王宮の中に入り込むことになってしまったのです。
ソロモン王が年老いた時、彼の心はそれらの神々へと向いてしまいます。
ソロモンが老境に入ったとき、彼女たちは王の心を迷わせ、
他の神々に向かわせた。
こうして彼の心は、父ダビデの心とは異なり、
自分の神、主と一つではなかった。
列王紀上 11章4節
年老いたソロモン王は、異教の神々に従ってしまうのです。
シドン人の女神アシュトレト、アンモン人の憎むべき神ミルコムに
従ったと記録されています。
ソロモンは、シドン人の女神アシュトレト、
アンモン人の憎むべき神ミルコムに従った。
列王紀上 11章5節
さらに、モアブ人の憎むべき神ケモシュ、
アンモン人の憎むべき神モレクのためにも
拝むための高台を築いたと記されています。
そのころ、ソロモンは、
モアブ人の憎むべき神ケモシュのために、
エルサレムの東の山に聖なる高台を築いた。
アンモン人の憎むべき神モレクのためにもそうした。
列王紀上 11章7節
ソロモン王の偶像崇拝を、神は戒められました。
神は二度も彼に現れ、他の神々に従ってはならないと戒められましたが、
ソロモン王は主の戒めを守らなかったのです。
ソロモンの心は迷い、イスラエルの神、主から離れたので、
主は彼に対してお怒りになった。
主は二度も彼に現れ、他の神々に従ってはならないと戒められたが、
ソロモンは主の戒めを守らなかった。
列王紀上 11章9〜10節
むすび.ソロモンは女性に対する情欲に負けた
ソロモンの罪は、何だったでしょうか?
最終的には、妻たちに惑わされて陥ってしまった偶像崇拝ですが、
そもそもの罪は、主の言葉に従わずに諸外国の女性を妻にしたことでした。
彼は、自分自身の欲望に負けてしまったのです。
女性に対する「情欲」に負けたのです。
女性たちのとりこになってしまったのです。
ソロモンは彼女たちを愛してそのとりことなった。
列王紀上 11章2節(後半)
神から与えられた素晴らしい知恵もあり、権力もあり、富もあり、
国中が、戦争もなく平和に栄えていたその中で、
ソロモン王は、諸外国の女性たちを愛してそのとりことなっていたのです。
ソロモン王は、彼女たちが異教の神々を拝んでいようがいまいが一向にお構いなく、
外国の女性たちを愛して、彼女たちのとりこにされてしまい、
妻や側室にして王宮に住まわせ、大きな隙を作ってしまったのです。
そもそもの神の命令は、「彼らをあなたたちの中に入れてはならない」でした。
その理由は、「彼らは必ずあなたたちの心を迷わせる」であり
「彼らは必ずあなたたちの心を彼らの神々に向かわせる」だったのです。
これらの諸国の民については、
主がかつてイスラエルの人々に、
「あなたたちは彼らの中に入って行ってはならない。
彼らをあなたたちの中に入れてはならない。
彼らは必ずあなたたちの心を迷わせ、
彼らの神々に向かわせる」
と仰せになったが、ソロモンは彼女たちを愛してそのとりことなった。
列王紀上 11章2節
しかしソロモン王は、この戒めに従わず、
神の言葉通りに、彼女らによって心が迷わせられて、
彼女らの神々に、心を向かわせられてしまったのです。
せっかく神に与えられた多くの富を、
自分自身の情欲を満たすために、異教の女性たちに費やしてしまい、
その結果、最終的には主なる神から離れ、偶像崇拝に陥ってしまったのです。
自分の欲望を治めることが、ソロモンにとって最も必要なことだったのです。
人が多くの富と権力を持つと、どうしても欲望の満足のために
それらを用いてしまうということが、ソロモンの行動から教えられます。
そして、「人間の欲望が底知れなく限りないこと」も教えられるのです。
ソロモン王の妻と側室は、全部で数十人ではなく、数百人でもなく
何と千人を数えたのです。
欲望を満たすのに、十分で余りあるお金を持っていると、
そのお金を果てしなく使い続けて、欲望を満たし続けてしまうことが
よくわかります。
私たちもソロモン王と同じ罪を持っていますから、いつも主に助けを求めて
ソロモン王のように欲に誘われて、欲の満たしに走らないように、
聖霊の助けと力を頂いていきましょう!
【今日の聖書】
むしろ、人はそれぞれ、自分自身の欲望に引かれ、
唆されて、誘惑に陥るのです。
そして、欲望ははらんで罪を生み、罪が熟して死を生みます。
ヤコブの手紙 1章14〜15節