ネブカドネツァル王の心は大きく変化した
南ユダ王国が、バビロン捕囚になり
連れていかれたバビロンは、どのような国だったか
ダニエル書の中に、その一端を垣間見ることができます。
ネブカドネツァル王は一つの金の像を造った。
高さは六十アンマ、幅は六アンマで、
これをバビロン州のドラという平野に建てた。
ダニエル書 3章1節
アンマと言う単位は、45センチと言われていますので
27mの、巨大な像を建てたということです。
しかも金の像ということですので、表面に使用しただけだとしても
相当の量の金を使用したことになります。
そういうものを、王の考え一つで建てられてしまうというのは
そこに王の権力の大きさが、映し出されています。
そしてそれを拝むように命令します。
伝令は力を込めて叫んだ。
「諸国、諸族、諸言語の人々よ、あなたたちに告げる。
角笛、横笛、六絃琴、竪琴、十三絃琴、風琴など
あらゆる楽器による音楽が聞こえたなら、
ネブカドネツァル王の建てられた金の像の前にひれ伏して拝め。
ひれ伏して拝まない者は、直ちに燃え盛る炉に投げ込まれる。」
ダニエル書 3章4〜6節
拝まなければ、直ちに燃え盛る炉に投げ込まれるという
めちゃくちゃな命令を出して、それがまかり通ってしまうのです。
王の一存ですべてが決まってしまうという、独裁王国だったことがわかります。
そこに、エルサレムからユダヤ人たちが連れて来られたのです。
当時の状況のひどさがわかると思います。
ダニエルもその中のひとりでした。
この少年たちの中に、
ユダ族出身のダニエル、ハナンヤ、ミシャエル、アザルヤの四人がいた。
ダニエル書 1章6節
そして、ダニエル以外に、ハナンヤ、ミシャエル、アザルヤも、
エルサレムから連れて来られた、イスラエル人の王族と貴族に属する
少年たちのひとりひとりでした。
この3人は神を信じ従っていましたので、
ネブカドネツァル王の命令にもかかわらず、
金の像を拝まず、火の中に投げ込まれているのです。
王は彼らに言った。
「シャドラク、メシャク、アベド・ネゴ、
お前たちがわたしの神に仕えず、
わたしの建てた金の像を拝まないというのは本当か。
今、角笛、横笛、六絃琴、竪琴、十三絃琴、風琴など
あらゆる楽器の音楽が聞こえると同時にひれ伏し、
わたしの建てた金の像を拝むつもりでいるなら、それでよい。
もしも拝まないなら、直ちに燃え盛る炉に投げ込ませる。
お前たちをわたしの手から救い出す神があろうか。」
ダニエル書 3章14〜15節
彼らが金の像を拝んでいないのを密告され、
王から尋問されました。
けれども、王の前でも堂々と真の神に仕える姿勢を崩しませんでした。
わたしたちのお仕えする神は、
その燃え盛る炉や王様の手からわたしたちを救うことができますし、
必ず救ってくださいます。
ダニエル書 3章17節
3人は火の中に投げ込まれるのですが、
何事もなかったかのように、無事に生還するのです。
ネブカドネツァル王は燃え盛る炉の口に近づいて呼びかけた。
「シャドラク、メシャク、アベド・ネゴ、
いと高き神に仕える人々よ、出て来なさい。」
すると、シャドラク、メシャク、
アベド・ネゴは炉の中から出て来た。
ダニエル書 3章26節
これを見たネブカドネツァル王は、
イスラエルの人々が信じている真の神を知り、
その神を讃えるように変わったのです。
王は命令を出しました。
「シャドラク、メシャク、アベド・ネゴの神をののしる者があれば、
その体は八つ裂きにされ、その家は破壊される。」
更に告白しています。
「まことに人間をこのように救うことのできる神はほかにはない。」
ネブカドネツァル王は、変えられたのです。
そして王が変わると、国も変わっていくのです。
王の心を変えたのは神の働きですが、用いられたのは
ダニエルも含めて、たったの4人だけです。
4人で十分だったのです。
【今日の聖書】
ネブカドネツァル王は言った。
「シャドラク、メシャク、アベド・ネゴの神をたたえよ。
彼らは王の命令に背き、体を犠牲にしても自分の神に依り頼み、
自分の神以外にはいかなる神にも仕えず、
拝もうともしなかったので、この僕たちを、
神は御使いを送って救われた。
わたしは命令する。いかなる国、民族、言語に属する者も、
シャドラク、メシャク、アベド・ネゴの神をののしる者があれば、
その体は八つ裂きにされ、その家は破壊される。
まことに人間をこのように救うことのできる神はほかにはない。」
ダニエル書 3章28〜29節