イエスの言葉を覚えていた反対者たち
1.イエスの墓には番兵が置かれていた
イエスが十字架で死なれた後、墓に葬られますが、
その墓の番を、番兵たちがしていたと、
マタイによる福音書に記されています。
ピラトは言った。
「あなたたちには、番兵がいるはずだ。
行って、しっかりと見張らせるがよい。」
そこで、彼らは行って墓の石に封印をし、
番兵をおいた。
マタイによる福音書 27章65〜66節
2.反対者たちがイエスの言葉を覚えていたから
祭司長たちとファリサイ派の人々は、イエスの言われた
「3日目に復活する」という言葉を、しっかり覚えていたのです。
そしてそれを思い出したのでした。
明くる日、すなわち、準備の日の翌日、
祭司長たちとファリサイ派の人々は、
ピラトのところに集まって、こう言った。
「閣下、人を惑わすあの者がまだ生きていたとき、
『自分は三日後に復活する』と言っていたのを、
わたしたちは思い出しました。
マタイによる福音書 27章62〜63節
死んで3日目に遺体がなくなれば、復活を演出できるので
弟子たちが遺体を盗み出して「3日目に復活した」と
言いふらすのではないかと考えたのです。
ですから、三日目まで墓を見張るように命令してください。
そうでないと、弟子たちが来て死体を盗み出し、
『イエスは死者の中から復活した』などと民衆に
言いふらすかもしれません。そうなると、
人々は前よりもひどく惑わされることになります。」
マタイによる福音書 27章64節
3.弟子たちが忘れていたイエスの言葉を反対者が覚えていた
イエスの言葉を、「イエスの弟子たちが忘れて」いて、
反対していた「祭司長たちとファリサイ派の人々が覚えている」
という逆転現象が起きています。
すべての人が「イエスが3日目に復活する」というイエスの言葉を
忘れていたわけでは、なかったのです。
弟子たちは忘れていましたが、イエスの反対者たちは覚えていたのです。
イエスの反対者にとって、イエスは
「完全に葬り去らなければならない相手」だったのです。
それは、十字架の死だけでは、達成されていませんでした。
十字架の死だけでは安心が得られなかったのは、
イエスが「3日目に復活する」という言葉を語っていたからでした。
彼らにとって「イエスは復活した」という噂も困るものだったのです。
むすび. イエスのことばを聴いて覚える
弟子たちは、
「誰一人、イエスの復活の言葉など覚えていなかったんだ。
だから、私たちがそれを覚えていなかったというのは仕方ないんだ」
というような言い訳は、できませんでした。
本来、イエスのそば近くにいて、何度も復活するという言葉を
聞かされていたのですから、反対者以上に覚えているべきでした。
聴くということの難しさを教えられます。
本当に大切なことを、正しく理解しながら聴いて心に留めておくということが
実は予想以上に難しいということが、わかります。
神の言葉をよく聴いて、心に留める者となっていたいと願います。
【今日の聖書】
ペトロがこう話しているうちに、光り輝く雲が彼らを覆った。
すると、
「これはわたしの愛する子、わたしの心に適う者。これに聞け」
という声が雲の中から聞こえた。
マタイによる福音書 17章5節