今日のできごと


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2017/12/25(月)



本当のクリスマスはいつだったか?

 今日はクリスマスですが、正確な誕生日は聖書には記されていません。
 しかし、聖書の記事からある程度推測することができます。
 よく引き合いに出されるのが、羊飼いたちが野宿しているという事実です。

 1.羊飼いが野宿していたことからの推測

 12月のこんな寒い時期に、羊飼いが野宿するわけないので12月は却下されます。
 同じ理由で、11月から3月も野宿するには寒すぎるのでやはり却下です。
 この時期は雨期ですので、なおのこと野宿には向きません。

 そうすると4月から10月ということになりますが、4月は野宿するほど
 暖かくはなく、4月と10月はぎりぎり雨季ですので違うのではないでしょうか?
 妥当な線は、5月から9月ということになります。

 この時期は野原に草が茂り、羊たちの餌としてはもってこいです。
 あちらこちらに、羊の餌がたくさん生えていますので、
 いろいろな場所を、行き巡れます。

 2.受胎告知後のマリアの行動からの推測

 聖書には、バプテスマのヨハネの誕生の記事が出ています。
 マリアの受胎告知の時に、エリサベトが妊娠6か月でしたので、
 イエス誕生より、半年早いことになります。

 受胎告知後マリアはすぐに、エリサベトのところに行って
 その後3か月一緒に過ごして、また帰ってきています。
 マリアの行動は、ナザレからユダの町までの旅行になります。

 これは季節を問いませんので、これだけでは何とも言えません。
 ただ、イスラエルの3大祭の真最中に旅行してはいないと思いますので、
 推測するとなるとそのあたりだと思います。

 3大祭りの時期は、今の時期に直すと年ごとに変わります。
 過越祭は今の3月下旬〜4月上旬、五旬祭は5月下旬〜6月上旬、
 仮庵祭は9月下旬〜10月中旬として、考えてみたいと思います。

出来事パターンAパターンBパターンCパターンDパターンE
5月1日生まれ
とした場合
6月1日生まれ
とした場合
7月1日生まれ
とした場合
8月1日生まれ
とした場合
9月1日生まれ
とした場合
バプテスマの
ヨハネ誕生
降誕の前年
11月1日
降誕の前年
12月1日
1月1日 2月1日 3月1日
エリサベト
妊娠
降誕の前年
1月1日
降誕の前年
2月1日
降誕の前年
3月1日
降誕の前年
4月1日
降誕の前年
5月1日
エリサベト
妊娠中
6か月
受胎告知
《ナザレ》
降誕の前年
7月1日
降誕の前年
8月1日
降誕の前年
9月1日
降誕の前年
10月1日
降誕の前年
11月1日
エリサベト家へ
→《ユダの町》
降誕の前年
7月上旬
降誕の前年
8月上旬
降誕の前年
9月上旬
降誕の前年
10月上旬
降誕の前年
11月上旬
仮庵祭
9下〜10中
開始前 開始前 開始前 祭の最中か? 終了
エリサベトと
3か月一緒
《ユダの町》
降誕の前年
7月上旬〜
9月末
降誕の前年
8月上旬〜
10月末
降誕の前年
9月上旬〜
11月末
降誕の前年
10月上旬〜
12月末
降誕の前年
11月上旬〜
当年 1月末
仮庵祭
9下〜10中
祭の最中か? 終了 終了 終了 終了
マリア帰宅
《ユダの町》
→《ナザレ》
降誕の前年
9月末〜
降誕の前年
10月
降誕の前年
10月末〜
降誕の前年
11月
降誕の前年
11月末〜
降誕の前年
12月
降誕の前年
12月末〜
当年 1月
当年 1月末〜
当年 2月

 パターンA(5月1日)とパターンD(8月1日)が消えそうです。
 5月と8月では、エリサベト家への移動と、仮庵祭が重なってしまう
 可能性が大きいです。

 3.ヨセフの行動からの推測

 5月下旬に、五旬祭(ペンテコステ)別名で七週祭があります。
 イスラエルの男性は、この時神の前に出ることになっていましたので
 ヨセフはエルサレムに、行っていたと考えられます。

 男子はすべて、年に三度、すなわち除酵祭、七週祭、仮庵祭に、
 あなたの神、主の御前、主の選ばれる場所に出ねばならない。
 ただし、何も持たずに主の御前に出てはならない。
 申命記 16章16節

 ですから、ヨセフが五旬祭のためにエルサレム往復している最中には、
 他の行動が取れなかったと、推測することができます。
 マリアと共にベツレヘムに向かったのは、この時期以外だったと考えられます。

出来事パターンAパターンBパターンCパターンDパターンE
5月1日生まれ
とした場合
6月1日生まれ
とした場合
7月1日生まれ
とした場合
8月1日生まれ
とした場合
9月1日生まれ
とした場合
妊娠 6〜7か月 1月 2月 3月 4月 5月
過越祭
3下〜4上
五旬祭
5下〜6上
妊娠 7〜8か月 2月 3月 4月 5月 6月
過越祭
3下〜4上
五旬祭
5下〜6上
妊娠 8〜9か月 3月 4月 5月 6月 7月
過越祭
3下〜4上
五旬祭
5下〜6上
妊娠 9〜10か月 4月 5月 6月 7月 8月
ベツレヘムへ 4月下旬 5月下旬 6月下旬 7月下旬 8月下旬
五旬祭
5下〜6上
イエス誕生
《ベツレヘム》
5月1日 6月1日 7月1日 8月1日 9月1日

 パターンB(6月1日)だと、ベツレヘムへの移動の時期と
 五旬祭が重なってしまいますので、これが消えそうです。
 6月中旬としても、五旬祭からの帰宅後すぐにベツレヘム行きで

 とてもあわただしいので、6月はなさそうです。

 4.誕生後の神殿行きからの推測

 イエスが生まれた後、ヨセフとマリアは、
 エルサレムの神殿に、イエスを献げに行っています。

 さて、モーセの律法に定められた彼らの清めの期間が過ぎたとき、
 両親はその子を主に献げるため、エルサレムに連れて行った。
 ルカによる福音書 2章22節

 これは、下記の律法に基づいた行動です。

 イスラエルの人々に告げてこう言いなさい。
 妊娠して男児を出産したとき、
 産婦は月経による汚れの日数と同じ七日間汚れている。
 八日目にはその子の包皮に割礼を施す。
 産婦は出血の汚れが清まるのに必要な三十三日の間、家にとどまる。
 その清めの期間が完了するまでは、聖なる物に触れたり、
 聖所にもうでたりしてはならない。
 レビ記 12章2〜4節

 イエスを生んだのち、マリアは7日間汚れていて、
 33日間清めの期間が必要なので、40日間は動けませんでした。
 ということは40日経過後、はじめてエルサレムに行けたと考えられます。

出来事パターンAパターンBパターンCパターンDパターンE
5月1日生まれ
とした場合
6月1日生まれ
とした場合
7月1日生まれ
とした場合
8月1日生まれ
とした場合
9月1日生まれ
とした場合
イエス誕生
《ベツレヘム》
5月1日 6月1日 7月1日 8月1日 9月1日
五旬祭
5下〜6上
仮庵祭
9下〜10中
イエス神殿に
《エルサレム》
出産40日以降
6月中旬 7月中旬 8月中旬 9月中旬 10月中旬
祭り 仮庵祭
9下〜10中

 エルサレム神殿に生後40日以降に行ったことが、聖書に記されていますが
 その時に、何かの祭りが行われていたとは書かれていないので、
 生後40日近辺に、祭が何もない時期だったと考えられます。

 パターンEだと、仮庵祭が行われている可能性がありますので
 これが消えそうです。

 むすび.7月中旬〜下旬頃か9月中旬〜下旬頃だったか?

 このように総合的に考えていくと、
 パターンA,B,D,Eが却下されますので、
 残ったパターンCの、今の7月頃だったのではないかと予測できます。

 もし7月だったとするなら、ヨセフの五旬祭のエルサレム往復旅行と、
 ベツレヘムへの登録旅行の、2つの旅行の旅行間隔を考慮して、
 今の7月中旬から下旬が、理にかなっているように思われます。

 もう一つの可能性として、9月中旬が挙げられます。
 9月中旬であれば、誕生後のエルサレム神殿行きの時も、
 すでに仮庵祭が終わっており、祭りの記述がないことも説明できます。

 聖書には誕生月日については、何も書かれていませんので、
 あくまでも推測の域を出ませんが、
 12月25日ではなかったことは、ほぼ確実と考えられます。

 【今日の聖書】
 その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、
 夜通し羊の群れの番をしていた。
 ルカによる福音書 2章8節


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