今日のできごと


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2024/8/29(木)

 

ヘロデの誤り

1.ヘロデはヤコブを迫害して剣で殺しペトロも殺そうと企てた

 ヘロデは、非常に非情な暴君でした。
 いとも簡単に、人を殺しているのです。
 使徒ヤコブは、ヘロデによって剣で殺されてしまいました。

 そのころ、ヘロデ王は教会のある人々に迫害の手を伸ばし、
 ヨハネの兄弟ヤコブを剣で殺した。
 使徒言行録 12章1〜2節

 続いてヘロデは、ペトロをも殺そうとして投獄します。

 そして、それがユダヤ人に喜ばれるのを見て、更にペトロをも捕らえようとした。
 それは、除酵祭の時期であった。
 ヘロデはペトロを捕らえて牢に入れ、四人一組の兵士四組に引き渡して監視させた。
 過越祭の後で民衆の前に引き出すつもりであった。
 使徒言行録 12章3〜4節

2.ヘロデはペトロの牢の番兵たちに死刑を宣告した

 ペトロは、教会の熱心な祈りの中で天使によって牢から脱出させてもらいます。
 四人一組の兵士四組によって見張られていたにもかかわらず、脱出できたのです。

 夜が明けると、兵士たちの間で、
 ペトロはいったいどうなったのだろうと、大騒ぎになった。
 使徒言行録 12章18節

 夜が明けると、牢にペトロがいないということで大騒ぎになっていました。
 そのことを知ったヘロデは、それらの16人の番兵たち全員を死刑にする命令を下すのです。

 ヘロデはペトロを捜しても見つからないので、番兵たちを取り調べたうえで
 死刑にするように命じ、ユダヤからカイサリアに下って、そこに滞在していた。
 使徒言行録 12章19節

 このようにヘロデは、いとも簡単に人の命を奪っていた暴君であったことがわかります。
 人の命を、なんとも思っていなかったのです。
 自分のためならば、平気で人を殺してしまうのがヘロデだったのです。

 これはイエス降誕時の、ヘロデ大王の性格と似ています。
 イエス降誕時のヘロデ大王の性質を、受継いでいるかのようです。

3.ヘロデは自分を神の位置に置いてしまった

 またヘロデは、ティルスとシドンの住民にひどく腹を立てていたといいます。
 怒りやすかったのです。短気だったのです。
 そこで怒りをかっていたその地域の住民たちは、そろってヘロデを訪ねるのです。

 ヘロデ王は、ティルスとシドンの住民にひどく腹を立てていた。
 そこで、住民たちはそろって王を訪ね、その侍従ブラストに取り入って和解を願い出た。
 彼らの地方が、王の国から食糧を得ていたからである。
 使徒言行録 12章20節

 ヘロデには侍従ブラストがいましたが、彼らはブラストに取り入って
 ヘロデに対して、和解を願い出るのです。
 それは彼らの食糧事情にも大きくかかわっていたので、深刻な問題でもありました。

 彼らはヘロデが演説を始めると、ヘロデに向かって
 「神の声だ。人間の声ではない」と叫び続けるのです。ヘロデに媚びているのです。
 ヘロデは、自分自身が神とされてもそれを否定せずに受け入れて演説を続けています。

 定められた日に、ヘロデが王の服を着けて座に着き、
 演説をすると、集まった人々は、「神の声だ。人間の声ではない」と叫び続けた。
 使徒言行録 12章21〜22節

 これがヘロデの、最大の過ちでした。
 人間は被造物であって、決して神にはなり得ないのです。
 この恐ろしい傲慢さの故、ヘロデの命は絶たれることになってしまったのです。

 するとたちまち、主の天使がヘロデを撃ち倒した。
 神に栄光を帰さなかったからである。
 ヘロデは、蛆に食い荒らされて息絶えた。
 使徒言行録 12章23節

むすび.神の位置に自分を置くことが最大の傲慢であり最大の罪

 教会を迫害して、自分の地位を守るためなら平気で殺人をしていたヘロデ王は
 最終的に、神によって命を絶たれてしまいました。
 自分を神のようにしてしまった傲慢さが、その原因となっていたのです。

 【今日の聖書】
 するとたちまち、主の天使がヘロデを撃ち倒した。
 神に栄光を帰さなかったからである。
 ヘロデは、蛆に食い荒らされて息絶えた。
 使徒言行録 12章23節


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