今日のできごと


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2024/10/2(水)

 

もしペトロが幻を見ていなかったら

1.ペトロは神に幻を見させられた

 ペトロは、「大きな布のような入れ物が、四隅でつるされて、
 地上に下りて来る」という幻を見ました。
 「ペトロよ、身を起こし、屠って食べなさい」と言う声を3回聞きます。

 ペトロが、「汚れた物は何一つ食べません」と3回とも拒絶すると、
 そのたびに「神が清めた物を清くないなどと、言ってはならない。」と諭されます。
 ペトロが汚れていると思っていたものを、神が清めたことを教えられるのです。

 この時、ペトロが汚れていると教えられていたのは、
 単に、汚れた動物だけということではありませんでした。
 異教の神々に仕える「異邦人」も、汚れた人々だと考えていたのです。

2.幻を見させられたからこそペトロは異邦人の家に行った

 もしこの時、ペトロがこの幻を見ていなかったらどうだったでしょうか?
 ペトロは、「異邦人は汚れているから、交わってはいけない」と考えていましたから
 決して、異邦人であるコルネリウスの家になど行っていなかったことでしょう。

 この幻を見たからこそ、そしてそこで神に教えられたからこそ
 今まで絶対に行くことのなかった、異邦人の家に行く気になれたのです。
 ペトロは、幻を見させられることによって異邦人の家に導かれたのです。

3.幻を見ていなければ異邦人伝道はされないままだっただろう

 もしこの時、ペトロがこの幻を見ていなかったら
 「異邦人も救われる」という理解は、ペトロにも教会にも生じなかったことでしょう。
 それゆえ教会は、「異邦人伝道をしていこう」とは考えなかったことでしょう。

 にもかかわらずパウロが異邦人伝道に遣わされたとしたら、どうだったでしょうか?
 教会は、「パウロは律法に背いて、異邦人と交わる活動をしている」と
 パウロを批判し、パウロの異邦人伝道を認めなかったことでしょう。

 さらに、もし教会が異邦人伝道をしてこなかったとしたら、
 現在の日本の私たちにも、福音が届いていなかったのです。
 この幻を神がペトロに見させられた意義は、非常に大きかったのです。

むすび.神は大切な異邦人の救いを教えるためにペトロに幻を見せた

 神はむやみやたらに、幻を見させたり天使に語らせたりはされません。
 大切な時に、重要なことを伝えるために、
 幻を見せたり、天使を遣わされたりするのです。

 神は、大切な異邦人の救いを教えるために
 ペトロに、不思議な幻を見させられたのです。
 その後ペトロは、聖書を読む限り特に幻を見たりはしていないのです。

 【今日の聖書】
 ペトロが、今見た幻はいったい何だろうかと、
 ひとりで思案に暮れていると、
 コルネリウスから差し向けられた人々が、
 シモンの家を探し当てて門口に立ち、
 声をかけて、「ペトロと呼ばれるシモンという方が、
 ここに泊まっておられますか」と尋ねた。
 使徒言行録 10章17〜18節


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