やりたくないことをやって宣教は前進したA
1.ペトロは幻の中で食べたくない物を食べるように言われた
ペトロは、幻の中で律法で食べることが禁じられている動物を
ほふって食べるように、言われました。
天が開き、大きな布のような入れ物が、四隅でつるされて、地上に下りて来るのを見た。
その中には、あらゆる獣、地を這うもの、空の鳥が入っていた。
そして、「ペトロよ、身を起こし、屠って食べなさい」と言う声がした。
使徒言行録 10章11〜13節
ペトロは、それを聞いてその言葉を否定しにかかります。
それらの動物の中に、律法で清くないとされているものや、
汚れているとされていたものが、入っていたからです。
しかし、ペトロは言った。
「主よ、とんでもないことです。
清くない物、汚れた物は何一つ食べたことがありません。」
使徒言行録 10章14節
否定するペトロに対して、汚れているとされていた動物を
「神が清めた」と、その声は説明するのです。
すると、また声が聞こえてきた。
「神が清めた物を、清くないなどと、あなたは言ってはならない。」
使徒言行録 10章15節
2.ペトロは決して交わりをしてこなかった異邦人の家に出かけた
ペトロは、この幻は一体何のことだろうと考え込みます。
すると聖霊が、3人の人の来訪を告げるのです。
ペトロがなおも幻について考え込んでいると、“霊”がこう言った。
「三人の者があなたを探しに来ている。
立って下に行き、ためらわないで一緒に出発しなさい。
わたしがあの者たちをよこしたのだ。」
使徒言行録 10章19〜20節
彼らが、異邦人であるコルネリウスから遣わされた人々であることを
ペトロは、知ります。そして、異邦人であるコルネリウスの家に招くために
ペトロの滞在先に来たことも、知るのです。
すると、彼らは言った。
「百人隊長のコルネリウスは、正しい人で神を畏れ、
すべてのユダヤ人に評判の良い人ですが、
あなたを家に招いて話を聞くようにと、聖なる天使からお告げを受けたのです。」
それで、ペトロはその人たちを迎え入れ、泊まらせた。
翌日、ペトロはそこをたち、彼らと出かけた。
ヤッファの兄弟も何人か一緒に行った。
使徒言行録 10章22〜23節
ペトロは次の日に、彼らと一緒にコルネリウスの家を目指して出発しました。
コルネリウスの家に着いたペトロは、「今までは律法で禁じられていたので
異邦人とは交際しなかったけれども、神が異邦人とも交際するよう示された」と語ります。
彼らに言った。
「あなたがたもご存じのとおり、ユダヤ人が外国人と交際したり、
外国人を訪問したりすることは、律法で禁じられています。
けれども、神はわたしに、どんな人をも清くない者とか、
汚れている者とか言ってはならないと、お示しになりました。
それで、お招きを受けたとき、すぐ来たのです。
お尋ねしますが、なぜ招いてくださったのですか。」
使徒言行録 10章28〜29節
3.従来だったら行きたくなかったはずの異邦人の家で聖霊が降った
ペトロは、コルネリウスの家で福音を語りました。
イエス・キリストの、十字架と復活を語ったのです。
わたしたちは、イエスがこうしてユダヤ人の地や
エルサレムでなさったすべてのことの証人であります。
人々はこのイエスを木にかけて殺したのです。
しかし神はイエスを三日目によみがえらせ、全部の人々にではなかったが、
わたしたち証人としてあらかじめ選ばれた者たちに現れるようにして下さいました。
わたしたちは、イエスが死人の中から復活された後、共に飲食しました。
使徒言行録 10章39〜41節
するとコルネリウスの家にいた異邦人たちにも、聖霊が降るのです。
ペトロがこれらのことをなおも話し続けていると、
御言葉を聞いている一同の上に聖霊が降った。
割礼を受けている信者で、ペトロと一緒に来た人は皆、
聖霊の賜物が異邦人の上にも注がれるのを見て、大いに驚いた。
異邦人が異言を話し、また神を賛美しているのを、聞いたからである。
そこでペトロは、使徒言行録 10章44〜46節
ペトロと一緒に来た人は皆、
聖霊の賜物が異邦人の上にも注がれるのを見て、大いに驚きました。
ペトロは、洗礼を受けるように異邦人たちにも命じます。
「わたしたちと同様に聖霊を受けたこの人たちが、
水で洗礼を受けるのを、いったいだれが妨げることができますか」と言った。
そして、イエス・キリストの名によって洗礼を受けるようにと、その人たちに命じた。
それから、コルネリウスたちは、ペトロになお数日滞在するようにと願った。
使徒言行録 10章47〜48節
こうして、コルネリウスの家にいた異邦人たちも聖霊に満たされ
洗礼を受け、イエス・キリストを信じて従う者となっていくのです。
素晴らしい異邦人の救いが、そこでなされていったのです。
むすび.やりたくないことをやって宣教は前進した
ペトロは、そもそも異邦人とは一切の交流をしていませんでした。
ですから、異邦人の所に行って家に入って一緒に食事をするとか
異邦人の家に泊まるなどというのは、論外でした。
「異邦人の所になど、行きたくない」と考えていたペトロを、
神は異邦人の家に導かれ、そこで異邦人に対してもイエス・キリストのことを伝えさせ
異邦人が聖霊を受け、洗礼を受けるようになさったのです。
まったくペトロたちの想定外の事が、そこで起きました。
本当はやりたくなかったことをやることによって、ペトロを通して
異邦人にも聖霊の恵みが与えられ、洗礼を受ける機会が与えられたのでした。
こうやって、宣教は前進していったのです。
【今日の聖書】
彼らに言った。
「あなたがたもご存じのとおり、ユダヤ人が外国人と交際したり、
外国人を訪問したりすることは、律法で禁じられています。
けれども、神はわたしに、どんな人をも清くない者とか、
汚れている者とか言ってはならないと、お示しになりました。
それで、お招きを受けたとき、すぐ来たのです。
お尋ねしますが、なぜ招いてくださったのですか。」
使徒言行録 10章28〜29節