神に従わなかったばっかりに
なぜ、サウル王の時代イスラエルはペリシテ人に負けたのでしょうか？
それはひとえに、王であったサウルの罪ゆえです。
サウルは、神の言葉に聞き従っていませんでした。
１．サウルは罪を犯してしまった
１．１ サウルに対する神の命令は「アマレクを滅ぼし尽くせ」だった
神の言葉は「アマレクに属するものは一切、滅ぼし尽くせ」
というものでした。
行け。アマレクを討ち、アマレクに属するものは一切、滅ぼし尽くせ。
男も女も、子供も乳飲み子も、牛も羊も、らくだもろばも打ち殺せ。
容赦してはならない。」
サムエル記上 １５章３節
１．２ サウルのしたことは「アマレクを滅ぼし尽くさない」
しかしサウルとその民のしたことは、
「上等なものは残して、滅ぼし尽くさない」
「つまらない、値打ちのないものだけを滅ぼし尽くす」ということでした。
しかしサウルと兵士は、アガグ、および羊と牛の最上のもの、
初子ではない肥えた動物、小羊、その他何でも上等なものは
惜しんで滅ぼし尽くさず、つまらない、値打ちのないものだけを滅ぼし尽くした。
サムエル記上 １５章９節
１．３ サウルのしたことは神の命令の真逆だった
サウルのしたことは、「神の命令を何割かは実行した」かのようにみえますが、
全く逆で、「神の命令を全く実行しなかった」ことと同じなのです。
「残すな」と言われたのに、「残した」からです。真逆なのです。
「わたしはサウルを王に立てたことを悔やむ。
彼はわたしに背を向け、わたしの命令を果たさない。」
サムエル記上 １５章１１節（前半）
２．サウルは罪を指摘されても悔い改めなかった
２．１ サムエルはサウルの罪を指摘した
サムエルは、その罪をサウルに指摘します。
戦利品を得ようと飛びかかり、神の言葉に従わなかったことは罪であると、
サムエルは指摘するのです。
主はあなたに出陣を命じ、行って、罪を犯したアマレクを滅ぼし尽くせ、
彼らを皆殺しにするまで戦い抜け、と言われた。
何故あなたは、主の御声に聞き従わず、戦利品を得ようと飛びかかり、
主の目に悪とされることを行ったのか。」
サムエル記上 １５章１８〜１９節
２．２ サウルは自分の罪を自覚していなかった
しかしサウルは、「自分の罪を認めて悔い改める」ということをしていません。
サウルには、神の命令に従わなかったという自覚がありませんでした。
サウルはサムエルに答えた。
「わたしは主の御声に聞き従いました。
主の御命令どおりに出陣して、アマレクの王アガグを引いて来ましたし、
アマレクも滅ぼし尽くしました。
サムエル記上 １５章２０節
２．３ サウルは悔い改めないで保身に走った
サウルは、悔い改めることをしなかったばかりか、
逆に言い訳をして、保身に走っているのです。
兵士が、ギルガルであなたの神、
主への供え物にしようと、滅ぼし尽くすべき物のうち、
最上の羊と牛を、戦利品の中から取り分けたのです。」
サムエル記上 １５章２１節
さらに、自分の王としてのメンツを保とうと、
サムエルに懇願するような、そんな姿勢だったのです。
サウルは言った。
「わたしは罪を犯しました。
しかし、民の長老の手前、イスラエルの手前、どうかわたしを立てて、
わたしと一緒に帰ってください。
そうすれば、あなたの神、主を礼拝します。」
サムエル記上 １５章３０節
３．神はサウルを王位から退けられた
サウルの不従順な態度のために、神はサウルを王にしたことを悔み
彼を、王位から退けることに決めるのです。
「わたしはサウルを王に立てたことを悔やむ。
彼はわたしに背を向け、わたしの命令を果たさない。」
サムエルは深く心を痛め、夜通し主に向かって叫んだ。
サムエル記上 １５章１１節
サムエルはそのことを、サウルに語ります。
反逆は占いの罪に
高慢は偶像崇拝に等しい。
主の御言葉を退けたあなたは
王位から退けられる。」
サムエル記上 １５章２３節
こうして神は、ペリシテとの戦いで
サウルが命を失うように、されたのです。
むすび．神の言葉に従順に従うことこそ必要だった
神に従わず、罪も悔い改めず
自分のメンツを保とうと、保身に走ったサウルは
結局、戦いに敗れて死んでしまい、その王位を失うのです。
神によって選ばれ、サムエルに油注がれて王になったにもかかわらず
神に従わなかったばっかりに、悲惨な最期を遂げています。
神に選ばれることよりも、王であり続ける事よりも
神に従い、自分の罪を認めて悔い改める事の方が
ずっとずっと大切な事だったのです。
【今日の聖書】
サムエルはサウルに言った。
「あなたと一緒に帰ることはできない。
あなたが主の言葉を退けたから、
主はあなたをイスラエルの王位から退けられたのだ。」
サムエル記上 １５章２６節
