松江地域連合牧師会
今日は日本基督教団松江古志原教会で、松江地域連合牧師会が開かれました。
今日のメッセージは、日本基督教団 安来教会の遠藤誠一先生が
ヨハネによる福音書8章1〜11節から、「ゆるしの信仰」というテーマで語って下さいました。
1.聖書の律法では、故意の姦通の罪は即死刑という決まりだった
この箇所では、律法学者とイエスが出てきます。
律法学者は、聖書の律法に精通しており律法のプロでした。
そして律法では「姦通の罪」を犯した場合、殺されなければなりませんでした。
男が人妻と寝ているところを見つけられたならば、
女と寝た男もその女も共に殺して、
イスラエルの中から悪を取り除かねばならない。
申命記 22章22節
「執行猶予」も、「犠牲をささげればゆるされる」ということもありませんでした。
姦通の罪を犯したら即殺されなければならないという、非常に厳しいものでした。
神の義の前に、罪は容赦なく裁かれるのです。故意の姦通や故意の殺人は、即死刑でした。
人を打ち殺した者はだれであっても、必ず死刑に処せられる。
レビ記 24章17節
このような律法を、律法学者たちは熟知していたのです。
そして、そのような律法に厳格に生きていこうとしていました。
それこそが、神に従う生き方だと確信していたからです。
2.律法は罪に定めるがイエスは罪に対するゆるしを与えた
イエスの時代、遊女がいました。姦通の罪を犯している女性がいたのです。
律法学者たちから見れば、律法の定めに従って殺されて当然な人物でした。
律法学者たちはイエスのところに、姦淫の現場で押さえた女性を連れて来て問いかけます。
イエスに言った。
「先生、この女は姦通をしているときに捕まりました。
こういう女は石で打ち殺せと、モーセは律法の中で命じています。
ところで、あなたはどうお考えになりますか。」
ヨハネによる福音書 8章4〜5節
イエスはそれに対して、初めは無視していましたがあまりにしつこいので
「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい。」と語られ
最後に女性に向かって、「わたしもあなたを罪に定めない」と答えておられます。
女が、「主よ、だれも」と言うと、イエスは言われた。
「わたしもあなたを罪に定めない。
行きなさい。これからは、もう罪を犯してはならない。」
ヨハネによる福音書 8章11節
イエスはゆるしを、姦通をした女性に断言しているのです。
無条件で「あなたを罪に定めない」と、語っておられます。
決定的な、罪のゆるしの宣言です。
人間側の善い行いや捧げものなどは、何一つ要求されていないのです。
3.イエスは神のゆるしを与えるために来られたお方
律法では「罪に定める」ことはしても、そこにゆるしがありません。
姦通の罪を犯したら、即死刑という定めしかなかったのです。
それに対してイエスは、本来死ななければならない罪であるにもかかわらずゆるしを宣言しています。
姦淫の現場を押さえられて、連れて来られた女性に対して
「わたしもあなたを罪に定めない。行きなさい。
これからは、もう罪を犯してはならない。」と語られているのです。
イエスは、人々の罪をゆるす働きをなさっていたのです。
だから 律法学者たちは「神以外に、人の罪をゆるすことのできる方はおられないはずだ!」
ということで大問題になって、最後にはイエスを十字架にかけて殺してしまったのです。
律法学者たちが受け入れることができなかったほどの、考えられないゆるしを
イエスは私たちに、与えて下さったのです。
イエスは、私たちの考えをはるかに超えた神のゆるしを与えるために来られたお方なのです。
むすび.福音は「ゆるし」という神の一方的な恵みを与えるもの
福音の強力な力はゆるしであり、これは神の恵みです。
本来神の律法によれば、神の絶対的な義の前に
姦通の罪をはじめとする私たちの罪は、裁かれて当然であるにもかかわらずゆるされるのです。
毎日罪を犯しても、ゆるされます。
罪を告白するなら、ゆるしていただけるのです。
イエスを信じた時に、私たちの「神に背いて生きてきた」という原罪はゆるされています。
しかしイエスを信じた後も、日々に犯してしまう罪があります。
それを日々神に悔い改めるときに、ゆるしていただけるのです。
イエスの十字架の血潮は、私たちの罪をゆるすために流されたのです。
イエスも罪をゆるして下さったのですから、私たちも
もしもゆるせない人がいたら、完全にゆるしていくのです!
福音は、神からの完全なゆるしを自分自身が受け取るとともに
隣人の罪をも、完全にゆるし、
互いにゆるし合って生きることを、可能にするものなのです!
どんな人をもゆるして、生きていきましょう!
【今日の聖書】
イエスはオリーブ山へ行かれた。
朝早く、再び神殿の境内に入られると、民衆が皆、
御自分のところにやって来たので、座って教え始められた。
そこへ、律法学者たちやファリサイ派の人々が、
姦通の現場で捕らえられた女を連れて来て、真ん中に立たせ、イエスに言った。
「先生、この女は姦通をしているときに捕まりました。
こういう女は石で打ち殺せと、モーセは律法の中で命じています。
ところで、あなたはどうお考えになりますか。」
イエスを試して、訴える口実を得るために、こう言ったのである。
イエスはかがみ込み、指で地面に何か書き始められた。
しかし、彼らがしつこく問い続けるので、イエスは身を起こして言われた。
「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい。」
そしてまた、身をかがめて地面に書き続けられた。
これを聞いた者は、年長者から始まって、一人また一人と、立ち去ってしまい、
イエスひとりと、真ん中にいた女が残った。
イエスは、身を起こして言われた。
「婦人よ、あの人たちはどこにいるのか。
だれもあなたを罪に定めなかったのか。」
女が、「主よ、だれも」と言うと、イエスは言われた。
「わたしもあなたを罪に定めない。
行きなさい。これからは、もう罪を犯してはならない。」
ヨハネによる福音書 8章1〜11節