やりたくないことをいかに実行に移すか
1.サウロの元に行きなさいという神の命令
ダマスコにいたアナニアは、ユダの家にいるサウロのところへ行けと、
幻の中で、主に命じられます。
すると、主は言われた。
「立って、『直線通り』と呼ばれる通りへ行き、
ユダの家にいるサウロという名の、タルソス出身の者を訪ねよ。
今、彼は祈っている。
使徒言行録 9章11節
2.神の命令内容はアナニアにとってはとんでもないこと
主の命令は「サウロの元に行きなさい」でしたが
アナニアにとっては、それはとんでもないことでした。
しかし、アナニアは答えた。
「主よ、わたしは、その人がエルサレムで、
あなたの聖なる者たちに対してどんな悪事を働いたか、
大勢の人から聞きました。
ここでも、御名を呼び求める人をすべて捕らえるため、
祭司長たちから権限を受けています。」
使徒言行録 9章13〜14節
イエスを信じる者たちに対して、ひどい悪事をなし
ダマスコにも、イエスを信じている人々を残らず捕縛するために
やってきていることを知っていたからです。
3.大いに用いられたアナニアは実は行きたくなかった
アナニアは、パウロの救いのためにダマスコで大いに用いられましたが
実のところ、パウロのところには行きたくありませんでした。
「自分のやりたいことをとどめられる」という、神の導きもありますが、
逆に「自分のやりたくないことに進ませられる」という、神の導きもあります。
どちらかというと、後者の方が多いのではないのでしょうか?
アナニアは、サウロのところには絶対に行きたくなかったのです。
それでも神に従って、サウロのところに行き彼は救われます。
その後サウロは、パウロという名になって、
キリストを異邦人世界に、大胆に宣べ伝える人になったのです。
むすび.いかにやりたくないという気持ちを捨て去るか?
アナニアに問われたのは、いかに自分の否定的な思いを捨てて
神の導きに従うか、ということでした。
これは現代の私たちにも、問われていることではないでしょうか?
しばしば「これはやりたくないな」と感じる事が、あるかもしれません。
しかしアナニアを模範にして、やりたくなくても神に従って一歩踏み出すのです。
サウロが大伝道者パウロになって、宣教が大きく進んだように
今の時代にも、そのような驚くべき神のみわざが成されることを信じましょう。
私が踏み出さなければ、神の御業を期待することはできません。
けれども一歩踏み出したその後には、驚くべき神のみわざが続いているのです。
【今日の聖書】
すると、主は言われた。
「行け。あの者は、異邦人や王たち、またイスラエルの子らに
わたしの名を伝えるために、わたしが選んだ器である。
わたしの名のためにどんなに苦しまなくてはならないかを、
わたしは彼に示そう。」
使徒言行録 9章15〜16節