何気なく
イスラエルの王アハブは、ラモト・ギレアドに
ユダの王ヨシャファトと共に、攻め上ります。
しかしこの時、ヨシャファトには王の恰好をさせますが
自分は王の格好をせずに、変装して戦いに行くのです。
王であると気づかれれば、戦いの標的になってしまいますが
一般の兵士と思われれば、標的にはならないだろうという魂胆です。
事実アラムの王は、「兵士や将軍には目もくれるな!」
「ただイスラエルの王をねらって戦え!」と命じています。
ユダの王ヨシャファトを的にして、自分は助かろうという魂胆でした。
アラムの王は配下の戦車隊の長たちに、
「兵士や将軍には目もくれず、
ただイスラエルの王をねらって戦え」と命じていた。
歴代志下 18章30節
しかし、ひとりの兵士が何気なく弓を引いたところ、
アハブ王の鎧の胸当てと草摺りの間を射貫いてしまうのです。
特にアハブ王をねらったわけでもなかったのですが、射貫いてしまうのです。
ところが一人の兵が何気なく弓を引き、
イスラエルの王の鎧の胸当てと草摺りの間を射貫いた。
王は御者に言った。
「手綱を返して敵陣から脱出させてくれ。傷を負ってしまった。」
歴代志下 18章33節
こうしてアハブは傷を負い、その日の夕方になって死んでしまうのです。
その日、戦いがますます激しくなったため、
イスラエルの王はアラム軍を前にして夕方まで戦車の中に立っていたが、
日の沈むころ息絶えた。
歴代志下 18章34節
アハブは悪王でした。
神はそのアハブに対して、裁きの言葉を語られます。
『見よ、わたしはあなたに災いをくだし、
あなたの子孫を除き去る。
イスラエルにおいてアハブに属する男子を、
つながれている者も解き放たれている者もすべて絶ち滅ぼす。
わたしはあなたが招いた怒りのため、
またイスラエルの人々に罪を犯させたため、
あなたの家をネバトの子ヤロブアムの家と同じように、
またアヒヤの子バシャの家と同じようにする。』
列王紀上 21章21〜22節
結局この言葉の通りアハブ王は、戦場で死んでしまうのです。
神によって裁かれて、人生が終わったのです。
どんなに変装したところで、神の裁きから逃げることはできませんでした。
「何気なく」放たれた弓矢によって、命を落としてしまったのです。
「何気なく」というところにも、神は働かれておられるのです。
神は、「何気なく」を用いておられたのです。
【今日の聖書】
アハブのように、
主の目に悪とされることに身をゆだねた者はいなかった。
彼は、その妻イゼベルに唆されたのである。
列王紀上 21章25節