わからん
「わからない」のことを、縮めて「わからん」と言います。
主に関西や西の方の言い方ですが、一般的には少し雑な言い方に聞こえます。
これは、標準語ではありませんが、全国的に通じます。
文法で言えば、「ラ行五段活用」の場合、「未然形」がこのように変化します。
知らない→知らん わからない→わからん やらない→やらん
要するに、未然形の場合で「ない」に続く場合、「ない」を「ん」に変えるのです。
ところが出雲弁ではこの「らん」を、「ラ行五段活用」以外にも使います。
- 「食べない」→「たべらん」 バ行下一段活用
- 「こない」→「こらん」 カ行変格活用
- 「できない」→「できらん」 カ行上一段活用
この「らん」は決して乱暴な使い方ではなく、普通の使い方になります。
東京弁では「今日うちにこない?」は、普通に使います。「行くね」と答えます。
出雲弁では「今日うちにこない?」は、「今日うちにこらん?」になります。
外から来た人にとって、「こらん」と初めて聞くと何のことだが理解できませんが
学校の先生も、普通に使っています。
「らん」で終わっても、ぶっきらぼうなわけではなく、普通の言い方になります。
そのほかにも、「いけない」→「いけん」の変化がよく使われています。
「イエス・キリストは、いんまにこの地上に再びくーだわね。
だども、その日その時がいつであーかは、誰も知らんです。
その日その時がいつであーかは、わしゃちには分からんです。」
「あげあげ」
【今日の聖書】
天地は滅びるが、わたしの言葉は決して滅びない。」
「その日、その時は、だれも知らない。天使たちも子も知らない。
父だけがご存じである。
気をつけて、目を覚ましていなさい。
その時がいつなのか、あなたがたには分からないからである。
マルコによる福音書 13章31〜33節