今日のできごと


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2020/2/17(月)

 
うぐいす台ため池

婦女暴行犯アムノンは殺された

 兄弟間の殺害は、最初の人アダムの息子カインに始まりますが、
 ダビデの息子アブサロムも、その兄を殺しています。復讐による殺人です。
 アブサロムは、自分の妹を暴行したアムノンを、憎しみのあまり殺してしまうのです。

1.アムノンとアブサロムは異母兄弟だった

 ダビデには、多くの息子たちがいました。
 ヘブロンで生まれた息子だけでも、6人です。
 この6人は皆、異母兄弟なのです。

第何子名前
(意味)
母親聖書
長男アムノン
(忠実な)
イズレエル人アヒノアムサム下3:2
次男キルアブ
(父のような)
カルメル人ナバルの妻アビガイルサム下3:3
三男アブサロム
(父は平和)
ゲシュルの王タルマイの娘マアカサム下3:3
四男アドニヤ
(我が主はエホバ)
ハギトサム下3:4
五男シェファトヤ
(エホバは裁かれた)
アビタルサム下3:4
六男イトレアム
(人々の利益)
エグラサム下3:5

2.アムノンはアブサロムの妹タマルを辱めた

 2.1 アムノンはタマルを愛した

 アムノンは、アブサロムの妹タマルを愛します。

 その後、こういうことがあった。
 ダビデの子アブサロムにタマルという美しい妹がいた。
 ダビデの子アムノンはタマルを愛していた。
 サムエル記下 13章1節

 2.2 アムノンはタマルを暴行した

 そして策略をもって、強引に彼女と床を共にしてしまうのです。

 アムノンは彼女の言うことを聞こうとせず、
 力ずくで辱め、彼女と床を共にした。
 サムエル記下 13章14節

 今で言う「婦女暴行罪」です。いわゆる強姦です。

 2.3 アムノンはタマルを憎んだ

 アムノンは強姦の罪を犯すばかりか、その後彼女を激しく憎むようになります。
 自分で襲っておきながら加害者にもかかわらず、今度は被害者を憎むのです。

 そして、アムノンは激しい憎しみを彼女に覚えた。
 その憎しみは、彼女を愛したその愛よりも激しかった。
 アムノンは彼女に言った。「立て。出て行け。」
 サムエル記下 13章15節

 アムノンは、異母妹タマルの心身双方に多大な害を加え、
 タマルを、ぼろぼろにしてしまうのです。
 タマルは、絶望のどん底に落とされてしまうのです。

 タマルは絶望して兄アブサロムの家に身を置いた。
 サムエル記下 13章20節(後半)

3.アブサロムはアムノンに復讐し彼を殺した

 3.1 アブサロムはアムノンを憎んだ

 タマルの兄アブサロムは、怒ります。
 異母兄アムノンに対して、一切口を利かなくなります。
 アブサロムの心は、アムノンに対する憎悪で満ちるのです。

 アブサロムはアムノンに対して、いいとも悪いとも一切語らなかった。
 妹タマルを辱められ、アブサロムはアムノンを憎悪した。
 サムエル記下 13章22節

 憎しみは、やがて殺意へと膨らんでいきます。

 3.2 アブサロムはアムノンを殺すよう従者に命じた

 アブサロムは、ついに自分の従者たちに命じて、
 アムノンを策略をもって、殺してしまうのです。

 アブサロムは自分の従者たちに命じて言った。
 「いいか。アムノンが酒に酔って上機嫌になったとき、
  わたしがアムノンを討てと命じたら、アムノンを殺せ。
  恐れるな。これはわたしが命令するのだ。
  勇気を持て。勇敢な者となれ。」
 サムエル記下 13章28節


 3.3 アブサロムは従者の手によってアムノンを殺した

 こうしてアムノンは、アブサロムの従者の手にかかって死んでしまいます。

 従者たちは、アブサロムの命令どおりアムノンに襲いかかった。
 王子は全員立ってそれぞれのらばに乗り、逃げ出した。
 サムエル記下 13章29節

 アブサロムはこうして、タマルのための復讐をアムノンに対して果たすのです。
 アムノンは、若くして命を落とし、短い生涯を終えてしまいます。
 一時的な欲望の満たしは、結局死という代償を払うことになってしまったのです。

むすび.アムノンの罪は自分自身の死を招いてしまった

 身勝手な行動によって、タマルを暴行しその心を絶望に追い込んだアムノンは
 タマルの兄であるアブサロムの恨みを買い、最後には殺されてしまいます。
 アブサロムの復讐行為を、是認することはできませんが、

 罪には必ず何らかの、刈り取りが待っています。
 特に、姦淫や結婚関係をはずれた性的関係が、
 その後、何らかの形で死を呼び込んでいる例が、聖書の中にも見受けられます。

 ダビデが、ヘト人ウリヤの妻バト・シェバと姦通した後、
 ダビデは、ウリヤを殺してしまっています。この時も、姦淫→殺人と続いています。
 その後、ダビデによってバト・シェバが産んだ子も死んでしまいます。

 姦淫は、憎しみや殺人、死へと続く恐ろしい罪であることがここからわかります。
 一時的な、自己中心的な欲望の満たしを求めると、
 その後には、恐ろしい結末がやってくることになるのです。

 【今日の聖書】
 遊女への支払いは一塊のパン程度だが
 人妻は貴い命を要求する。

 火をふところにかきこんで
 衣を焼かれない者があろうか。

 炭火の上を歩いて
 足にやけどをしない者があろうか。

 友人の妻と通じる者も同様。
 彼女に触れれば、
 罰せられずには済まない。

 箴言 6章26〜29節


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