熱心党
 聖書の中に「熱心党」と言う言葉は、シモンを修飾する時にしか出てきません。
 聖書の中で「熱心党」は、12弟子のひとりシモンが
 「熱心党員」であったということしか記されていません。
 従って、聖書の中から「熱心党」がどういうものであったかということを
 詳しく調べることはできません。聖書以外の資料に、あたるしかありません。
 織田昭編「新約聖書ギリシャ語小辞典 改訂第4版」によると
 熱心党員とは、「極端な国粋主義者で無謀な革命運動を何度も起こした」
 と説明されています。要するに、ローマの支配から抜け出したいという
 欲求が熱烈で、時として暴力も辞さない人々の集まりだったということです。
 そんな強烈な、国粋主義者のひとりだったシモンが
 イエスの12使徒のひとりとして、選ばれているのです。
 そんな過激な人物も12弟子だったということは、驚くべきことです。
 12弟子の選定基準というのが、品行方正で才能豊かで冷静沈着...
 などという、普通常識的に考えるような基準ではなかったことがわかります。
 そもそも、いわゆる選定基準などというものは存在せず
 その人の、知識や経験や才能や能力などとは無関係に
 ただ神の一方的な選びによって、選ばれていたような感じです。
 神の選びと人間の考えとでは、大きな隔たりがあるようです。
 
【今日の聖書】
 アンデレ、フィリポ、バルトロマイ、マタイ、トマス、
 アルファイの子ヤコブ、タダイ、熱心党のシモン、
 マルコによる福音書 3章18節