今日のできごと


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2020/10/26(月)

 

ユダは娼婦の振りをした嫁と関係を持った

1.ユダは嫁のタマルを、てっきり娼婦と思ってしまった

 妻を失ったユダは、ある時娼婦の姿をした女性に会います。
 その女性こそ、自分の長男エルの妻であったタマルでした。
 タマルは娼婦ではなく、その振りをしていただけでした。

 タマルはやもめの着物を脱ぎ、
 ベールをかぶって身なりを変え、
 ティムナへ行く途中のエナイムの入り口に座った。
 シェラが成人したのに、自分がその妻にしてもらえない、
 と分かったからである。
 創世記 38章14節

 けれどもユダは、てっきり娼婦だと思い込み
 「さあ、あなたの所に入らせてくれ」と言いいます。

 ユダは彼女を見て、顔を隠しているので娼婦だと思った。
 ユダは、路傍にいる彼女に近寄って、
「さあ、あなたの所に入らせてくれ」と言った。
 彼女が自分の嫁だとは気づかなかったからである。
 創世記 38章15〜16節(前半)

2.ユダと娼婦の振りをしたタマルとの間に子供が生まれた

 そうやって妊娠したタマルが産んだのが、
 ペレツとゼラの双子だったのです。
 ですから、ふたりは正式に結婚していたわけでも何でもなく

 単にユダにとっては、当初は行きずりの一娼婦に過ぎなかったわけです。
 その娼婦だと思った女性が、実は自分の死んだ息子の妻であって
 3男と結婚させると約束した、タマルだったわけです。

 ユダはこうして、正式に結婚してもいないのに
 元息子の嫁だったタマルとの間に、子供を二人ももうけてしまい、
 その父親となってしまうのです。

3.ユダにとっては、隠したかった恥ずかしい出来事だった

 ですからタマルはもはや、3男のシェラの嫁になるのではなく
 元夫のエルやオナンの父である、ユダの妻となってしまうのです。
 ユダは当初、自分が娼婦と関係を持ったことが明らかになることを恐れました。

 ユダは言った。
 「では、あの品はあの女にそのままやっておこう。
  さもないと、我々が物笑いの種になるから。
  とにかく、わたしは子山羊を届けたのだが、
  女が見つからなかったのだから。」
 創世記 38章23節

 「さもないと、我々が物笑いの種になるから。」と言って隠そうとしているのです。
 しかし隠せなかったばかりか、こうして聖書の記事になってしまい
 あらゆる時代の、世界中の人々に知られることとなってしまったのです。

 隠したかったということは、そういうことが悪いことで恥ずかしいことだと
 ユダ自身も、きちんと認識していたということになるわけです。
 自分が娼婦と関係を持ってしまったことは、人には知られたくなかったのです。

むすび.正式に結婚して生まれた子ではなかったがイエスの系図に

 けれども、そんなユダとタマルの間から生まれた子ペレツの子孫から
 イエス・キリストが、生まれ出ることになるのです。

 アブラハムの子ダビデの子、イエス・キリストの系図。
 アブラハムはイサクをもうけ、
 イサクはヤコブを、
 ヤコブはユダとその兄弟たちを、
 ユダはタマルによってペレツとゼラを、
 ペレツはヘツロンを、
 ヘツロンはアラムを、
 マタイによる福音書 1章1〜3節

 ここに罪人の真っただ中に、救い主が誕生されたことが
 明らかに、示されているのです。
 イエス・キリストは、罪人を救い出すためにこの世に来られたのです。

 【今日の聖書】
 『わたしが求めるのは憐れみであって、いけにえではない』とは
 どういう意味か、行って学びなさい。
 わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、
 罪人を招くためである。」
 マタイによる福音書 9章13節


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