今日のできごと


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2020/1/24(金)

 
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シオン

1.シオンとは?

 シオンとは、簡単に言えばエルサレムの別名です。

シオン

シオン

「乾いた場所」「要害」という意味をもつ言葉
エルサレムの一部、もしくはエルサレム全体、
時にはその住民を指す名称として、使われている
Zion = "parched place"
1) another name for Jerusalem especially in the prophetic books


 「シオン」は元々は、エブス人の町として登場する地名です。
 これがソロモン王の時代に、神殿の丘の別名となります。
 そして、エルサレム全体、さらにイスラエルの地全体への形容詞ともなっていくのです。

2.シオンの位置の推移

 歴史的な流れから見ると、「シオン」の指す場所は、
 当初ダビデが攻略した場所から、以下のように推移しています。

地域場所聖書/資料/起源
現在のオフェルの丘
エルサレム旧市街の南東
城壁の外にある
元々エブス人の町だった所を
ダビデが攻略し「ダビデの町」
とした
サムエル記下 5章 7節
歴代誌上  11章 5節
旧市街の東側(城壁内) ダビデの町の北にある丘
ソロモンが神殿を建てた丘
この神殿の丘がシオンと
呼ばれるようになった
列王紀上 6章1〜38節
バビロン捕囚から帰還後,
ここに第2神殿が建てられた
エズラ記 3章 8節
エズラ記 6章15節
紀元70年のエルサレム攻囲戦
においてティトゥス率いる
ローマ軍団によってその場所の
神殿は破壊された
ヨセフス著 ユダヤ戦記
旧市街の西南(城壁外) 現在「シオンの丘」と
呼ばれる地
紀元4世紀頃からの
キリスト教伝承による.
すなわち2階座敷の場所
を記念して建てられた
教会の名
「シオンの丘の教会」
に由来する

2.1 始めにダビデが攻略してダビデの町とした

 元々シオンは、エブス人の要害でした。

 しかしダビデはシオンの要害を陥れた。これがダビデの町である。
 サムエル記下 5章7節

 エブスの住民はダビデに、「お前はここに入れまい」と言った。
 しかし、ダビデはシオンの要害を陥れた。これがダビデの町である。
 歴代志上 11章5節

2.2 次にソロモンがその北側に神殿を建てた

 ソロモンは、ダビデの町の北にある丘に神殿を建てます。

 ソロモン王が主の神殿の建築に着手したのは、
 イスラエル人がエジプトの地を出てから四百八十年目、
 ソロモンがイスラエルの王になってから四年目のジウの月、
 すなわち第二の月であった。
 列王紀上 6章1節

 ソロモンは7年がかりで、神殿を建て終わります。

 こうしてソロモンは神殿の建築を完了した。
 列王紀上 6章14節

 主の神殿の基礎が据えられたのが、ソロモンの治世第四年のジウの月、
 同第十一年のブルの月、すなわち第八の月に
 神殿はその細部に至るまで計画どおりに完成した。
 その建築には七年を要した。
 列王紀上 6章37〜38節

2.3 バビロン捕囚から帰還後に同じ場所に神殿を再建した

 バビロン捕囚から帰還した民も、同じ場所に神殿を建てます。

 エルサレムの神殿に帰った翌年の第二の月に、
 シェアルティエルの子ゼルバベルとヨツァダクの子イエシュアは彼らの他の兄弟たち、
 祭司とレビ人、および捕らわれの地からエルサレムに帰って来た
 すべての人と共に仕事に取りかかり、
 二十歳以上のレビ人を主の神殿の工事の指揮に当たらせた。
 エズラ記 3章8節

 シェアルティエルの子ゼルバベルとヨツァダクの子イエシュアが
 リーダーシップをとって、神殿再建に取り掛かっています。
 場所は、ソロモン神殿の立っていた場所と同じです。

 この神殿は、ダレイオス王の治世第六年のアダルの月の二十三日に完成した。
 エズラ記 6章15節

2.4 現在のシオン

 旧市街の西南(城壁外)の「Jerusalem University College」の周辺が、
 シオンの山と呼ばれています。

3.シオンという言葉の持つ意味

 旧約聖書の中では、「主がおられる場所」「主の住まわれる場所」
 「主が王として支配される場所」として「シオン」が言及されています。
 新約聖書では、主に旧約聖書の引用として用いられています。

 聖書の中で「シオン」と言う言葉は、170カ所ほどが出て来ます。
 詩編の中で、「シオン」に言及されているのは以下の通りです。
意味聖書
神が王を即位させた聖なる山「シオン」  詩編  2編 6節
主がおられる「シオン」  詩編  9編12節
おとめ「シオン」  詩編  9編15節
イスラエルの救いが起こりはじめる「シオン」  詩編 14編 7節
「シオン」から神が支えてくださる  詩編 20編 3節
高く美しく、全地の喜びである「シオン」の山  詩編 48編 3節
力ある王の都「シオン」  詩編 48編 3節
神の裁きのゆえに喜び祝う「シオン」の山  詩編 48編12節
神が顕現される麗しさの極み「シオン」  詩編 50編 2節
御旨のままに神に恵んでいただきたい「シオン」  詩編 51編20節
イスラエルの救いがここから起きてほしい「シオン」  詩編 53編 7節
神がいます「シオン」  詩編 65編 2節
神が必ず救ってくださる「シオン」  詩編 69編36節
あなたのいます所であった「シオン」の山  詩編 74編 2節
神の宮がある「シオン」  詩編 76編 3節
主が選ばれた愛する「シオン」の山  詩編 78編68節
神にまみえる場所「シオン」  詩編 84編 8節
主がヤコブのすべての住まいにまさって愛される「シオン」  詩編 87編 2節
この人もかの人もこの都で生まれたと
人々が言うであろう「シオン」
 詩編 87編 5節
いと高き神御自身が固く定められる「シオン」  詩編 87編 5節
主の裁きのゆえに喜び祝う「シオン」  詩編 97編 8節
主がおられる「シオン」  詩編 99編 2節
主に憐れんでいただきたい「シオン」  詩編 102編14節
主の僕らがその石や塵をすら慕う「シオン」  詩編 102編15節
主が真に再建し栄光のうちに顕現される「シオン」  詩編 102編17節
主の御名を唱える場所「シオン」  詩編 102編22節
主が力ある杖を伸ばされる「シオン」  詩編 110編 2節
主に依り頼む人は揺らぐことなくとこしえに座る「シオン」の山  詩編 125編 1節
主が捕われ人を連れ帰られる「シオン」  詩編 126編 1節
主があなたを祝福してくださる「シオン」  詩編 128編 5節
そこを憎む者は皆恥を受けて退けられる「シオン」  詩編 129編 5節
主が選びそこに住むことを定められた「シオン」  詩編 132編13節
永遠に主の憩いの地である「シオン」  詩編 132編14節
主がそこの食糧を豊かに祝福される「シオン」  詩編 132編15節
主がそこの乏しい者に飽きるほどの
パンを与えてくださる「シオン」
 詩編 132編15節
主が祝福ととこしえの命を布告された「シオン」  詩編 133編 3節
主がそこからあなたを祝福してくださる「シオン」  詩編 134編 3節
そこから主をたたえよと言われている「シオン」  詩編 135編21節
バビロンの流れのほとりに座り「シオン」を思って泣いた  詩編 137編 1節
あなたの神は代々に王と言われる「シオン」  詩編 146編10節
主をほめたたえよ「シオン」よ、あなたの神を賛美せよ  詩編 147編12節
「シオン」の子らはその王によって喜び躍れ  詩編 149編 2節

むすび.主が共におられる神の国「霊的シオン」

 「シオン」は、ダビデが王として支配するダビデの町でした。
 イエス・キリストは「神の国」の王として、私たちを愛をもって
 治めておられます。この「神の国」こそ、霊的な「シオン」なのです。

 「シオン」にはソロモン神殿があり、そこに主が住まわれると言われました。
 霊的な「シオン」では、イエス・キリストご自身が、神殿となって下さり、
 私たちといつも共にいて下さいます。

 インマヌエル(主我らと共にいます)と言われたイエスが、
 霊的な「シオン」の神殿として、いつも共におられるのです。
 「シオン」は、主が共におられる「神の国」をも示す言葉なのです。

 【今日の聖書】
 主はシオンを慰め
 そのすべての廃虚を慰め
 荒れ野をエデンの園とし
 荒れ地を主の園とされる。
 そこには喜びと楽しみ、
 感謝の歌声が響く。
 イザヤ書 51章3節


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