サウルは、サムエルから油注ぎを受けます。

　サムエルは油の壺を取り、
　サウルの頭に油を注ぎ、彼に口づけして、言った。
　「主があなたに油を注ぎ、
　　御自分の嗣業の民の指導者とされたのです。
　サムエル記上　１０章１節

　王となるべく油注ぎを受けたのです。
　そしてサムエルから次のように言われます。

　主の霊があなたに激しく降り、
　あなたも彼らと共に預言する状態になり、
　あなたは別人のようになるでしょう。
　サムエル記上　１０章６節

　主の霊が降ると「あなたは別人のようになるでしょう」というのです。
　元々のサウルではなく、主の霊が注がれたサウルはまるで別人だというのです。
　興味深い所です。主の霊が降ると別人のようになるという記述です。


　そのとおり、その後その日のうちにサウルに主の霊が降ります。

　サウルがサムエルと別れて帰途についたとき、
　神はサウルの心を新たにされた。
　以上のしるしはすべてその日に起こった。
　ギブアに入ると、預言者の一団が彼を迎え、
　神の霊が彼に激しく降り、
　サウルは彼らのただ中で預言する状態になった。
　サムエル記上　１０章９〜１０節

　この時サウルは、何もしていなかったのです。
　ただ帰途についているだけです。
　熱心に祈り求めたとか、賛美を献げたとかではなく、ただ帰途についただけです。

　神はサウルの努力によって主の霊を注いだのではなかったのです。
　サウルの熱心な求めに応じて、ご自身の霊を注いだのでもありません。
　ただただ一方的に注がれているのです。ご自身の選びによって一方的に注がれたのです。

　サウルの力や、努力や、人格によらなかったのです。


　神の霊がサウルに降り、サウルは預言しました。そして皆がびっくりするのです。
　それほど、いつものサウルではなかったのです。

　以前からサウルを知っていた者はだれでも、
　彼が預言者と一緒になって預言するのを見て、互いに言った。
　「キシュの息子に何が起こったのだ。
　　サウルもまた預言者の仲間か。」
　サムエル記上　１０章１１節

　そして、その別人状態もやがて終わります。

　サウルは預言する状態からさめると、
　聖なる高台へ行った。
　サムエル記上　１０章１３節

　サウルは預言する状態からさめたのです。
　まるで、酔っ払いが酔いからさめたような、そんな表現です。
　元に戻ったのです。


　主の霊が降った時に、サウルの身に何が起ったのか？
　それを知ることができる、聖書の記録です。
　主の霊は、人を別人に変えてしまうほど変化をもたらすのです。

　私はだめだ！こんな私はもう変わらない！変わりようがない！
　と失望落胆する必要は、ありません。
　聖霊は人を変えるのです。まったく変えてしまいます。

　神の霊は、私たちをまったく変えて下さるのです。

　【今日の聖書】
　主の霊があなたに激しく降り、
　あなたも彼らと共に預言する状態になり、
　あなたは別人のようになるでしょう。
　サムエル記上　１０章６節