くど
昔は、出雲地方では「コンロ」ではなく「くど」を使っていました。
出雲地方では「かまど」のことを、「くど」と言います。
そこに薪をくべて、火を焚いていたのです。
薪はどこから調達するかと言えば、山に柴刈りに行って取ってきていました。
いわゆる「おじいさんは山に柴刈りに、おばあさんは川に洗濯に...」の
「柴刈り」です。木と木の間に生えた、小さな木々を刈っていたわけです。
刈った柴は、しばらく山に積んでおいて乾燥させます。
その後幾日かしてから、山に行って背負って持って降りてきます。
ただ山道は狭いので、身体を斜めにさせて薪が木にぶつからないように
降りなければならなかったそうです。
また、子供も一緒に行って背負って帰ってきたそうです。
くどで燃やした薪は、灰になります。
その灰は、汚れた食器を洗う時に使ったそうです。
昔はほとんど油を使いませんでしたので、それで十分だったようです。
天ぷらなど、めったに食べることはなかったと言います。
だから排水もきれいだったので、下水に流すことはせず
庭に浸み込ませていたそうです。
野菜を切った後の野菜くずは、細かく切って鶏の餌にして、
米のとぎ汁は溜めておいて、牛に飲ませ
すくも(もみ殻)は、玉子を売る時の緩衝材にし
などなど、いろんなものを無駄にしない生活をしていたそうです。
イエスがパンを増やす奇蹟をした時も、
パンくずの余りを、無駄にしないようにと弟子たちに言われました。
籠に集めさせているのです。
【今日の聖書】
人々が満腹したとき、イエスは弟子たちに、
「少しも無駄にならないように、残ったパンの屑を集めなさい」と言われた。
ヨハネによる福音書 6章12節