今日のできごと


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2018/9/24(月)



サウル王の失敗

 サウル王の失敗は、神の命令への不従順や自己正当化、
 越権行為やダビデへの妬みなど、いろいろな要因が思い浮かびますが
 一言で言えば、「神よりも人を見ていた」ということに尽きるでしょう。

 見えない神を見るより、今目の前に見えている人を見ていたのです。
 神の命令よりも、人の言葉を優先し、
 神の目よりも、人の目を気にする男だったように見て取れます。

1.サウルは元々人の目を気にして隠れるような人物だった

 元々サウルは、人の目を気にして隠れるようなシャイな人物でした。
 シャイということは、人の目を気にしているということであって
 この時からすでに、彼が人を必要以上に気にする人物であることが表れていました。

 そこで、主に伺いを立てた。「その人はここに来ているのですか。」
 主は答えられた。「見よ、彼は荷物の間に隠れている。」
 人々は走って行き、そこから彼を連れて来た。
 サムエル記上 10章22〜23節(前半)

 サムエルが、ミツパで主のもとに民を呼び集めて、
 民の要求に応えて、王を選び出された時、そしてそれがサウルに当たった時
 サウルは、荷物の間に隠れていたのです。

2.サウルは兵士を恐れ、彼らの声に聞き従ってしまった

 2.1 神の命令は滅ぼし尽くせだった

 サウルは、サムエルを通して次のような神の命令を受けました。

 サムエルはサウルに言った。
 「主はわたしを遣わして、あなたに油を注ぎ、主の民イスラエルの王とされた。
  今、主が語られる御言葉を聞きなさい。万軍の主はこう言われる。
  イスラエルがエジプトから上って来る道でアマレクが仕掛けて妨害した行為を、
  わたしは罰することにした。行け。
  アマレクを討ち、アマレクに属するものは一切、滅ぼし尽くせ。
  男も女も、子供も乳飲み子も、牛も羊も、らくだもろばも打ち殺せ。
  容赦してはならない。」
 サムエル記上 15章1〜3節

 2.2 サウルは滅ぼし尽くさず残してしまった

 「アマレクに属するものは一切、滅ぼし尽くせ」という命令でしたが、
  サウルは滅ぼしつくさず、王アガグを生け捕りにし、
  肥えた動物など何でも上等なものは、惜しんで生かしておいたのです。

 アマレクの王アガグを生け捕りにし、その民をことごとく剣にかけて滅ぼした。
 しかしサウルと兵士は、アガグ、および羊と牛の最上のもの、
 初子ではない肥えた動物、小羊、その他何でも上等なものは
 惜しんで滅ぼし尽くさず、つまらない、値打ちのないものだけを滅ぼし尽くした。
 サムエル記上 15章8〜9節

 2.3 サウルはサムエルを通して咎められた

 神はサムエルを通して、サウルが神の言葉に聞き従わなかったことを
 厳しく咎められました。

 サムエルは言った。
 「あなたは、自分自身の目には取るに足らぬ者と映っているかもしれない。
  しかしあなたはイスラエルの諸部族の頭ではないか。
  主は油を注いで、あなたをイスラエルの上に王とされたのだ。
  主はあなたに出陣を命じ、行って、罪を犯したアマレクを滅ぼし尽くせ、
  彼らを皆殺しにするまで戦い抜け、と言われた。
  何故あなたは、主の御声に聞き従わず、戦利品を得ようと飛びかかり、
  主の目に悪とされることを行ったのか。」
 サムエル記上 15章17〜19節

 2.4 サウルは言い訳をして自己正当化した

 この問いかけに対してサウルは、悔い改めるのではなく言い訳をしています。
 自己正当化して、答えるのです。

 サウルはサムエルに答えた。
 「わたしは主の御声に聞き従いました。
  主の御命令どおりに出陣して、アマレクの王アガグを引いて来ましたし、
  アマレクも滅ぼし尽くしました。
  兵士が、ギルガルであなたの神、主への供え物にしようと、
  滅ぼし尽くすべき物のうち、最上の羊と牛を、
  戦利品の中から取り分けたのです。」
 サムエル記上 15章20〜21節

 それは、あたかも正しいことのように聞こえる言い訳でした。
 「残した動物は主への供え物にしようとした」と聞くと、
 なるほどそれは良いことだなと、思えてしまう言葉です。

 2.5 サウルに必要だったのは悔い改めだった

 しかしサムエルは、最も重要なことを彼に語ります。
 神に聞き従うことの重要性と、反逆や高慢が恐ろしい罪であるということです。
 更にサウルが王位から退けられると、断言するのです。

 サムエルは言った。
 「主が喜ばれるのは
  焼き尽くす献げ物やいけにえであろうか。
  むしろ、主の御声に聞き従うことではないか。
  見よ、聞き従うことはいけにえにまさり
  耳を傾けることは雄羊の脂肪にまさる。
  反逆は占いの罪に
  高慢は偶像崇拝に等しい。
  主の御言葉を退けたあなたは
  王位から退けられる。」
 サムエル記上 15章22〜23節

 2.6 サウルは配下の兵士を恐れて行動していた

 サウルは神の命令に従わなかった理由をこう語っています。

 サウルはサムエルに言った。
 「わたしは、主の御命令とあなたの言葉に背いて罪を犯しました。
  兵士を恐れ、彼らの声に聞き従ってしまいました。
 サムエル記上 15章24節

 サウルは、部下である兵士を恐れ、彼らの声に聞き従ってしまったのです。
 王であって自分の方が権威があるにもかかわらず、
 部下である人物を恐れるサウルの姿が、浮き彫りにされています。

 2.7 神はサウルを王にしたことを悔やまれた

 神は、不従順で悔い改めないサウルを、王にしてしまったことを悔やまれました。

 「わたしはサウルを王に立てたことを悔やむ。
  彼はわたしに背を向け、わたしの命令を果たさない。」
 サムエル記上 15章11節 (前半)

3.人が離れていくのを恐れて越権行為をしてしまった

 ペリシテ軍の大軍が、イスラエルと戦うために集結した時、
 サウルはギルガルに踏みとどまり、従う兵は皆サウルの後ろでおののいていました。

 ペリシテ軍は、イスラエルと戦うために集結した。
 その戦車は三万、騎兵は六千、兵士は海辺の砂のように多かった。
 彼らは上って来て、ベト・アベンの東、ミクマスに陣を敷いた。
 サムエル記上 13章5節

 危機の真只中で、そこに来るはずのサムエルが来なかったのです。

 サウルは、サムエルが命じたように、七日間待った。
 だが、サムエルはギルガルに来なかった。
 兵はサウルのもとから散り始めた。
 サムエル記上 13章8節

 サウルの元にサムエルが来るのが遅れてしまった時、
 サウルは何をしたでしょうか?

 サウルは、
 「焼き尽くす献げ物と和解の献げ物を持って来なさい」と命じて、
 焼き尽くす献げ物をささげた。
 サムエル記上 13章9節

 本来、祭司でなければやってはいけないことを、
 サウルはしてしまったのです。
 そのサウルに向かって、サムエルは語ります。

 サムエルはサウルに言った。
 「あなたは愚かなことをした。
  あなたの神、主がお与えになった戒めを守っていれば、
  主はあなたの王権をイスラエルの上にいつまでも
  確かなものとしてくださっただろうに。
 サムエル記上 13章13節

 サウルは、「神を恐れて神の戒めを守ること」より、
 「兵が自分の元を去り始めるのを恐れて、
  神の戒めを破ること」を選んでしまったのです。

 サウルが見ていたのは、神よりも人だったのです。

むすび. 目に見えない神こそ最も先に見るべきお方

 私たちはどうしても目に見えるものを、優先しがちです。
 また私たちの、間近にあるもの、至近距離にあるものを優先しがちです。

 しかし、最も優先すべき方は、私たちをお創りになられた神であるべきです。
 神は独り子イエス・キリストを、わたしたちの罪のために十字架にかけられ
 その流された血潮によって、罪を赦してくださったお方です。

 独り子のイエス・キリストを与えてくださるほどに、
 限りない愛で、私たちを愛して下さっているのです。
 この方を最優先せずして、誰を優先するのでしょうか?

 まず神を優先するのです。
 神の言葉を、神の戒めを、神への礼拝を、神への賛美を
 神への感謝を、そして神への悔い改めを優先するのです。

 人の言葉は、その後です。自分の願いや思いも、その後です。
 サウルと同じ弱さを持っている私たちですが、
 聖霊の助けによって、克服していくことができます。

 【今日の聖書】
 人を恐れると、わなに陥る、
 主に信頼する者は安らかである。
 箴言 29章25節 (口語訳)


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