夏と冬
聖書の中で、最初に「夏」と「冬」が出てくるのは創世記8章です。
地の続くかぎり、種蒔きも刈り入れも
寒さも暑さも、夏も冬も
昼も夜も、やむことはない。」
創世記 8章22節
創世記の1章では、「昼」や「夜」と言う言葉は出てきますが、
「夏」や「冬」という、季節に関わる言葉が出てきません。
神は光を見て、良しとされた。
神は光と闇を分け、光を昼と呼び、闇を夜と呼ばれた。
夕べがあり、朝があった。第一の日である。
創世記 1章4〜5節
「寒さ」も「暑さ」も、最初に出てくるのは、創世記8章です。
創世記1章や2章の天地創造の個所では、寒さや暑さは出て来ないのです。
逆に寒さが存在しなかったことが、下記の記述からわかります。
人と妻は二人とも裸であったが、
恥ずかしがりはしなかった。
創世記 2章25節
初めの人間は、服を着ないで生活することができていたということです。
もし今のような冬の寒さの中で、裸で放り出されたら、どうでしょうか?
凍死してしまうでしょう。今のような寒さがなかったことがわかります。
けれども、8章では「冬」と言う言葉が出てきますし、
「寒さ」も「暑さ」も出てきます。
確かに創世記の8章からは、今のような夏や冬が出てくるのです。
地の続くかぎり、種蒔きも刈り入れも
寒さも暑さも、夏も冬も
昼も夜も、やむことはない。」
創世記 8章22節
一体、どこで変わったのでしょうか?
8章22節の前に何があったのでしょうか?
この節の直前の個所を見てみましょう。
ノアは主のために祭壇を築いた。
そしてすべての清い家畜と清い鳥のうちから取り、
焼き尽くす献げ物として祭壇の上にささげた。
創世記 8章20節
22節の神の言葉は、ノアが全世界を覆う洪水から逃れ
箱舟から出て、焼き尽くす献げ物を祭壇の上にささげた直後に
神によって語られた言葉であることがわかります。
洪水が、地上の環境を変えてしまったことがわかります。
寒さも暑さも、夏も冬も、洪水後に始まっています。
もし最初から冬が存在していたとしたら、裸で生活はできなかったはずです。
洪水前の世界には、夏も冬も存在していなかったことがわかります。
シベリアから氷漬けのマンモスが発見されていますが、
その胃の中から出てくるのが、きんぽうげなどの温暖な地域の植物です。
ついさっきまで、温暖な地域の植物を食べていたのに、
消化する間もなく、氷漬けになってしまったということなのです。
ということは、瞬間的に水に覆われ冷却されたということになります。
それまで暖かった場所で植物を食べていた動物が、
洪水の水で覆われて、洪水による大規模な気象変化によって
急激に冷却されて、氷漬けになったとしたらこの現象が説明できます。
洪水前は、至る所が裸で生活できるような
温暖な場所であったと、考えられます。
いわゆる「冬」がなかったのです。「雪」も降らなかったのです。
神が季節をお造りになられたのは確かですが、
季節は創世記のはじめにではなく、
ノアの洪水後に、神が造られたのです。
【今日の聖書】
あなたは、太陽と光を放つ物を備えられました。
昼はあなたのもの、そして夜もあなたのものです。
あなたは、地の境をことごとく定められました。
夏と冬を造られたのもあなたです。
詩編 74編16〜17節