今日のできごと


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2018/8/5(日)



失敗しない人などいない

 よくペトロが、あわて者だと言われます。
 福音書にはペトロの失敗談が、事欠きません。

1.ペトロは恐怖によって湖で沈みそうになった

 まず湖の上を歩いてイエスの所に行こうとしたら、沈みかけた話です。

 イエスが「来なさい」と言われたので、
 ペトロは舟から降りて水の上を歩き、イエスの方へ進んだ。
 しかし、強い風に気がついて怖くなり、沈みかけたので、
 「主よ、助けてください」と叫んだ。
 マタイによる福音書 14章29〜30節

 強風におじけづいてしまい、怖くなって沈みかけました。
 そもそも水の上を歩くという、普通考えられないような状況でしたが
 しかしペトロが強い風に対して恐怖を覚えたということで

 ペトロの失敗と言われています。
 イエスも、ペトロの信仰の薄さを叱責なさっています。

 イエスはすぐに手を伸ばして捕まえ、
 「信仰の薄い者よ、なぜ疑ったのか」と言われた。
 マタイによる福音書 14章31節

2.ペトロは、十字架の死を予告したイエスの言葉を否定した

 また、イエスの十字架での死の予告を否定したこともあります。

 このときから、イエスは、御自分が必ずエルサレムに行って、
 長老、祭司長、律法学者たちから多くの苦しみを受けて殺され、
 三日目に復活することになっている、と弟子たちに打ち明け始められた。
 すると、ペトロはイエスをわきへお連れして、いさめ始めた。
 「主よ、とんでもないことです。そんなことがあってはなりません。」
 マタイによる福音書 16章21〜22節

 イエスが、大切な十字架と復活の話をなさった時に、
 何とイエスをわきへお連れして、いさめているのです。
 イエスはこれに対して、こう言われました。

 イエスは振り向いてペトロに言われた。
 「サタン、引き下がれ。あなたはわたしの邪魔をする者。
  神のことを思わず、人間のことを思っている。」
 マタイによる福音書 16章23節

 もちろん、ペトロが悪魔だったのではなく、彼が悪魔に憑かれていたわけでもなく
 彼の中にあった「自分の方が正しい」という傲慢に、悪魔が付け込み、
 神の計画に反する言葉を語らせていたのです。ペトロは、この時も失敗しています。

3.ペトロは衝動的に「仮小屋を建てましょう」と言った

 また、山の上でイエスの姿が変わり、
 顔は太陽のように輝き、服が光のように白くなった時も
 また見当違いの言葉を語っています。

 イエスの姿が彼らの目の前で変わり、
 顔は太陽のように輝き、
 服は光のように白くなった。
 マタイによる福音書 17章2節

 モーセとエリヤが現れ、イエスと語り合っていたので、
 ペトロは、3人のために仮小屋を3つ建てましょうと言っています。
 自分でも何を言っているか、わからずにいたのです。

 ペトロが口をはさんでイエスに言った。
 「主よ、わたしたちがここにいるのは、すばらしいことです。
  お望みでしたら、わたしがここに仮小屋を三つ建てましょう。
  一つはあなたのため、一つはモーセのため、もう一つはエリヤのためです。」
 マタイによる福音書 17章4節

 ペトロは、どう言えばよいのか、分からなかった。
 弟子たちは非常に恐れていたのである。
 マルコによる福音書 9章6節

4.ペトロは自分を買いかぶっていた

 イエスが過越しの食事の時に、「今夜、あなたがたは皆わたしにつまずく。」
 と言われた時に、ペトロは「たとえ、みんながあなたにつまずいても、
 わたしは決してつまずきません」と言っています。自信満々でした。

 するとペトロが、
 「たとえ、みんながあなたにつまずいても、
  わたしは決してつまずきません」と言った。
 マタイによる福音書 26章33節

 それに対してイエスは、反対のことを言われます。

 イエスは言われた。
 「はっきり言っておく。あなたは今夜、鶏が鳴く前に、
  三度わたしのことを知らないと言うだろう。」
 マタイによる福音書 26章34節

5.ペトロはイエスを否定した

 そしてその通りになりました。

 そのとき、ペトロは呪いの言葉さえ口にしながら、
 「そんな人は知らない」と誓い始めた。
 するとすぐ、鶏が鳴いた。
 マタイによる福音書 26章74節

 ペトロはあろうことか、イエスを否定してしまったのです。
 しかも、呪いの言葉さえ口にしながら否定してしまいました。
 大失敗を超えるような状態に陥っていました。

6.ペトロはゲッセマネで祈れと言われていたのに寝てしまった

 さらに、その前のゲッセマネでは、イエスに「目を覚まして祈っていなさい」と
 命じられていたにも関わらず、眠ってしまっていました。
 3度も寝てしまったのです。

 それから、弟子たちのところへ戻って御覧になると、
 彼らは眠っていたので、ペトロに言われた。
 「あなたがたはこのように、
  わずか一時もわたしと共に目を覚ましていられなかったのか。
 マタイによる福音書 26章40節

 イエスに叱責されています。

7.イエスに足を洗わないでくれと言ってしまった

 イエスが弟子たちの足を洗われた時、ペトロはそれを拒んでしまっています。

 ペトロが、「わたしの足など、決して洗わないでください」と言うと、
 イエスは、「もしわたしがあなたを洗わないなら、
 あなたはわたしと何のかかわりもないことになる」と答えられた。
 ヨハネによる福音書 13章8節

 こう言われると、今度は余計なことまで要求してしまいます。

 そこでシモン・ペトロが言った。
 「主よ、足だけでなく、手も頭も。」
 ヨハネによる福音書 13章9節

 イエスはこれに対して、足だけで良いのだと説明されました。

 イエスは言われた。
 「既に体を洗った者は、全身清いのだから、足だけ洗えばよい。
 ヨハネによる福音書 13章10節 (前半)

むすび. 失敗だらけの罪人のためにイエスが血を流された

 こう見て来ると、ペトロは多くの失敗を繰り返していたことがわかります。
 ペトロに限らず、イエスの弟子であっても失敗はしています。
 失敗をしない人など、この世にいないのです。

 罪を犯さない人も、この世にはいません。
 誰もが罪人で、誰もが失敗をするのです。
 それも1回2回ではありません。何回も何回も繰り返しています。

 もしペトロが失敗した時、イエスがおまえはもうだめだ失格だと言われていたら
 どうだったでしょうか?ペンテコステ後のペトロの説教はなかったのです。
 ペトロは、コルネリウスの家にも遣わされなかったでしょう。

 多くの失敗を繰り返していたペトロが、使徒言行録をみると
 大きく用いられているのです。イエスは彼を失格者とされなかったのです。
 それは彼がへりくだって悔いていたからであり、

 また聖霊に満たされて、自分の力ではなく聖霊の力によって働いていたからなのです。
 そういうペトロを用いられているのです。
 私たちも多くの失敗を繰り返すものです。

 しかし主は、赦し助け聖霊によって強くし、また用いて下さるのです。
 使徒言行録を見るとき、ペトロが大きく用いられていることを知ることができます。
 大丈夫です。いつでも主に立ち返って起き上がりましょう!

 【今日の聖書】
 わたしの子たちよ、これらのことを書くのは、
 あなたがたが罪を犯さないようになるためです。
 たとえ罪を犯しても、御父のもとに弁護者、
 正しい方、イエス・キリストがおられます。
 ヨハネの手紙一 2章1節


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