さあ行って、王家の人々に知らせよう
1.サマリアは考えられないようなひどい飢饉に陥った
預言者エリシャの時代、北イスラエル王国は
アラムの軍隊によって、サマリアの町を包囲され
危機に陥っていました。
その後、アラムの王ベン・ハダドは全軍を召集し、
攻め上って来て、サマリアを包囲した。
列王記下 6章24節
ちょうど、サマリアは大飢饉に見舞われていたため
物価は高騰し、食料はなくなり人々は大変な状況に陥りました。
サマリアは大飢饉に見舞われていたが、それに包囲が加わって、
ろばの頭一つが銀八十シェケル、
鳩の糞四分の一カブが五シェケルで売られるようになった。
列王記下 6章25節
ソロモンの時代、エジプトから輸入した馬は
1頭で銀150シェケルだったといいますから
ろばの頭1つが銀80シェケルというのは、とんでもなく高い値段です。
エジプトから輸入された戦車は一両銀六百シェケル、
馬は一頭百五十シェケルの値が付けられた。
列王紀上 10章29節(前半)
エリシャの時代は、ソロモン時代から100年前後と考えられますので
貨幣価値が多少下がっていたかもしれませんが
それにしても、ろばの頭2つが馬1頭よりも高いというのは高過ぎです。
それほど、食糧が尽きていたということがわかります。
食糧がないため、自分の子どもを煮て食べるという事も行われ
とてつもなく恐ろしい状況だったようです。
わたしたちはわたしの子供を煮て食べました。
しかしその翌日、わたしがこの女に、
『あなたの子供をください。その子を食べましょう』と言いますと、
この女は自分の子供を隠してしまったのです。」
列王記下 6章29節
2.城門の入り口にいた4人の重い皮膚病を患う者が投降しようとした
その時、城門の入り口に重い皮膚病を患う者が四人いました。
城門の入り口に重い皮膚病を患う者が四人いて、
互いに言い合った。
「どうしてわたしたちは死ぬまでここに座っていられようか。
列王記下 7章3節
彼らは話し合います。
町に入ろうと言ってみたところで、
町は飢饉に見舞われていて、
わたしたちはそこで死ぬだけだし、
ここに座っていても死ぬだけだ。
そうならアラムの陣営に投降しよう。
もし彼らが生かしてくれるなら、
わたしたちは生き延びることができる。
もしわたしたちを殺すなら、死ぬまでのことだ。」
列王記下 7章4節
町に入っても飢饉で死ぬだけだし、座っていても死ぬだけなので
いっそのことアラム軍に投降しようというのです。
そしてそれを実行に移します。
3.重い皮膚病の4人はアラム軍が逃げ去ったことを知った
ところが行ってみると、もぬけの殻だったのです。
夕暮れに、彼らはアラムの陣営に行こうと立ち上がったが、
アラムの陣営の外れまで来たところ、
そこにはだれもいなかった。
列王記下 7章5節
アラム軍は、主の働きによって、逃げ去っていました。
主が戦車の音や軍馬の音や大軍の音をアラムの陣営に
響き渡らせられたため、彼らは、
「見よ、イスラエルの王が我々を攻めるために
ヘト人の諸王やエジプトの諸王を買収したのだ」と言い合い、
夕暮れに立って逃げ去った。
彼らは天幕も馬もろばも捨て、陣営をそのままにして、
命を惜しんで逃げ去った。
列王記下 7章6〜7節
そこで4人は、敵の陣地に捨て去られた食糧を飲み食いし
銀、金、衣服を運び出して隠したりするのです。
重い皮膚病を患っている者たちは陣営の外れまで来て、
一つの天幕に入り、飲み食いした後、
銀、金、衣服を運び出して隠した。
彼らはまた戻って来て他の天幕に入り、
そこからも運び出して隠した。
列王記下 7章8節
4.彼らは良い知らせを人々に知らせた
その時はたと気づきます。
こんなことをしている場合じゃないと。
彼らは互いに言い合った。
「わたしたちはこのようなことをしていてはならない。
この日は良い知らせの日だ。
わたしたちが黙って朝日が昇るまで待っているなら、
罰を受けるだろう。さあ行って、王家の人々に知らせよう。」
列王記下 7章9節
そして、門衛に伝えるのです。
彼らは行って町の門衛を呼び、こう伝えた。
「わたしたちはアラムの陣営に行って来ましたが、
そこにはだれもいませんでした。
そこには人の声もなく、
ただ馬やろばがつながれたままで、天幕もそのままでした。」
列王記下 7章10節
敵がすでに逃げ去ってそこにはいないことを伝えたのです。
門衛たちは叫んで、この知らせを中の王家の人々に知らせます。
門衛たちは叫んで、この知らせを中の王家の人々に知らせた。
列王記下 7章11節
こうしてサマリアの町は危機を脱し、食糧が手に入るようになったのです。
むすび.良い知らせは伝えなさい
良い知らせは、人に伝えるべきであって黙っていてはなりません。
特に、そのままでは滅んででしまう人に、
滅びない道を知っているのに教えないというのは、
その人を殺してしまうのと同じなのです。
パウロは言います。
「福音を告げ知らせないなら、わたしは不幸なのです。」と。(1コリ9:16)
「イエス・キリストを信じるなら、罪が赦され永遠の滅びから免れ
永遠の命が与えられる」というのが福音であり最も良い知らせです。
これを私たちは、生きる限り伝えていくのです。
【今日の聖書】
彼らは互いに言い合った。
「わたしたちはこのようなことをしていてはならない。
この日は良い知らせの日だ。
わたしたちが黙って朝日が昇るまで待っているなら、
罰を受けるだろう。
さあ行って、王家の人々に知らせよう。」
列王記下 7章9節