人間の罪によって死がもたらされ、
　死によって、人に涙がもたらされるようになりました。
　マリヤも、兄弟ラザロの死によって泣いていました。

　イエスは、彼女が泣き、
　一緒に来たユダヤ人たちも泣いているのを見て、
　心に憤りを覚え、興奮して、
　ヨハネによる福音書　１１章３３節

　神は人間を元々、悲しみ、嘆き、涙して生きるように
　造られたのではなかったのです。はじめは極めて良かったのです。

　神はお造りになったすべてのものを御覧になった。
　見よ、それは極めて良かった。
　創世記　１章３１節　(前半)


　人間の罪の結果、死が入り込んでしまい、涙を流すようになってしまいました。

　このようなわけで、一人の人によって罪が世に入り、
　罪によって死が入り込んだように、死はすべての人に及んだのです。
　すべての人が罪を犯したからです。
　ローマの信徒への手紙　５章１２節

　神の視点から考えると、「何ということだ、元々そんなふうに
　悲しみ、嘆き、涙して生きるように人間を造ったのではなかったのに、
　罪を犯し罪人として生きる人間たちの何と悲惨なことだろうか！」ということになります。

　イエスは心に、憤りを覚えられました。人の罪の結果もたらされたものが、
　いかに嘆かわしいものなのか、いかに本来的姿とかけ離れているものなのか、
　憤りを覚えるほどのものなのです。

　「死に苦しみ、死の悲しみに打ちひしがれるように人を創ったのではなかったのに！」
　「人は本来、生き生きと輝いて生きるように創ったはずなのに！」
　「一生死の恐怖と悲しみに捕らえられて生きる、こんなのは人間本来の姿ではない！」

　イエスは涙を流された。　ヨハネによる福音書　１１章３５節

　イエスは憤りを覚え、興奮して、涙を流されました。


　憐れみに富む神は、このように罪の中で悩み苦しみ悲しむ人間を
　「何とかしなければ」と考えられました。滅びるままに放置されなかったのです。
　そしてその解決が、イエス・キリストによって与えられたのです。

　人は皆、罪を犯して神の栄光を受けられなくなっていますが、
　ただキリスト・イエスによる贖いの業を通して、
　神の恵みにより無償で義とされるのです。
　ローマの信徒への手紙　３章２３〜２４節

　イエス・キリストは、私たちの罪をゆるすために十字架について死なれました。
　罪の解決を与えて下さったのです。そして、罪によってもたらされていた
　死に対する解決も与えて下さいました。永遠の命へと続く道を提供されたのです。

　罪が支払う報酬は死です。
　しかし、神の賜物は、わたしたちの主キリスト・イエスによる永遠の命なのです。
　ローマの信徒への手紙　６章２３節


　イエス・キリストを信じる者は、神に裁かれることなく永遠の命を受けるのです。

　神の子の名を信じているあなたがたに、
　これらのことを書き送るのは、永遠の命を得ていることを悟らせたいからです。
　ヨハネの手紙一　５章１３節

　事実イエス・キリストは、死に勝利されることによって永遠の命をお示しになりました。
　イエス・キリストは十字架で死なれましたが、死から復活されたのです。

　しかし、実際、キリストは死者の中から復活し、
　眠りについた人たちの初穂となられました。
　コリントの信徒への手紙一　１５章２０節

　キリストは、死に打ち勝たれ、私たちに永遠の命をもたらされたのです。
　「初穂となられました」ということですから、それに続く穂があるわけです。
　それが、イエス・キリストを信じる私たちなのです。

　死のとげは罪であり、罪の力は律法です。
　わたしたちの主イエス・キリストによってわたしたちに勝利を賜る神に、
　感謝しよう。
　コリントの信徒への手紙一　１５章５６〜５７節

　イエス・キリストを信じた私たちは、一度死にますが、罪が赦されていますから
　死んだ後、イエスのように死に勝利して永遠の命へと入れられるのです。
　初穂のイエスに続いて、初穂に続く穂として永遠の命に入っていくのです。

　最後のラッパが鳴るとともに、たちまち、一瞬のうちにです。
　ラッパが鳴ると、死者は復活して朽ちない者とされ、
　わたしたちは変えられます。
　コリントの信徒への手紙一　１５章５２節

　永遠の命を生きる天の御国、そこには
　死も涙も、存在しません。一切の悲しみがないのです。
　人間が本来創られた姿で、神の愛の中で生き生きと生きられるのです。

　【今日の聖書】
　彼らの目の涙をことごとくぬぐい取ってくださる。
　もはや死はなく、もはや悲しみも嘆きも労苦もない。
　最初のものは過ぎ去ったからである。」
　ヨハネの黙示録　２１章４節