罪を悔い改めずに苦しみ死んでいったヨラム王
1.ヨラム王は、アハブの娘を妻としていた
ヨシャファト王に次いで王になったのは、ヨラムです。
彼は三十二歳で王となり、八年間エルサレムで治めていますが、
非常に悪い王でした。アハブの娘を、妻としていたからです。
ヨシャファトは先祖と共に眠りにつき、
先祖と共にダビデの町に葬られた。
その子ヨラムがヨシャファトに代わって王となった。
歴代志下 21章1節
父のヨシャファト王は悪王であったアハブの家と、姻戚関係を結びました。
ヨシャファトの息子ヨラムの妻は、アハブの娘だったのです。
ということは、イゼベルの多大な影響を受けて育っているはずですから
当然バアルの教えが小さい時から、教え込まれていたことでしょう。
そのような女性を妻にすると、どういうことが起こるでしょうか?
必然的にアハブの家が行っていた悪が、入り込んでくることになりました。
彼はアハブの娘を妻としていたので、アハブの家が行ったように、
イスラエルの王たちの道を歩み、主の目に悪とされることを行った。
歴代志下 21章6節
2.ヨラム王は、悪事の数々を行った
2.1 ヨラム王は、6人の弟たちを皆殺しにした
まずヨラム王が行った悪は、自分の兄弟を皆殺しにすることでした。
彼には6人の弟たちがいましたが、そのすべてを殺してしまうのです。
高官たちも何人かが同時に、殺されてしまいました。
ところが、ヨラムは父の国を支配下に置いて勢力を増すと、
自分の兄弟のすべてと、イスラエルの高官のうち何人かを剣にかけて殺した。
歴代志下 21章4節
邪魔者はたとえ家族であっても殺してしまうという、恐ろしい状況です。
バアルの教えが、いかに悪魔的で残虐であったかを伺い知ることができます。
イゼベルはナボトの畑を欲しがったアハブのために、簡単に彼を殺しているのです。
2.2 ヨラム王は、ユダ全体を堕落させていった
ヨラム王は、家族を殺すだけでなく、国全体に悪を広めることをしていきます。
ヨラム王は、ユダの山々に偶像崇拝の場所「聖なる高台」を造ります。
そしてユダの人々を、霊的に堕落させてしまうのです。
3.ヨラム王は、悔い改めることなく災いの中で死んでいった
3.1 ヨラム王は預言者エリヤからの手紙を受け取った
このようにヨラム王は、完全に主を捨てて
主の憎まれる教えである、バアル教にのめり込んでしまったのです。
預言者エリヤが、ヨラム王に次のような手紙を送ります。
次のような一通の手紙が預言者エリヤから彼のもとに届いた。
「あなたの父祖ダビデの神、主はこう言われる。
『あなたは父ヨシャファトの道、ユダの王アサの道を歩まず、
イスラエルの諸王の道を歩み、アハブの家が淫行を行わせたように、
ユダとエルサレムの住民に淫行を行わせ、またあなたの父の家の者、
あなたよりも優れた兄弟たちを殺した。
それゆえ、主は大きな災いをもって、あなたの民、
あなたの子たち、妻たち、すべての財産を打つ。
またあなた自身、悪質な内臓の病にかかり、それが日に日に重くなり、
ついに内臓が外に出るようになる。』」
歴代志下 21章12〜15節
預言者からこのような手紙を受け取ったら、悔い改めるのではないでしょうか?
けれども、彼は悔い改めることをせず、この手紙の通りの災いが
彼の上に降りかかってくることに、なってしまったのです。
3.2 悔い改めなかったヨラム王は家族や財産を奪われた
主は、ペリシテ人とアラブ人によって災いをもたらされ、
ヨラム王の子たち、妻たち、すべての財産を奪い去らせるのです。
ヨラムには最年少の子ヨアハズしか残されませんでした。
主は、クシュ人の近くに住んでいたペリシテ人とアラブ人の
ヨラムに対する敵意をあおられた。
彼らはユダに攻め上って突き進み、王宮で見つかったすべての財宝と、
王子や王妃たちを奪い去った。
そのため、ヨラムには最年少の子ヨアハズしか残されなかった。
歴代志下 21章16〜17節
3.3 悔い改めなかったヨラム王は不治の病で死んでいった
更にヨラム王は、不治の病になってしまいます。
その病に苦しみあえぎながら、死んでしまうのです。
「病の中で主に立ち返り、主に助けを求めた」ということも、なかったのです。
その後、主は彼の腹を不治の病で打たれた。
来る日も来る日も苦しみ、二年ばかり後には、
その病のために内臓が出るようになり、彼はひどい苦しみにあえぎながら死んだ。
民は、その先祖のために火をたいたようには、彼のために火をたくことをしなかった。
歴代志下 21章18〜19節
むすび.ヨラム王のように主を捨ててはならない
ヨラム王の生涯を見る時に、偶像崇拝を選び取って、主を捨てるということが、
どれほど悲惨な結果を生むか、ということを教えられます。
結局ヨラム王は、誰からも惜しまれることなく一生を閉じるのです。
王の墓にも葬られることは、なかったのです。
私たちに対する反面教師として、今もなお聖書の中から語りかけています。
私たちは絶対に、ヨラム王のように主を捨ててはならないのです。
彼は三十二歳で王となり、八年間エルサレムで王位にあったが、
惜しまれることなく、世を去った。
その遺体はダビデの町に葬られたが、王の墓には納められなかった。
歴代志下 21章20節
【今日の聖書】
偶像を仰いではならない。
神々の偶像を鋳造してはならない。
わたしはあなたたちの神、主である。
レビ記 19章4節