今日のできごと


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2017/8/3(木)



閑散とした温泉町の再生

 今日は、松江観光協会玉造温泉支部事務局長の周藤実さんから
 玉造温泉を、この10年でどのように再生したかについて、
 お話を伺ってきました。

 1.ニーズに合わなくなったスタイルで寂れてきた

 10年前の写真を見せて頂きましたが、今とは違い
 おしゃれな街並みではなく、単なる温泉旅館が立ち並ぶだけの
 アスファルト道の、ごく普通の、どこにでもあるような町でした。

 当時の観光のスタイルは、夕方になると大型観光バスがやってきて
 旅館に団体客が入り、100人規模の大宴会場で宴会をして
 高級な料理を出して、温泉に入るというスタイルだったそうです。

 そのようなスタイルの観光が徐々に下火になっていき、
 グループでの旅行スタイルが主流になってきたため、
 日中も夜も閑散として、人がほとんどいない温泉街となっていたそうです。

 2.スタイルの変化に挑んだ

 そこで、何とか町全体に魅力を取り戻そうということで
 知名度をアップさせようということになったそうです。
 その後の取り組みは、なるほどと感心することばかりでした。

 詳細は省きますが、方法としては下記の通りです。

 1.各種団体と連携をした 観光協会+旅館組合+企業+行政+地域住民
 2.再生のために地域独自のテーマを決めた
 3.すでにあるものを活用することにした
 4.従来の古いやり方はやめた(イベント、ポスター、チラシ)
 5.思い切って新しいやり方を取り入れた(いつ来ても大丈夫)
 6.新しい客層をターゲットにしたニーズに応える定期的な広報(ネットも活用)
 7.観光協会と旅館組合の役目を分け、重複を除いた(棲み分け)

 行政(市の担当者)も連携したので、路面改修は行政にやってもらった。
 司令塔を観光協会にして、旅館組合は「プロモーション」に徹してもらった。
 環境整備(掃除など)は、各種団体や旅館の従業員の方々が分担。

 3.ニーズにあったスタイルに変わって成功!

 結果的に、旅館に良い印象を持っていなかった地域の人々の意識が
 変わっていき、地域全体で観光客を迎える体制になっていったそうです。
 その結果、86万人を割り込んでいた年間の温泉入込客数も、

 右肩下がりだったのが、右肩上がりになって、
 去年は100万人を超えたということでした。
 今流行の民泊者数も、2016年で13000人を超えたということでした。

 むすび. 地域再生の成功の秘訣は何だったか?

 @各機関が連携したこと、
 Aすでにあるものを大いに活用したこと、
 B地域住民を巻き込んだこと、

 この3つにあるのではないかと思いました。
 観光客のニーズを的確に把握し、それにこたえるために
 各機関が連携して考えて、役割を担って実行した結果が、

 このような結果になって表れたのだと思いました。
 ひとりではなく、大勢が集まって連携することの強さについて
 大いに教えられた話でした。

 =今日の質問=

 「道路の一方通行についても、その中で実施したのですか?」と伺ったところ
 その通りだということでした。けれどもはじめは反対も多かったそうです。
 何で車の通らない道を一方通行にするのか!ということだったそうです。

 河川の改修についても、その中で行われたのかどうか伺ったところ、
 改修自体は20年前にすでに県で行われていたとのことでした。
 しかし草ぼうぼうで、手入れも何もされていなかったようで、

 そこを今回の活動で、地域全体を巻き込んで改善していったそうです。

 【今日の聖書】
 わたしたちは神のために力を合わせて働く者であり、
 あなたがたは神の畑、神の建物なのです。
 コリントの信徒への手紙一 3章9節


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