苦しみの中での祈りの子サムエル
1.ハンナとエルカナの夫婦の子供がサムエル
サムエル記にハンナという人が出てきます。
ハンナは「恵み(grace)」という意味の名前です。
夫はエルカナと言いますが、その意味は「神が造られた」です。
("God has possessed" or "God has created")
この夫婦に男の子が生まれます。その子がサムエルです。
「彼の名は神(his name is El)」という意味です。
2.子供が生まれるように苦しみ祈ったハンナ
ハンナは当初子供がなかったため、非常に苦しみます。
ハンナは悩み嘆いて主に祈り、
激しく泣いた。
サムエル記上 1章10節
泣くはヘブライ語で「バカ―」です。
これが最後に2回繰り返されて、強意になっています。
泣きに泣いたのです。
そしてハンナは、主のみ前であまりにも長く祈っていました。
ハンナが主の御前であまりにも長く祈っているので、
エリは彼女の口もとを注意して見た。
サムエル記上 1章12節
3.酔っ払いと誤解されるほどに祈ったハンナ
当初祭司エリは、ハンナが声を出さずに口だけを動かしていたので
酒に酔っているのだと誤解しました。
ハンナは心のうちで祈っていて、
唇は動いていたが声は聞こえなかった。
エリは彼女が酒に酔っているのだと思い、彼女に言った。
「いつまで酔っているのか。酔いをさましてきなさい。」
サムエル記上 1章13〜14節
ひどい言葉だと思います。
一生懸命心の願いを注ぎだして祈っているのに、
祭司ともあろう人が、酔っ払っていると誤解して
「酔いを醒ましなさい」と命じているのです。
けれどもハンナは憤ることもなく、今まで祈っていたことを告げます。
祭司エリは「神が願いをかなえてくださるように」と答えました。
むすび. サムエルは祈りによって与えられた子だった
このようにハンナの苦しみの中での涙の祈り、長い時間の祈りによって
与えられたのがサムエルだったのです。
祈りによって与えられたサムエルは、後に神に大きく用いられていきます。
【今日の聖書】
ハンナは身ごもり、
月が満ちて男の子を産んだ。
主に願って得た子供なので、
その名をサムエル(その名は神)と名付けた。
サムエル記上 1章20節