ピラトは大勢の声に負けてしまった
1.ピラトはイエスが無実だとわかっていた
1.1 ピラトの最初の無罪宣言
イエス・キリストが十字架につけられる前、
自分の前にイエスが連れられてきた時、
ポンテオ・ピラトは、イエスが無罪だと確信していました。
ピラトは祭司長たちと群衆に、
「わたしはこの男に何の罪も見いだせない」と言った。
ルカによる福音書 23章4節
1.2 ピラトの2度目の無罪宣言
ピラトはヘロデの元にイエスを送りますが、
ヘロデがイエスを送り返してきた時も、こう言っています。
「わたしはあなたたちの前で取り調べたが、
訴えているような犯罪は
この男には何も見つからなかった。
ヘロデとても同じであった。
それで、我々のもとに送り返してきたのだが、
この男は死刑に当たるようなことは何もしていない。
ルカによる福音書 23章14〜15節(抜粋)
けれども人々は、ピラトに向かって大声で叫びました。
しかし、人々は一斉に、
「その男を殺せ。バラバを釈放しろ」と叫んだ。
ルカによる福音書 23章18節
ピラトは、本当はイエスを釈放したかったのですが、
人々はまったくそれを受け付けませんでした。
このバラバは、都に起こった暴動と殺人のかどで
投獄されていたのである。
ピラトはイエスを釈放しようと思って、改めて呼びかけた。
しかし人々は、
「十字架につけろ、十字架につけろ」と叫び続けた。
ルカによる福音書 23章19〜21節
1.3 ピラトの3度目の無罪宣言
ピラトは、3度目にもイエスに罪はないことを宣言しています。
ピラトは三度目に言った。
「いったい、どんな悪事を働いたと言うのか。
この男には死刑に当たる犯罪は何も見つからなかった。
だから、鞭で懲らしめて釈放しよう。」
ルカによる福音書 23章22節
2.ピラトは人々の声に負けた
2.1 人々の声はますます強くなっていった
しかし、人々は、ますます強くイエスを十字架につけるように
要求しました。
ところが人々は、イエスを十字架につけるように
あくまでも大声で要求し続けた。
その声はますます強くなった。
ルカによる福音書 23章23節
2.2 ピラトは人々の要求を受け入れてしまった
ピラトはついに、彼らの要求を受け入れてしまいます。
そこで、ピラトは彼らの要求をいれる決定を下した。
ルカによる福音書 23章24節
彼は、大勢の声に負けたのです。
3度もイエスに罪は見いだせないと言っていたにもかかわらず
最終的には、人々の言うがままになってしまいました。
2.3 十字架は不当な裁きの結果だった
総督として、ローマ皇帝から権威を与えられていた
大きな力をもつ地位のある人物であったにもかかわらず、
ピラトは群衆の大声に勝てませんでした。
「自分では絶対に正しいと思っていたとしても、
ほかの大勢が反対したから、自分の意見を取り下げる」
そういうことは、本来あってはならないことです。
そういうことがまかり通っていくと、
正義ではなく、悪が勝っていくことでしょう。
そういう中でイエスは十字架にかけられてしまったのです。
3.ピラトの不当な裁きをあえて許された神
3.1 神は不当な裁きをあえて許しておられた
不当な裁きであり、冤罪です。正義が踏みにじられ、
悪が正義を駆逐したかのような出来事です。
しかし、神はあえてそれを許されました。
なぜこんな不当なことがまかり通るのか?
神の正義はどこに行ってしまったのか?
弱いものが不当に虐げられる、泣き寝入りではないか!
3.2 不当な裁きゆえの十字架が全人類の救いの道となった
しかし神は悪を容認されていたのではなかったのです。
全人類の罪を背負って十字架でイエスが刑罰を受け、
全人類が赦しを得るために、あえてそれを見過ごされていたのです。
そして、十字架にかかって、
自らその身にわたしたちの罪を担ってくださいました。
わたしたちが、罪に対して死んで、
義によって生きるようになるためです。
そのお受けになった傷によって、
あなたがたはいやされました。
ペトロの手紙一 2章24節
3.3 最後に正しい裁きが待っている
キリストは不当な裁きによって殺されました。
しかし3日目によみがえり、今は神の右に座しておられます。
そしてやがて、神の前で正しい裁きがなされることになるのです。
主よ、だれがあなたの名を畏れず、
たたえずにおられましょうか。
聖なる方は、あなただけ。
すべての国民が、来て、
あなたの前にひれ伏すでしょう。
あなたの正しい裁きが、明らかになったからです。」
ヨハネの黙示録 15章4節
むすび.
ピラトは群衆の大声に負けてしまい、
不当な裁きをしてしまい、それによって
イエス・キリストを十字架に引き渡してしまいました。
しかし、やがて将来、
決して群衆の声に負けることのない
決定的に正しい裁きの時が、必ずやってきます。
その時には、わたしたちすべての人の罪が暴かれ、
正しく裁かれることになります。
そこに罪や悪の容認はありません。
神の正しい裁きから逃れるためには、
イエス・キリストの十字架の死が、私の罪のためだったと
信じる以外にはないのです。
今日、イエス・キリストを私の主、救い主として信じて
キリストの十字架による罪の赦しを頂き、
その救いに預かってください。
【今日の聖書】
ピラトは三度目に言った。
「いったい、どんな悪事を働いたと言うのか。
この男には死刑に当たる犯罪は何も見つからなかった。
だから、鞭で懲らしめて釈放しよう。」
ところが人々は、
イエスを十字架につけるように
あくまでも大声で要求し続けた。
その声はますます強くなった。
そこで、ピラトは彼らの要求をいれる決定を下した。
ルカによる福音書 23章22〜24節