今日のできごと


 前日  翌日  今月  去年の今頃  トップへ  更新
2017/12/9(土)



ダビデの息子たち

 ダビデの息子たちの名前は、歴代誌上3章に記されています。

 ヘブロンで生まれたダビデの息子は次のとおりである。
 長男はアムノン、母はイズレエル人アヒノアム。
 次男はダニエル、母はカルメル人アビガイル。
 三男はアブサロム、ゲシュルの王タルマイの娘マアカの子。
 四男はアドニヤ、ハギトの子。
 五男はシェファトヤ、母はアビタル。
 六男はイトレアム、母はダビデの妻エグラ。
 ヘブロンで六人の息子がダビデに生まれた。
 ダビデはそこで七年と六か月、
 エルサレムで三十三年間王位にあった。
 エルサレムで彼に生まれた息子は次のとおりである。
 シムア、ショバブ、ナタン、ソロモンの四人。
 母はアミエルの娘バト・シュア。
 更に、イブハル、エリシャマ、エリフェレト、ノガ、
 ネフェグ、ヤフィア、エリシャマ、エルヤダ、
 エリフェレトの九人がいる。
 これが側女らによる子を除くダビデの子のすべてである。
 タマルは彼らの姉妹である。
 歴代志上 3章1〜9節

No.名前母親誕生地
アムノンイズレエル人アヒノアムヘブロン
ダニエルカルメル人アビガイルヘブロン
アブサロムゲシュルの王タルマイの娘マアカヘブロン
アドニヤハギトヘブロン
シェファトヤアビタルヘブロン
イトレアムエグラヘブロン
シムアアミエルの娘バト・シュアエルサレム
ショバブアミエルの娘バト・シュアエルサレム
ナタンアミエルの娘バト・シュアエルサレム
ソロモンアミエルの娘バト・シュアエルサレム
イブハルエルサレム
エリシャマエルサレム
エリフェレトエルサレム
ノガエルサレム
ネフェグエルサレム
ヤフィアエルサレム
エリシャマエルサレム

 実に息子たちだけで、17人もいたということです。
 これに娘たちもいて、さらに側女の子どもたちもいたと言いますから
 ゆうに20人は超えていたことでしょう。

 これが側女らによる子を除くダビデの子のすべてである。
 タマルは彼らの姉妹である。
 歴代志上 3章9節

 息子たちが大勢いて、ダビデは幸せだっただろうなと思われそうですが、
 現実は、そうではありませんでした。
 幸せな家庭どころか、嘘と姦淫と殺戮の繰り広げられた家庭だったのです。

 1.長男アムノンの暴挙によるタマルの被害

 まず、長男アムノンが、異母妹タマルを辱めます。
 そればかりか、辱めたあげく激しく憎んで追い出すのです。

 アムノンは彼女の言うことを聞こうとせず、
 力ずくで辱め、彼女と床を共にした。
 そして、アムノンは激しい憎しみを彼女に覚えた。
 その憎しみは、彼女を愛したその愛よりも激しかった。
 アムノンは彼女に言った。「立て。出て行け。」
 サムエル記下 13章14〜15節

 長男アムノンの横暴さと、身勝手さがわかります。
 自分の欲望を満たすためなら、嘘でも何でもついて、
 王をもだまして、成し遂げてしまう、恐ろしい人物でした。

 元々は、友人ヨナダブの編み出した策略でしたが、
 それを事も無げに行い、挙句の果てに相手に憎しみを抱き、
 被害者なのに憎み退け、追い出してしまうという恐ろしさです。

 2.三男アブサロムの復讐によるアムノンの死

 三男アブサロムは、タマルの実の兄であったのですが
 アムノンに対して、復讐を企てます。

 アブサロムは自分の従者たちに命じて言った。
 「いいか。アムノンが酒に酔って上機嫌になったとき、
  わたしがアムノンを討てと命じたら、アムノンを殺せ。
  恐れるな。これはわたしが命令するのだ。
  勇気を持て。勇敢な者となれ。」
 サムエル記下 13章28節

 人を殺すことに、勇気も何もありません。
 復讐殺人も、殺しの罪だからです。
 アブサロムの従者たちは、命令通りアムノンを殺してしまいます。

 従者たちは、アブサロムの命令どおりアムノンに襲いかかった。
 王子は全員立ってそれぞれのらばに乗り、逃げ出した。
 サムエル記下 13章29節

 ダビデ王は、アムノンの死を悲しみます。
 悲しみ続けたと言います。

 アブサロムは、
 ゲシュルの王アミフドの子タルマイのもとに逃げた。
 ダビデはアムノンを悼み続けた。
 サムエル記下 13章37節

 3.アブサロムの父ダビデに対する謀反と死

 3.1 アブサロムの謀反

 その後アブサロムは、ダビデに代わって王になろうとします。
 人心をつかみ、謀反を企てるのです。

 アブサロムはイスラエルの全部族に密使を送り、
 角笛の音を合図に、
 「アブサロムがヘブロンで王となった」と言うように命じた。
 サムエル記下 15章10節

 「主への誓願を果たすためにヘブロンに行かせてください」と王に言い、
 ヘブロンに行きますが、何とそこで「アブサロムがヘブロンで王となった」
 と言うように命じたのです。

 いけにえをささげるにあたって、アブサロムは使いを送り、
 ダビデの顧問であるギロ人アヒトフェルを彼の町ギロから迎えた。
 陰謀が固められてゆき、
 アブサロムのもとに集まる民は次第に数を増した。
 サムエル記下 15章12節

 3.2 ダビデ王の避難とアブサロムの死

 アブサロムが民の数を増していったことを聞いたダビデ王は、
 アブサロムを避けて逃げるのですが、アブサロムは、最終的に
 ダビデの家来のヨアブたちによって、殺されてしまいます。

 「それなら、お前に期待はしない」とヨアブは言った。
 アブサロムは樫の木にひっかかったまま、まだ生きていた。
 ヨアブは棒を三本手に取り、アブサロムの心臓に突き刺した。
 ヨアブの武器を持つ従卒十人が取り囲んでアブサロムを打ち、
 とどめを刺した。
 サムエル記下 18章14〜15節

 3.3 ダビデ王の嘆き

 結局ダビデ王は、アムノンばかりかアブサロムも失ってしまうのです。
 ダビデ王は嘆きました。

 ダビデは身を震わせ、城門の上の部屋に上って泣いた。
 彼は上りながらこう言った。
 「わたしの息子アブサロムよ、わたしの息子よ。
  わたしの息子アブサロムよ、
  わたしがお前に代わって死ねばよかった。
  アブサロム、わたしの息子よ、わたしの息子よ。」
 サムエル記下 19章1節

 ダビデ王は、アブサロムのために大声で叫んでいるのです。

 王は顔を覆い、大声で叫んでいた。
 「わたしの息子アブサロム、アブサロム。
  わたしの息子、わたしの息子よ。」
 サムエル記下 19章5節

 むすび.
 
 こうしてダビデは、自分の息子を二人も失うという悲劇を体験します。
 しかもタマルの時も、アムノンの死の時も、
 加害者の親でもあり、被害者の親でもあるのです。

 ただ単に、息子たちが多ければ幸せかと言えば、そうではなかったのです。
 問題は、ダビデ王の息子たちの心の内に潜む罪にあったのです。
 アムノンの罪は「姦淫の罪」(十戒の七戒目の違反)でした。

 アブサロムは「兄を殺す」殺人の罪を犯し、(十戒の六戒目の違反)
 「父を敬わない」という罪を犯し、(十戒の五戒目の違反)
 「父の側女を辱める」という姦淫の罪を犯しました。(十戒の七戒目の違反)

 罪の解決こそが、必要だったのです。
 そのために、神はひとり子イエス・キリストを、十字架にかけられたのです。
 イエス・キリストは十字架で血を流し死んでくださいました。

 全世界の全人類の罪を赦すためにです。
 ダビデは息子たちを失って嘆きましたが、それ以上に神は、
 ひとり子イエスを、十字架で苦しんで死なすという悲しみを味わわれたのです。

 神はひとり子イエスを与えてくださるほどに、
 私たちを、愛してくださっているのです。
 その愛に漏れている人は、一人もいないのです。

 【今日の聖書】
 イエスは、わたしたちのために、
 命を捨ててくださいました。
 そのことによって、
 わたしたちは愛を知りました。
 だから、
 わたしたちも兄弟のために命を捨てるべきです。
 ヨハネの手紙一 3章16節


 前日  翌日  今月  去年の今頃  トップへ  更新