今日のできごと


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2017/11/8(水)



石で打ち殺されるべき...

 1.イエスを試して訴える口実を得るために連れて来られた女性

 朝早く神殿にいたイエスの所に、とある女性が連れて来られました。
 姦通の現場で捕まえられた女性でした。人々の目的は、
 女性を断罪することにあったのではなく、イエスを断罪することにありました。
 
 イエスに言った。
 「先生、この女は姦通をしているときに捕まりました。
  こういう女は石で打ち殺せと、モーセは律法の中で命じています。
  ところで、あなたはどうお考えになりますか。」
 ヨハネによる福音書 8章4〜5節

 もし「石で打て」と言われたら、女性は死んでしまうから、
 「石で打つな」と言うだろう。そうなれば、神の律法に背く者として断罪でき
 イエスを貶めることができるはず、と考えたわけです。

 2.律法の厳しい規定によれば女性は死刑にならなければならなかった

 2.1 結婚前に姦淫していたら石打ち

 確かに律法にはこう書かれています。

 娘を父親の家の戸口に引き出し、
 町の人たちは彼女を石で打ち殺さねばならない。
 彼女は父の家で姦淫を行って、
 イスラエルの中で愚かなことをしたからである。
 あなたはあなたの中から悪を取り除かねばならない。
 申命記 22章21節

 結婚した時に、実は処女ではなかったという場合は、
 「石で打ち殺せ」と命じられています。
 正式に結婚した人以外とは、一切肉体関係を持ってはならないのです。

 2.2 姦淫したら男も女も死刑

 人の妻と姦淫する者、
 すなわち隣人の妻と姦淫する者は
 姦淫した男も女も共に必ず死刑に処せられる。
 レビ記 20章10節

 姦淫をした場合は、必ず死刑でした。
 弁解の余地は、少しもないのです。
 性的堕落に対しては、非常に厳しいことがわかります。

 2.3 野で助けがいない場合は男だけが死刑

 ただし、誰も助ける人がいない野で、
 一方的に被害を受けた場合は、男だけが死刑でした。
 当然被害者の女性は、守られました。

 もしある男が別の男と婚約している娘と野で出会い、
 これを力ずくで犯し共に寝た場合は、
 共に寝た男だけを殺さねばならない。
 申命記 22章25節

 3.女性だけでなく誰も律法を完全に守れている人はいなかった

 イエスは、これに対してどう答えられたでしょうか?

 しかし、彼らがしつこく問い続けるので、
 イエスは身を起こして言われた。
 「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、
  まず、この女に石を投げなさい。」
 ヨハネによる福音書 8章7節

 律法の規定通りに「石で打ちなさい」と言われましたが、
 「罪を犯したことのない者が」という条件が付いていました。
 もし自分自身も罪を犯していたら、自分も裁かれなければならなかったのです。

 どうなったでしょうか?

 これを聞いた者は、年長者から始まって、
 一人また一人と、立ち去ってしまい、
 イエスひとりと、真ん中にいた女が残った。
 ヨハネによる福音書 8章9節

 誰一人、石を投げられなかったのです。
 それどころか、そこに居られなくなってしまい
 立ち去ってしまうほか、なかったのです。

 むすび.イエスが身代わりに殺され罪を赦してくださった

 ここで如実に示されていることは、
 この女性だけでなく、すべての人が罪をもちつつ生きている
 ということです。

 律法学者たちやファリサイ派の人々が、女性を連れてきましたが、
 彼らは聖書の専門家であり、教える側の人々でした。
 しかし、正しく生きていたかといえばそうではなく、

 自分自身の罪をどうすることもできずに、生きていたのです。
 「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が」と言われた時に、
 誰一人、それに該当する人はいませんでした。

 殺されなければならなかったのは、女性ではなく自分だった!と
 気づいたのかもしれません。
 しかしイエスは誰一人裁くことなく、この女性もゆるされました。

 律法では死刑なのに、なぜゆるされたのでしょうか?
 それは身代わりに、イエスが十字架で死なれたからです。
 女性の死刑を、イエスが代わりに身に受けられたのです。

 女性だけでなく、律法学者たちやファリサイ派の人々をはじめとして
 世界中の人々の罪の身代わりになって、イエスが十字架にかかって下さり
 死んでくださったのです。その身代わりの死のゆえに、私たちは赦されたのです。

 十字架で死なれたイエスは3日目によみがえり、今も生きておられるのです。

 【今日の聖書】
 イエスは、身を起こして言われた。
 「婦人よ、あの人たちはどこにいるのか。
  だれもあなたを罪に定めなかったのか。」
 女が、「主よ、だれも」と言うと、
 イエスは言われた。
 「わたしもあなたを罪に定めない。行きなさい。
  これからは、もう罪を犯してはならない。」
 ヨハネによる福音書 8章10〜11節


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