今日のできごと


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2017/1/3(火)



天地万物の創造者を礼拝する

 去年の9月10日にも書きましたが、
 正月の行事の宗教的意味合いを、以下に再掲しておきます。

1.正月の由来

 元来、日本のお正月は、神道でいう「年神様」を迎える期間
 という意味をもっています。
 「年神様」は「歳徳神(としとくしん)」ともいい、

 亡くなった祖先も含んでいると言われています。
 古来、日本人は、人間が死ぬと魂が山へ行き
 「山の神様」になると、信じていたそうです。

 その神様は春になると「田の神様」としてやってきて、
 秋になると山へ帰っていき、正月には「年神様」として、
 その年の豊かな実りを約束しにやってくると考えていたと言います。

 それゆえ「年神様」には、1年の始まりに
 豊かな実りを祈願して、豊作を求めることになったのです。
 日本で正月に行なっている様々なことがらは、

 この「年神様」崇拝が元になっていると言えます。

2.正月の行事

 @大掃除
 年末に大掃除をするのは、「年神様」を迎えるためであり、
 家をきれいに掃除して、そこに「年神様」を迎えることになります。
 このときに神棚も掃除して、新しいお札をまつることになります。

 A門松としめ飾り
 門松は「年神様」を家庭へ招く目印であり、
 しめ飾りは、悪いものや穢れたものを閉め出し、
 「年神様」の聖域を護るという意味を持っているそうです。

 B三が日
 三が日の間、お灯明をあげ、お供えをします。
 「年神様」をこの期間、家に迎え入れるということに
 なります。ですから、仕事はしません。

 C鏡餅
 鏡餅は、「年神様」へのお供えとして飾るものです。
 鏡餅は元々鏡を形どったものであるとのことです。
 鏡開きの時には、刃物を使わずに、手で割ったりして分けて食べます。

 Dお年玉
 お年玉の語源は、古来の風習であった
 「年神様」に奉納された鏡餅を、参拝者に分け与えた神事から
 きているといわれています。

 Eおせち料理
 「年神様」に供えたご馳走を頂く事に、由来します。
 「年神様」を迎えている間は「煮炊きをするのを慎む」
 という意味も持ち、3が日は箸も洗ったりしません。

 Fお雑煮
 「年神様」に供えた餅を家族揃って食べるという意味をもち、
 雑煮に餅は不可欠だそうです。雑煮と言う名は、海の幸、山の幸を
 一緒に入れて食べる事に、由来しているそうです。

 G新年の挨拶「あけましておめでとう」
 もともと、今年も「芽出度い(めでたい=芽が出る)」と、
 「年神様」に豊かな実りを願う意味をもっていたそうです。
 そういう点では、欧米のHappy New Year とは意味合いが違います。

 H年賀状
 上述の新年の挨拶を、直接会えない人にはがきで送るものが、
 年賀状だそうです。明治時代に郵便制度が整ったため、
 はがきで年賀状を送る習慣が急速に広まったと言います。

 I「良いお年をお迎えください」
 年末に「良いお年をお迎えください」と挨拶するのは、多分に
 「年神様」から、1年の豊かな実りが与えられますように、
 という祈りのニュアンスが込められていたと考えられます。

 J初詣
 1年の初めに、神社に参拝に行くことを初詣と言います。
 「年神様」のお札(ふだ)を、神社が発行しています。
 「年神様」を拝むことも、初詣に含まれています。

 K十二支
 殷の時代に日付に使用され、
 後に時刻や方位にも、利用されるようになったというものです。
 中国の五行思想と、陰陽道に関連する十干と結びついて

 干支(えと)となったと言います。
 神道では、十二支を草木の成長と関連付けているそうです。

 L年末の餅つき
 「年神様」へのお供えにするお餅は、
 正月までに作っておかなければなりません。
 そこで、正月用のお供えの餅を作るために、年末に餅つきをします。

 Mお屠蘇
 生薬を酒に入れて、一家で年少者から飲み回すものを
 お屠蘇(とそ)と言います。
 屠蘇の意味は、各種の説があるそうですが、
 「死んだ者もよみがえる」という意味をもつといいます。

3.正月と「年神様」の結びつき

 このように、日本の正月の行事は
 神道の「年神様(=歳徳神)」崇拝と、
 密接に結びついていることがわかります。

 ちなみに年越しそばは、江戸時代に
 そばだんごで金粉を集めたことから、
 商売繁盛を願うことに由来するといいます。

 年越しそばなどを除けば、正月に関するほとんどのしきたりが、
 「年神様」に対するものであることがわかります。
 その意味を知ると、なぜ正月にそうするのか納得がいきます。

 日本における伝統的な正月行事というのは、
 ほとんどすべて、神道の「歳徳神」信仰に基づいたものなのです。
 「年神様」を家に迎え入れて繁栄を求めるのが正月行事なのです。

むすび.

 私たちクリスチャンが信じている聖書の神様は、
 「年神様」と言われている「歳徳神」とは、違います。
 聖書の神様は、天地万物の造り主です。創造主です。

 正月だけ来るとか、春になるとやってくるというのでなく、
 いつでもどこにでも、信じるものと共にいてくださるお方です。
 豊かな実りを与えてくださるどころか、私たちの一切の罪を赦し、

 私たちに、「永遠の命」までも与えてくださるお方です。
 罪は正しく裁かれる義のお方ですが、同時に
 私たちのために、御子イエス様を十字架につけてくださるほど、

 私たちを愛してくださっている、愛のお方です。
 このように素晴らしい神様を、本当の神様として礼拝しています。
 本当の神様により頼むことが、一番大事なことなのです。

 【今日の聖書】
 聞け、イスラエルよ。
 我らの神、主は唯一の主である。
 申命記 6章4節


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