ゆりのきキリスト教会テキスト礼拝説教2011年1月2日


2011年1月2日 主日礼拝説教
「あなたの罪は赦された」(マタイの福音書9章1節〜8節)

■はじめに

 8章から始まったマタイがつづる奇蹟の6つ目になります。最初の3つは、病がいやされる奇蹟でまとめられていました。4つ目からはイエス様の権威についてまとめられています
 4つ目は自然を従わせる権威を持っておられること、5つ目は悪霊を従わせる権威を持っておられること、今日はイエス様に罪を赦す権威があることを教えます。
 この奇蹟は、マルコの福音書(2:1)、ルカの福音書(5:17)にも載せられていますが、マタイは時間的順序を自由に、しかも内容もかなり省略しています。

■カペナウムの町へ

 イエス様と弟子たち一行は、ガダラの地で悪霊につかれていたふたりの男の人から悪霊を追い出されて、また舟に乗り、ガリラヤ湖を渡って帰ってきました。

1イエスは舟に乗って湖を渡り、自分の町に帰られた。2すると、人々が中風の人を床に寝かせたままで、みもとに運んで来た。イエスは彼らの信仰を見て、中風の人に、「子よ。しっかりしなさい。あなたの罪は赦された」と言われた。

 「自分の町」とは、ガリラヤ湖の北西岸にあるカペナウムの町です。イエス様はある家に入られました。そこはペテロの家であったと思われます。
 そこに「人々が」とありますが、マルコ、ルカの福音書によれば、4人の人たちが歩けない中風の人を寝かせたまま連れてきたのでした。イエス様はお話をしておられ、多くの人が家の戸口のところまでいっぱいであったと、マルコ、ルカの福音書に出ています。彼らはイエス様に近づくことができません。どうしてもイエス様のところに中風の人を連れていきたいという思いから、彼らは屋根にあがってしまいました。そこで彼らは、見当をつけて屋根に穴をあけたのです。
 大勢の人が熱心にイエス様の話を聞いているところに、寝床に寝かされた人が降ろされてきました。イエス様は「彼らの信仰を見て」とあります。ずいぶん乱暴なやり方でしたが、治りたいと願っている中風の人自身と、中風の人をイエス様の前に吊りおろした人々の信仰を見られたのです。

■あなたの罪は赦された

 そしてイエス様は、聞いていた人たちびっくりするようなことばを言います。「子よ。しっかりしなさい。あなたの罪は赦された。」
 「あなたの罪は赦された」は、現在形の受動態のことばです。イエス様が宣言された、その時に罪が赦されたことを示しています。イエス様の来られた目的は、病をいやすこと以上に罪の赦しをもたらすことでした。
 イエス様は中風の人に力強く、罪のゆるしを宣言されました。罪の赦しは、中風がいやされるよりはるかに大きな恵みです。それは永遠のいのちにかかわることだからです。

3すると、律法学者たちは、心の中で、「この人は神をけがしている」と言った。

 この家でイエス様のお話を聞いていた人たちの中に「律法学者たち」がいました。彼らは、「あなたの罪は赦された」というイエス様のことばが気に入りませんでした。口には出さずに「心の中で言った」のです。マルコの福音書ではこうあります。

マルコの福音書2:7 「この人は、なぜ、あんなことを言うのか。神をけがしているのだ。神おひとりのほか、だれが罪を赦すことができよう。」

 神の国について話すことはだれにでも許されている。しかし「あなたの罪は赦された」と言う権威は、人間には与えられていない。いま「罪の赦し」を実現させてしまうあなたは神なのか、そんなことはあるはずがない。そう律法学者たちは考えたのです。
 人間の罪は神に対して犯したものです。ですから、罪の赦しは罪を犯された当事者、神のみがそれを赦すことができるのです。

イザヤ55:6−7「6主を求めよ。お会いできる間に。近くにおられるうちに、呼び求めよ。7悪者はおのれの道を捨て、不法者はおのれのはかりごとを捨て去れ。主に帰れ。そうすれば、主はあわれんでくださる。私たちの神に帰れ。豊かに赦してくださるから。」

 律法学者たちは、それで「神をけがしている」考えました。権限のない人間が神になり代わって罪の赦しを宣言したと思ったのでした。

■中風の人をいやす

4イエスは彼らの心の思いを知って言われた。「なぜ、心の中で悪いことを考えているのか。5『あなたの罪は赦された』と言うのと、『起きて歩け』と言うのと、どちらがやさしいか。

 本質的なことを考えたならば、「罪は赦された」と宣言するほうが難しいでしょう。しかし「罪は赦された」と言っても、外見からはその証拠を見ることができません。しかし皆が見ている前で中風の人が治り、歩いて帰ることになったら、治した人の力をだれも疑うことはできません。イエス様に病気をいやすことのできる神の力があることを、そしてイエス様がこの地上でいま罪を赦す権威を持っていることを示すことになるのです。

6人の子が地上で罪を赦す権威を持っていることを、あなたがたに知らせるために。」こう言って、それから中風の人に、「起きなさい。寝床をたたんで、家に帰りなさい」と言われた。

 彼はたちどころに人々の前で起き上がり、寝ていた床を取り上げて、みなの見ている前を出て行きました。イエス様が神の力を持っておられ、罪の赦しを与えることができる。しかも罪を赦していただける神の国がイエス様が来られたことによって、この地上に来ていた。それが、中風の人が歩きだすという目に見える形で明らかになりました。

8群衆はそれを見て恐ろしくなり、こんな権威を人にお与えになった神をあがめた。

 群衆は、神様がイエスという人に、その権威を特別に与えたのではないかと考えました。イエス様が神ご自身であり神の子であることは、まだ隠されており、人々にも弟子たちにもわからないことでした。
 イエス様は、「あなたの罪は赦された」ということばをもって、ご自分が罪を赦す権威を持っている神であることを明らかにしました。そして、世界が待ち望んでいた「人の子」である救い主、旧約聖書で預言されていた「人の子」と呼ばれるる救い主が、罪を赦す権威を持ってここに来たことを明らかにしたのです。

■罪を赦すことのできるお方

 「子よ、あなたの罪は赦された。」このイエス様のことばは、中風の人だけにかけられていることばではありません。だれもがイエス様からかけていただくおことばです。しかもそれは、世の終わりまで待つ必要はありません。地上で、今、私たちは罪が赦されていることを確信できるおことばなのです。
 天の神様は、私たち人間の罪を赦すために、イエス様を救い主としてこの世に遣わしてくださいました。私たちが神様に対して犯した罪は、刑罰なしで、いいかげんなことで赦されるものではありません。罪の支払う報酬は死です。私たちの罪は、死という刑罰を受けなければならないのです。
 イエス様は、私たちの罪を身に受けて十字架でご自分の肉を裂かれ血を流されて、私たちを罪から救ってくださいました。イエス様がおっしゃった「あなたの罪は赦された」ということばには、それほどの犠牲が払われたのです。
 イエス様の十字架だけが私たちを罪から救ってくださいます。私たちのすべてを知っていてくださるお方が、「子よ、あなたの罪は赦された」と言ってくださるのです。 私たちを愛してくださるイエス様に感謝して、この週も、また2011年も歩み出したいと思います。


ゆりのきキリスト教会テキスト礼拝説教2011年1月2日