今日のできごと


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2025/1/14(火)

 

ヨブの悔い改め

1.ヨブは正しく生きていた

 ヨブは、純粋無垢な人物でした。

 ウツの地にヨブという人がいた。
 無垢な正しい人で、神を畏れ、悪を避けて生きていた。
 ヨブ記 1章1節

 神に「地上に彼ほどの者はいまい」と言われるほど、ヨブは正しく生きていた人物でした。

 主はサタンに言われた。
 「お前はわたしの僕ヨブに気づいたか。
  地上に彼ほどの者はいまい。
  無垢な正しい人で、神を畏れ、悪を避けて生きている。」
 ヨブ記 1章8節

 財産を失っても、10人の子どもたちを失ってもヨブは正しく語ります。

 「わたしは裸で母の胎を出た。
  裸でそこに帰ろう。
  主は与え、主は奪う。
  主の御名はほめたたえられよ。」
 このような時にも、ヨブは神を非難することなく、罪を犯さなかった。
 ヨブ記 1章21〜22節

2.しかしヨブの正しさにも限界があった

 神に「地上に彼ほどの者はいまい」と言われていた、ヨブの正しく生きる姿勢は
 素晴らしいものであったことが、ここからわかります。
 けれども、ヨブが「罪人として生まれていなかった」わけではなかったのです。

 サタンに体をひどい皮膚病にされ、親友たちから冤罪で非難されてしまうと
 さすがのヨブも、正しくあり続けることができませんでした。
 親友のテマン人エリファズはヨブに対して、「罪を犯したはずだ」と断罪するのです。

 考えてみなさい。
 罪のない人が滅ぼされ
 正しい人が絶たれたことがあるかどうか。
 ヨブ記 4章7節

 ヨブは他の二人からも、冤罪で責め立てられます。
 冤罪で責められたヨブは、自分の潔白を主張します。

 断じて、あなたたちを正しいとはしない。
 死に至るまで、わたしは潔白を主張する。
 わたしは自らの正しさに固執して譲らない。
 一日たりとも心に恥じるところはない。
 ヨブ記 27章5〜6節

 冤罪で責め立てられているようなそんな悪は、断じてしていないと語りますが
 その後、神が見ておられない、神が冷酷になられたと語ってしまうのです。

 神よ
 わたしはあなたに向かって叫んでいるのに
 あなたはお答えにならない。
 御前に立っているのに
 あなたは御覧にならない。
 あなたは冷酷になり
 御手の力をもってわたしに怒りを表される。
 ヨブ記 30章20〜21節

 これが、ヨブの正しさの限界でした。

3.神はヨブの表面化していなかった心の奥に潜む罪に気付かさせた

 順風満帆の時や、財産や子供を失った時までは表面化していなかった罪が
 ここにきて、はじめて表面化してきているのです。
 そして、今まで表面化していなかった心の奥底に眠っていた隠れた罪、

 そこからもヨブが離れ去ることを、神は願っておられたのです。
 そのために、あえてサタンの願い通りにヨブに苦しみを与えられ
 ヨブを、「苦難のどん底」に落とし入れたのです。

 そこでヨブは、自分が今まで気付かなかった「自分の隠れた罪」を知らされ、
 それを神に指摘されて悔い改め、さらに今まで以上に正しく生きることになるのです。
 苦難を味わわなければ知ることがなかった自分の罪を知り、そこから離れ去ることができたのです。

 ヨブも罪人として生まれていましたが、罪人として生まれついていても
 かなりの面で正しく生きることができるということを、ヨブ記から知ることができますが
 それでも、「罪人である人間の正しさには限界がある」ということを教えられます。

 ヨブは親友たちに冤罪で責め立てられた時、神を正しくないとしてしまったのです。
 冤罪の苦しみは、「なぜ神は正しく裁いて下さらないのか!」という不信仰と
 「神は正しくない!」という、神を悪としてしまう罪に落ち込みやすくしてしまうのです。

 これが、罪人として生まれついた人間の限界であり持って生まれた弱さなのです。

むすび.ヨブはさらに正しく生きることになった

 ヨブは、自分では正しく生きてきたと認識し、
 神からも賞賛されるような、生き方をしてきましたが
 ヨブの心の奥底にも、大きな罪が横たわっていたのです。

 ヨブも、まぎれもなく罪人として生まれていたのです。
 神はその正しく生きてきたヨブに、隠れていた罪を気付かさせ
 そしてその罪からも離れ去るように、悔い改めへと導かれているのです。

 苦難の後のヨブは、物質的に二倍の祝福を神から受け取っていますが
 罪から離れるという面においても、気付いていなかった罪を悔い改めることによって
 さらに大きく前進していたのです。

 【今日の聖書】
 それゆえ、わたしは塵と灰の上に伏し
 自分を退け、悔い改めます。
 ヨブ記 42章6節


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