救われる前のパウロの姿A
1.パウロはイエスを信じる者を見つけ出しては投獄していた
イエスを信じる以前のパウロは、イエスに対して大いに反対していました。
イエスをただの人間だとみなし、「ただの人間が自分を神だと言うのは、甚だしい罪だ」
「それは神への冒涜行為であって、十字架で殺されて当然だ」と考えていたわけです。
それゆえパウロは、イエスを信じていた人々を捕えては牢に送り込んでいたのです。
当時の教会は家々で集まっていたので、そのような家々に押し入っては
その教会を荒らし、男女を問わず見つけ出しては投獄していたのです。
一方、サウロは家から家へと押し入って教会を荒らし、
男女を問わず引き出して牢に送っていた。
使徒言行録 8章3節
後にパウロは、「多くの聖なる者たちを牢に入れ」と、過去の自分の行動を語っています。
そして、それをエルサレムで実行に移し、この私が祭司長たちから権限を受けて
多くの聖なる者たちを牢に入れ、彼らが死刑になるときは、賛成の意思表示をしたのです。
使徒言行録 26章10節
2.パウロはイエスを信じている者たちにに対して激しく怒り狂っていた
パウロはイエスを信じている人々に対して、単に「反感を抱いていた」というようなレベルではなく
イエスを信じている人々に対して、激しく怒り狂っていたのです。
当時のパウロにとって、イエスは単なる冒涜者であって神に対する大罪人でしかなかったのです。
また、至るところの会堂で、しばしば彼らを罰してイエスを冒涜するように強制し、
彼らに対して激しく怒り狂い、外国の町にまでも迫害の手を伸ばしたのです。」
使徒言行録 26章11節
ですからそんな人物を信じている人々は、彼にとって神に背く罪人以外の何者でもありませんでした。
過去イスラエルの民は神に背き堕落した結果、アッシリアやバビロンに捕囚になっていました。
ですから「神に背くことは民全体に神の裁きを招く結果になる」という意識もあったわけです。
「イエスを信じる人々は、神に背いて自分たちに神の裁きを招こうとしている」
「またもや捕囚のような災いを招くことになってしまっている」という危機感が生じていたわけです。
「彼らは神に反逆して災いをもたらそうとしている」という思いで、激しく怒り狂っていたのです。
3.パウロは徹底的に教会を迫害し滅ぼそうとしていた
パウロは「私は徹底的に神の教会を迫害し、滅ぼそうとしていました」と語っています。
パウロの教会への迫害は、徹底的だったのです。
あなたがたは、わたしがかつてユダヤ教徒としてどのようにふるまっていたかを聞いています。
わたしは、徹底的に神の教会を迫害し、滅ぼそうとしていました。
ガラテヤの信徒への手紙 1章13節
パウロは、半端な行動はしていませんでした。
徹底的に、神の教会を迫害し滅ぼそうとしていたのです。
ですから、イエスを信じる者が死刑になることも厭わずそれに賛成していたのです。
そして、それをエルサレムで実行に移し、この私が祭司長たちから権限を受けて
多くの聖なる者たちを牢に入れ、彼らが死刑になるときは、賛成の意思表示をしたのです。
使徒言行録 26章10節
徹底的にイエスを信じる者たちを迫害していたパウロは、エルサレムだけでなく
外国の町にまでも、迫害の手を伸ばしていました。
外国の町にまでも迫害の手を伸ばしたのです。」
使徒言行録 26章11節(後半)
そして、ダマスコに住んでいたイエスを信じる信徒たちも
男女を問わず縛り上げ、エルサレムに連行しようとしたのです。
さて、サウロはなおも主の弟子たちを脅迫し、殺そうと意気込んで、
大祭司のところへ行き、ダマスコの諸会堂あての手紙を求めた。
それは、この道に従う者を見つけ出したら、男女を問わず縛り上げ、
エルサレムに連行するためであった。
使徒言行録 9章1〜2節
むすび.徹底的に教会を迫害し滅ぼそうとしていたパウロが神の憐れみを受けた
救われる以前のパウロは、徹底的に教会を滅ぼそうと意気込む大迫害者だったわけです。
その徹底ぶりは、「イエスを信じる者」とわかれば男女を問わず投獄し
彼らが死刑になることにも賛成し、外国の町にまでも迫害の手を伸ばすほどでした。
「イエスは神を冒涜する異端者だ」というパウロの誤解は、大迫害という形で
イエスを信じる者たちに及んでいたのです。
どれほど多くの人々が、パウロによって投獄されたことでしょうか?
イエスを「神を冒涜する者」と誤解したことは、逆に
自分自身を、「神を冒涜する者」としてしまっていたのです。
しかしそんなパウロを神は憐れみ、あふれる恵みを与えて伝道者として用いられたのです。
【今日の聖書】
以前、わたしは神を冒涜する者、迫害する者、暴力を振るう者でした。
しかし、信じていないとき知らずに行ったことなので、憐れみを受けました。
そして、わたしたちの主の恵みが、キリスト・イエスによる信仰と愛と共に、
あふれるほど与えられました。
テモテへの手紙一 1章13〜14節